一般社団法人 日本アマチュア無線連盟(JARL)は、平成30年度(2018年4月1日~2019年3月31日)の事業報告を作成し、理事や社員など同連盟の関係者に配布した。その中で2019年3月7日現在のJARL会員数と年齢層別の構成、男女比、無線従事者資格別分布、QSLカード転送枚数などが公表されている。
JARLが作成した資料「平成30年度事業報告」によると、2019年3月7日現在のJARL会員数は「正員」が56,032名(昨年同期は56,321名)、「社団会員」が1,425名(同1,468名)、「家族会員」が1,421名(同1,493名)、「准員」が6,490名(同6,673名)の合計65,368名となっている。これは1年前の2018年3月7日現在と比較して587名の減少(同44名減少)だ。昨年度よりも減少幅が悪化し、前年度はわずかに増加した正員も再び減少に転じている。
◆年齢層別会員構成
正員と家族会員の年齢層別会員構成は「5歳刻み」でグラフ化したものが掲載されている。
最も多い正員は66~70歳の11,266名。次いで61~65歳(9,737名)、56~60歳(8,812名)、71~75歳(7,057名)と続く。全体的に46歳以上から85歳に正員が集中し、40歳以下は合算してもわずか3.2%(1,778名=前年よりも119名減少)に過ぎない。70歳以上が24.6%(13,785名=前年よりも1,682名増加)も存在するのとは対照的だ。
下のグラフは今回発表された正員の年齢層別構成と、1年前(2018年3月7日現在)、2年前(2017年3月7日現在)および3年前(2016年3月7日現在)のデータを比較してみたものだ。増加が顕著なのは71~75歳、76~80歳、81~85歳の各年齢層だ。一方で51~55歳や46~50歳、66~70歳は大きく減少していることがわかる。
また「お試し入会キャンペーン」が実施されている25歳以下は、2018年との比較では伸びが芳しくないが、キャンペーン開始前の2016年3月7日現在と比較すると、対象の各年齢層で増加していることがわかり、一定の効果があると言えるだろう。
◆会員数増減グラフ
平成24(2012)年3月から平成31(2019)年3月までの会員数増減グラフが掲載されている。正員・社団会員・家族会員・准員の総計で「右肩下がり」の状況にある。正員は平成27(2015)年頃からは減少に一定の歯止めがかかり、横ばいに近くなったが、平成30(2018)年に入った付近から再び減少が顕著になっている。
◆男女比、エリア別会員数
また正員、家族会員、准員を合算した「男女比」は、男子が61,782名で全体の96.6%。女性は2,161名で3.4%と、昨年度および一昨年度の比率とまったく変わらなかった。昨年度は男子、女子とも前年度比で数名ずつの増加が見られたが、今回は男女とも減少に転じた。
またエリア別会員数は下記の通り。各エリアが減少する中で、唯一3エリア(関西地方本部)が前年比22名の増加となっている。
◆無線従事者資格別分布
また正員と家族会員を「無線従事者資格別」で見てみると、昨年度と同様、多い順に4アマ→3アマ→2アマ→1アマ→1・2総通→3総通→1・2陸技→航空通となる(不詳者を除く)。しかし4アマの割合は年々減少し今回は32.7%に。一方で3アマは0.4%増加した。昨年度は微増した2アマと1アマは減少に転じた。
◆QSL・SWLカード転送状況
この1年間にJARL QSLビューローが取り扱った、QSL・SWLカードの転送状況を見てみよう。年間の処理枚数は978万枚で、昨年度よりも3.4%(34万1,889枚)の減少となっている。このうち国内転送枚数は44万6,177枚(5.3%)減少したが、外国転送枚数は12万5,941枚(10.3%)の増加に転じていることが注目される。FT8などのデジタルモードが流行している影響だろうか?
◆JARL NEWS発送状況
最後にJARL NEWSの発送状況を見てみよう。発行月平均で45,128部が会員のところへ発送されていることがわかる。昨年度から1,251部の減少となった。
なお3月31日現在で「コールサイン@jarl.com」のE-mail転送サービスの利用者は27,525名(前年比で216名の増加)、毎月5日と20日に送信される「JARLメールマガジン」の配信数は28,715件(前年比で292件の増加)であることが公表された。
なお、ここで紹介したデータが掲載されているJARLの「平成30年度事業報告」は、現時点では一般会員向けには公開されていない。
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