一般社団法人 日本アマチュア無線連盟(JARL)が打ち上げた3機目のアマチュア衛星「ふじ3号(JAS-2、FO-29)」。打ち上げから23年が経過し、一時、CWテレメトリとトランスポンダの動作が確認できなくなったことから、日本を通過するパスにコマンドの起動を試すので受信レポートを送ってほしいと呼びかけたところ、国内外から多くの情報提供が寄せられた。JARLでは、「不安定な運用が続いておりますが、次のパスで送信機をオンにする予定です」として、日本時間の2019年10月5日(土)から10月21日(月)まで計12回の運用スケジュールをあらたに公表。あわせて「ふじ3号(FO-29)電源系の現状に関する考察」というリポートをPDF形式で公開した。
JARLが開発・運用を行うアマチュア衛星「ふじ3号(JAS-2、FO-29)」(コールサイン:8J1JCS)は、1996年8月17日に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。いあゆる低軌道衛星で、近地点高度が799km、遠地点高度が1,320km、傾斜角99度、周期約106分の円軌道で周回している。
アップリンク145.900~146.000MHz(LSBまたはCW)、ダウンリンク435.900~435.800MHz(USBまたはCW)のトランスポンダー(出力1W)を搭載しているほか、ビーコンが435.795MHzで送信されている(ドップラーシフトにより±6kHz程度の変動がある)。打ち上げから23年が経過した2019年まで一部機能が動作を続けているが、デジトーカーやパケット通信BBS機能はすでに停止している。
●ふじ3号(FO-29)運用予定について(2019年10月03日掲載)
ふじ3号(FO-29)につきましては、不安定な運用が続いておりますが、次のパスで送信機をオンにする予定です。
日時はUTCですので日本時間に変換する場合は9時間プラスしてください。
なお、運用はUVC(下限電圧制御)が動作するまでとなります。
【ふじ3号のアナログ送信機をオンにする予定時刻(UTC)】
10月05日(土) 06:40(日本時間15:40)/15:00(日本時間10月06日00:00)
10月06日(日) 07:25(日本時間16:25)/17:35(日本時間10月07日02:35)
10月12日(土) 05:30(日本時間14:30)/15:35(日本時間10月13日00:35)
10月13日(日) 08:00(日本時間17:00)/14:40(日本時間23:40)
10月19日(土) 07:45(日本時間16:45)/14:25(日本時間23:25)
10月20日(日) 05:10(日本時間14:10)/15:15(日本時間10月21日00:15)
※データ取得のためこの運用計画以外にも短時間ですが送信機をオンにする事があります。なお10月26日(土)、10月27日(日)は行いません。
条件さえよければ、ハンディ機と簡単な八木アンテナで「ふじ3号」からの信号を受信することができる。詳しくは、記事下の「関連リンク」から「魅力たっぷりの宇宙通信に挑戦!アマチュア衛星『ふじ3号』を楽しもう!」にある「テレメトリーを受信してみよう!」を参考にするといいだろう。
●ふじ3号(FO-29)電源系の現状に関する考察(JARL資料から)
●関連リンク:
・-ふじ3号最新情報-(JARL Web)
・ふじ3号(FO-29)電源系の現状に関する考察(JARL Web/PDF形式)
・魅力たっぷりの宇宙通信に挑戦!アマチュア衛星「ふじ3号」を楽しもう!(JARL Web)
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