無線従事者国家試験を実施している公益財団法人 日本無線協会は、きょう4月4日(土)と5日(日)に行う予定だった2020年4月期の1アマ・2アマ国家試験を「最近の新型コロナウイルスをめぐる状況に鑑み」急遽中止することを決定し、3日夜にWebサイトで発表した。同協会は「中止の連絡が大変遅くなり、ご迷惑をおかけし誠に申し訳ございません」と謝罪。3日の夜遅くから一部の受験予定者へ個別の電話連絡を行っているが、中止に気付かず試験会場に来た受験者には現地で伝えるという。
日本無線協会の発表は次のとおり。
1アマ、2アマ国家試験 中止のお知らせ
令和2年4月4日及び5日に予定されていた第1級アマチュア無線技士及び第2級アマチュア無線技士の国家試験については、最近の新型コロナウイルスをめぐる状況に鑑み急遽中止といたします。
中止の連絡が大変遅くなり、ご迷惑をおかけし誠に申し訳ございません。
産経新聞によると、4月4日の1アマ試験は全国で657人、5日の2アマ試験には同315人が受験申し込みを行っていた。年3回しか受験機会がなく、他の無線従事者国家試験も実施したことから、同協会は予定通りの実施を計画していたが、新型コロナウイルスの影響を考慮して総務省と協議した結果、3日夜に急遽中止を決定したという。
中止が決定する前、3日夕方の一部報道では「感染拡大防止への取り組みが広がる中、主に趣味のための同試験を実施する国の方針には批判も上がりそうだ」「受験予定者の中からは“アマチュア無線は不要不急の資格で、中止すべきだ”との声も上がる。試験時間は1日計5時間と長く、閉鎖空間に多くの人が集まるため、感染拡大のリスクが高まるためだ」といった論調も見られた。
hamlife.jpが4月期上級ハム国試の受験予定者に話を聞いたところ、日本無線協会からは3月末に手紙が届き「試験に向けて取り組んでこられた方々から、実施についての希望も強く寄せられているため、予定通り実施することとします」とした上で、「返金または9月期試験への移行も可能」とする案内が書かれていたという。
日本無線協会は3日深夜から今朝にかけて、一部の受験予定者に電話で中止の連絡を入れているようだ。SNS上には「(受験地の)ホテルに滞在中です。日付けが変わる少し前、電話がかかってきて、明日の第一級アマチュア無線技士の試験は中止しますって! いくらなんでも土壇場すぎるわ〜」「先程、日本無線協会から連絡があり、明日の1アマの試験は中止になるということでした。試験のために既に移動されている方は旅費も協会が負担するとのことです」「8:40に日本無線協会から電話がありました。電話を切った後、涙が止まりませんでした。この2ヶ月間、休日はほとんど出掛けず勉強、平日は毎晩遅くまで勉強してきたのに。この悲しい対応どうにかしてください」といった書き込みも見られた。
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日本無線協会は4月4日、Webサイト上の「新型コロナウイルスに関する注意喚起について」項目を更新し「国家試験、講習につきましては、今後、新型コロナウイルスの更なる感染の拡大に伴い、国、地方自治体からの要請等により、中止や変更等が生じた場合には、直ちに当ホームページに公開いたしますので、適宜ご確認いただけますようお願いいたします」と案内した。
●関連リンク:
・日本無線協会
・新型コロナウィルスに関する注意喚起について(日本無線協会)
・アマチュア無線の試験、急遽中止に 受験者への通知間に合わず(産経新聞)
・週末のアマチュア無線の国家試験実施へ 国の方針に批判も(SankeiBiz=中止決定前の記事)
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