総務省が「情報通信統計データベース」で平成30年度末(2019年3月31日現在)における「資格別 無線従事者免許取得者数の推移」を発表した。それによるとアマチュア無線技士の有資格者総数は昨年から19,121名増の3,485,376名で、うち89.52%を第四級アマチュア無線技士が占めていることがわかった。また第一級アマチュア無線技士の前年度比の増加率は1.96%(合格率は42.3%)と、前年よりも増加率で0.34ポイント、合格率で11.4ポイント改善された。なお同統計は資格を複数所有する場合もそれぞれの保有資格でカウントされている。
今回発表された統計では、平成21(2009)年度から平成30(2018年)年度まで、各級アマチュア無線従事者の資格別有資格者数も公表されている。平成30年度のデータを見ると、第一級アマチュア無線技士は全体の0.96%にあたる33,495名。第ニ級アマチュア無線技士は2.34%にあたる81,698名、第三級アマチュア無線技士は7.17%にあたる249,893名。第四級アマチュア無線技士は89.53%にあたる3,120,290名となっている。
各級アマチュア無線技士の前年度からの“増加率”に注目すると、第一級アマチュア無線技士は平成29(2017)年度よりも1.96%(+643名)。昨年(平成29年度)は、これまで2.5%前後だった第一級アマチュア無線技士の増加率が1.62%と大きくポイントを落として話題となったが、平成30年度はかなり数字を持ち直した。
さらに第二級アマチュア無線技士は同1.07%(+868名)、第三級アマチュア無線技士は同2.22%(+5,425名)それぞれ増加した。また第四級アマチュア無線技士の増加率は0.39%(+12,185名)にとどまり、増加率は昨年よりも0.03ポイント悪化している。
なお総務省は平成30年度の「無線従事者試験の実施結果」「養成課程の実施状況」も同時に公開している。
「無線従事者試験の実施結果」によると、平成30(2018)年度の1アマ国家試験の合格率は42.3%・合格者670名となっている。その前年の平成29(2017)年度は合格率30.9%・合格者534名なので合格率は11.4ポイント改善した。ちなみに平成28(2016)年度は合格率45.9%・合格者801名である。平成29年度の1アマ国家試験がいかに難しかったのかが垣間見れるだろう。
また総務省認定の各団体が行ったアマチュア無線技士の養成課程講習会(eラーニング養成課程を含む)により、平成30年度は2アマが498名、3アマが3,589名、4アマが10,309名誕生(養成課程を修了)したことが明らかになった。これにより平成30年度の2アマ取得者の57.4%、3アマの66.2%、4アマの84.6%が養成課程講習会の修了者ということが読み取れる。
●平成19(2007)年度から平成30(2018)年度までの資格別有資格者数
●第一級アマチュア無線技士から第四級アマチュア無線技士数の推移(2006~2018年度)
●第四級を除いた第一級アマチュア無線技士から第三級アマチュア無線技士数の推移(2006~2018年度)
●各級の取得者数の推移(JJ1WTL 本林氏作成のグラフより)
●平成30(2018)年度における4つの各資格別の割合
今回発表された統計では、アマチュア無線技士のほか、総合無線通信士や航空無線通信士などプロ資格の従事者資格者数の推移も確認することが可能だ。詳細は下記関連リンク参照。
●関連リンク:
・総務省 情報通信統計データベース
・総務省 情報通信編-資格:資格別無線従事者免許取得者数の推移(Excel形式)
・2018年度四アマ取得者数(CIC:JJ1WTL 本林氏のブログ)
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