従来のFT8よりも速く、コンテストとの親和性がより高いデジタルモード「FT4」に対応した通信ソフトのベータ版、WSJT-X 2.1.0-rc5が2019年4月29日に公開された。FT4は好評を博しており、LoTWでは5月22日に公開されたTQSL(Version11.8)からFT4による交信データの登録も可能になった。
WSJT-Xの開発チームは、昨年12月に開催されたFT8ラウンドアップの直後からFT4プロトコルの本格的な開発作業を開始した。目標はFT8の多くの利点を維持しながらRTTYコンテストでも競うことができるモードの実装だった。
FT4はコンテストのために特別に設計された実験的なデジタルモードで、FT8と同様に固定長伝送、最小限の交信に最適化されたフォーマット、強力な誤り訂正を装備している。FT4の通信速度は23.4ボーで変調方式は4-GFSKを使用。1回の送受信は6秒(送信時間4.48秒)とFT8よりも約2.5倍高速化された。これは従来のRTTYの通信速度とほぼ同じである。 FT4は非常に狭い帯域幅(約90Hz)を使用しながら、RTTYのデコードに必要な信号強度よりも約10dB弱い信号で通信が可能だ。
なお今後、FT4のロールアウトに関しては次のようなスケジュールが発表されている(すでに経過分も掲載)。
・4月29日:WSJT-X 2.1.0-rc5用の公開。ダウンロードファイル提供開始
・5月 9日 00:00~01:00 UTC:FT4による疑似コンテストを7.090MHzで実施
・5月14日 00:00~01:00 UTC:FT4による疑似コンテストを7.090MHzで実施
・6月 5日 00:00~01:00 UTC:FT4による疑似コンテストを7.090MHzで実施(必要な場合)
・6月15日:WSJT-X 2.1.0正規版(GA)公開予定。
(ARRLニュース4月22日/5月23日 ※許可を受けて抄訳/(C)ARRL)
●関連リンク:
・Faster, More Contest-Friendly FT4 Digital Protocol to Debut in a Week
・LoTW Now Accepting FT4 Contacts
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