アイコム株式会社は2019年8月31日、「ハムフェア2019」の同社ブースでHF/50/144/430MHz帯のオールモード(SSB/CW/RTTY/AM/FM/D-STAR DV)を搭載したポータブル機「IC-705」を発表した。サイズはおよそ200W×80H×85Dmm、重量1kgのボディにIC-7300/9700同等の4.3インチ大型カラーディスプレイを搭載。同社ハンディ機でも使用しているリチウムイオンバッテリー(BP-272)を背面に装着し最大5WのQRP運用が可能だ(外部電源使用時は10W運用が可能)。GPSレシーバーを内蔵しD-STARのDVモードにも対応。価格は未定だが“2020年3月までの発売開始を目指す”という。
【9月2日 21時追記】アイコムはハムフェア2019で発表したIC-705の資料(会場で配布したものと同一)のPDF版を同社Webサイトで公開した。リンク先は本記事末尾の関連リンク参照のこと。
本体にバッテリーを搭載したアイコムのポータブル機は1982年に登場した6m機のIC-505以来37年ぶりの登場だ。AMモードに対応したポータブル機としては1971年のAM-3D以来で実に48年ぶりとなる。同社がハムフェア2019会場で発表した内容を基に、今回のIC-705の特徴を紹介しよう。
HF+50MHz+144MHz+430MHz
フィールド運用の新パートナー「IC-705」誕生
<特徴>
◆HF+50MHz+144MHz+430MHzをオールモードでカバー
HFから50/144/430MHzまで、多彩なバンドをSSB/CW/RTTY/AM/FMに加えD-STARのDVモードで楽しむことができます。また、受信は30kHzから144MHz帯まで連続カバー。FM放送やエアバンドの受信を楽しむことができます。
◆RFダイレクト・サンプリング方式を採用
アイコムが得意とするRFダイレクト・サンプリング方式を採用。ノイズや歪みの発生を大幅に低減し、極めて優れたフェーズノイズ特性を達成するとともに、クラスで初めて高速/高解像度を誇るリアル夕イムスぺクトラムスコープ&ウォー夕ーフォールを実現しています。※25MHz以上はダウンコンバージョンIFサンプリング方式
◆リアルタイムスぺクトラムスコープ&ウォーターフォール表示を実現
高い評価を得ているIC-7300やIC-9700のスコープの性能と機能をそのまま継承。目で見てバンドコンディションを把握したり、空き周波数を確認したり、従来のフィールド運用の域を超えた高度なオぺレーションを可能にします。
◆タッチ操作対応の大型カラーディスプレイを搭載
IC-7300やIC-9700と同じサイズ(4.3インチ)の大型カラーディスプレイを採用。もちろん、タッチ操作にも対応しています。フィールドでの視認性、操作性が飛躍的に向上します。
◆軽量&コンパクトボディ
固定機に迫る性能と機能を、幅約20cm、高さ約8cm、奥行き約8.5cmのコンパクトサイズに収めています。重量は約1kg(充電池BP-272含む、アンテナ除く)。片手で持てるサイズと軽さを実現しています。※数値は変更になる場合があります。
◆充電池(BP-272)、外部電源(13.8V)の使用が可能
ID-51やID-31シリーズでも使用できるリチウムイオンバッテリーBP-272(付属)の使用が可能。もちろん、外部電源(DC13.8V)にも対応しています。
◆送信最大出カ10W(外部電源13.8V時)/5W(付属充電池使用時)でQRP、QRPpでの運用にも対応
ポータブル機でありながら、最大出カ10W(外部電源13.8V時)を実現。付属のリチウムイオンバッテリーBP-272(7.4V 2000mAh)装着時は、最大出カ5Wでの運用が可能です。QRP(5W)はもちろん、QRPp(0.5W)にも対応しています。
◆Bluetooth/無線LAN接続に対応
スマートフォンとの連携やリモートコントロール、さらにはBluetooth対応のヘッドセットの使用が可能です。
◆GPSアンテナ、GPS口ガーを搭載
高性能GPSアンテナを搭載。D-STARのDVモードなら交信しながら位置情報の送受信が可能です。この高性能GPSによりGPSログ機能、最寄りレピータ自動リストアップ機能など、多彩な機能を実現しています。
◆microSDカードスロットを装備
音声の録音、GPS等のデータを保存できるだけではなく、ファームアップやクローニング等に活用できるmicroSDカードスロットを装備しています。
◆D-STARの機能もフル装備
DR機能、ターミナルモード/アクセスポイントモードなど、快適にD-STARを楽しむための機能をフル装備しています。またIC-705本体だけで、保存した写真の送受信、閲覧が可能です。
◆V/UHFに対応したホイップアンテナとスピーカーマイクが付属
V/UHFに対応したホイップアンテナとスピーカーマイクが付属しています。スピーカーマイクは、周波数や音量のアップダウン、各種機能を割り当て可能なカスタマイズボタンを装備しています。
◆移動、フィールド運用に最適なマルチバッグ「LC-192」を用意
IC-705をすっきりと収納できるだけでなく、アンテナの装着、 同軸やマイクケーブルを通すホールなど、多彩な機能を備えたマルチパッグLC-192(オプション)。IC-705をバッグにいれたままで運用できる仕様になっています。
<スペック、仕様>(会場配付資料よりhamlife.jpが独自作成)
・送受信周波数帯:HF/50/144/430MHz帯
・受信周波数:30kHz~144MHzを連続カバー、FM放送受信にも対応
・電波型式:SSB/CW/RTTY/AM/FM/D-STAR(DV)
・送信最大出カ:10W(外部電源13.8V時)、5W/0.5W(付属リチウムイオンバッテリー使用時)
・サイズ:幅約200×高さ約80×奥行き約85mm
・重量:約1kg(リチウムイオンバッテリーBP-272含む、アンテナ除く)
・外部アンテナ端子:1系統(BNC型)
・付属品:VHF/UHF対応ホイップアンテナ(ストレートタイプ)、スピーカーマイクロホン(HM-243)、リチウムイオンバッテリー(BP-272/7.4V 2000mAh)、DC電源ケーブル
・オプション:マルチバッグ LC-192(価格未定)
なおアイコムのスタッフによると、IC-705の発売価格は現時点で未定だが「なるべく買いやすい価格とし、2020年3月末までの発売開始を目指す」という。「ブースでIC-705をご覧になったお客様のご意見では“10万円ぐらいがいいな”という声をよく聞きました。参考にしたいと思います」という話もあった。
また、ハムフェア2019の同社ブースではIC-705のプレゼンテーションを8月31日(土)に5回(うち1回は英語版)、9月1日(日)は3回(うち1回は英語版)行う。またシンガーソングライターのMasaco(JH1CBX)がハイキングスタイルでIC-705を持って登場するフォトセッションが両日とも2回ずつ予定されている。
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【ハムフェア2019】<動画リポート第2弾>37年ぶりのポータブル機「IC-705」をアイコムのスタッフが説明!!
<Be Active!>英国のIcom (UK) Ltd.、新製品のポータブル機「IC-705」オフィシャル動画(英語版)をYouTubeで公開
↓「ハムフェア2019」に関するまとめページはこちらをクリック!
●関連リンク:
・ハムフェア2019のご報告と新製品資料ダウンロードのご案内(アイコム)
・アイコム Facebookページ
・IC-705 新製品資料PDFダウンロード(アイコム)
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