2019年7月16日、総務省は2019年5月末のアマチュア無線局数を公表した。それによると前回の2019年4月末のデータから1か月間で1,313局”減少し、41万0,593局となった。アマチュア局は1か月間の減少数が前回鈍化したが、再び1,000局以上少なくなった。一方、一部有効期限の残っている局を除き2015年11月末で使用期限を迎えた「パーソナル無線」は、2019年5月末の時点で772局が免許登録している。この1か月の間に30局が廃局となったと思われる。
アマチュア局は、1995年3月末に過去最高の136万4,316局を記録したピークから増減を繰り返し、ピーク後に最高となった2016年3月末の43万6,389局から、現在も“ピーク後最低局数”を更新し続けている。
2013年4月末から2019年5月末までのアマチュア局数の推移。2018年4月末から1か月間で“1,313局”減少。2017年12月末を堺にして減少スピードが加速している
以前から減少スピードが再び加速していていることを伝えているが、実は2011年3月11日に発生した「東日本大震災」で携帯電話、警察・消防無線など公共の通信網に甚大な被害が及んだ際、アマチュア無線が緊急時の連絡手段として機能したことがマスコミなどを通じて伝えられたことから、アマチュア無線従事者の資格取得や、開局（開設）のブームが起こったことに原因があるのではないだろうか。
2013年4月末から2019年5月末までのアマチュア局数の推移。ピーク後に最高となった2016年3月末の43万6,389局から、2017年12月末を堺にして減少スピードが加速しだしているが、「東日本大震災」による開局ブーム!?から5年経過したタイミングに一致するのではないだろうか
あくまで仮説だが、これは「東日本大震災」による開局ブーム!?から5年経過したタイミングに一致する。「東日本大震災」をきっかけに、アマチュア無線の資格を取得、または再開局してアマチュア局を開設したものの、無線局の有効期間である5年を過ぎ更新を行わなかった無線従事者が多かったことから、再び減少スピードが加速しだしたと推察できる。
●2019年5月末、アマチュア局の各エリア（管内）局数内訳
・1エリア（関東管内）： 118,262局（118,746局）
・2エリア（東海管内）： 53,789局（53,968局）
・3エリア（近畿管内）： 49,258局（49,405局）
・4アリア（中国管内）： 25,272局（25,373局）
・5エリア（四国管内）： 18,911局（18,912局）
・6エリア（九州管内）： 34,500局（34,61局）
・7エリア（東北管内）： 43,632局（43,680局）
・8エリア（北海道管内）：37,406局（37,551局）
・9エリア（北陸管内）： 10,085局（10,126局）
・0エリア（信越管内）： 17,119局（17,147局）
・6エリア（沖縄管内）： 2,359局（2,385局）
※カッコ内の数字は2019年4月末の局数を表す
●2019年5月末、パーソナル無線局の各管内局数内訳
・関東管内： 198局（206局）
・東海管内： 60局（60局）
・近畿管内： 34局（36局）
・中国管内： 50局（52局）
・四国管内： 25局（25局）
・九州管内： 138局（139局）
・東北管内： 148局（163局）
・北海道管内： 70局（72局）
・北陸管内： 20局（20局）
・信越管内： 21局（21局）
・沖縄管内： 8局（8局）
※カッコ内の数字は2019年4月末の局数を表す
2012年以前は1か月間に1,000局から2,000局単位でアマチュア局が減少。2013年以降に減少数も落ち着いてきたが、2017年12月末からほぼ毎月1,000局以上の減少が続き、歯止めがかからない
●関連リンク：
・無線局統計情報（総務省）
・Internet Explorer上でExcelファイルを開いた場合に発生する事象について（総務省）
・東日本大震災（ウィキペディア）
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