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<火災発生! 他人事で済まされない恐怖の体験談>過充電が原因か? 中華ハンディ機が突然発火、炎は天井まで…一歩間違えれば大惨事に

「突然、中国製の無線機(中華ハンディ機)が発火し、炎が天井まで届く火事になった」「気付くのがもう少し遅れていたら、今頃死んでいたでしょう」という書き込みがTwitterで注目されている。恐怖の体験をしたのは東京都内のマンションに住む「7N3RLX_Yokohama RL12」さん。最初のつぶやきは2020年6月1日の午前9時34分、「家が火事になりました。中華ハンディが発火。消火器で消したが、火災報知器鳴って消防署の現場検証が大変でした」というものだった。hamlife.jpではご本人に連絡を取り、手記を執筆していただいた。リチウムイオン電池などからの突然の発火は生命や財産に重大な危険をもたらすことがある。防止するための注意点や対処法などを参考にしてほしい。

 

 

 

 まず今回の火災について、Twitterで「7N3RLX_Yokohama RL12」さんがつぶやいた内容を時系列でそのまま掲載しよう。後半ではご本人から寄せられた手記を紹介する。

 

 

 

◆「7N3RLX_Yokohama RL12」さんからの手記

 

 今回の火災の経緯は以下の通りです。

 

 私の自宅である、東京都内のマンションの一室において、6月1日(月)の早朝、充電中であった中国製ハンディ無線機のリチウムイオン電池から発火し、スチールラックに乗せていたものに次々引火し、数分で天井まで届く火事が発生しました。

 

 当時、早朝であったため、私は寝ており、焚き火が燃えるような音に気づいて飛び起きました。目が覚めて私が見たものは、スチールラックで燃え上がる“室内キャンプファイヤー”の状態でした。

 

 私は、パニックになってしまい、なぜか銀行通帳と実印探しを始めてしまったのですが、数分後冷静になり、マンション共用廊下の消火器を探し出して、なんとか自力消火することがきました。

 

 到着した消防隊の方のお話では、通常は天井にまで火が届いた場合は、自力消火不可能なので、極めて危ない状態であったとのことでした。

 

 発火した中国製ハンディ無線機は、中国版のebayとも言える有名販売サイトから購入した、公称25W(実測15W程度)のUHF帯のハンディ無線機です。

 

 ハンディ機で10W以上の高出力送信を可能にするため、12Vの大型リチウムイオンを搭載している特殊なタイプです。発火当時は、クレードル(卓上充電器)に無線機を装着して充電中でした。

 

 なぜ発火したかについては、わかりません。おそらく何らかの原因で、安全装置が働かず過充電になったものと思います。

 

 また、日本製の無線機のように安全性についての細かい注意書きなど見当たらず、英文か中国語の、極めて簡素な説明書だけが付属していたものと思います。

 

 特に“中国製だから危険である”という言い方をするのは問題があるのかもしれませんが、日本の有名無線機メーカー製のトランシーバーとは違って、使用には十分な注意が必要だと思いました。

 

 もし、同様のトランシーバーをお使いの方は、

 

・充電中は、その上方に引火物を置かない。

 

・不在のときにクレードルに挿しっぱなしにして充電状態で放置しない。

 

・充電は最大でも規定時間までに止め、常時クレードルで充電継続するような使い方は過充電の恐れがあるのでやめる。

 

 

 といった対応をしたほうがよいと思いました。

 

 最近は、無線機に限らず、大容量のリチウムイオン電池が簡単に入手できますが、リチウムイオン電池は、常に、爆発・発火の可能性があることを念頭において使用したほうがよいと思いました。

 

 また、パニックになると、何をしていいのか分からなくなります。どこに消火器があったのかも、とっさに思い出せず、消火器探しに時間がかかってしまいました。

 

 日ごろから、消火器の場所の確認、発火した際に自分がどう行動するかを、イメージトレーニングして準備しておいたほうがよいかと思いました。また、アマチュア無線を楽しんでおられる方は電気火災になる可能性が高いと思いますのでブレーカーをすぐに落とすことも、準備されていたほうがよいと思いました。

 

 今回のケースでは、トランシーバーの隣に置いてあったドライヤーにも引火して漏電状態になってしまい、コンセントを抜こうとしたのですが、熱で変形してまったく電気を止められない状態でした。

 

 電気火災の場合は、まずブレーカーを落として、次に消火器を取りに行き、火に噴射するという手順にすべきかと思いました。

 

 常日ごろからイメージトレーニングで、部屋の中で火柱が上がったらどう行動すべきかを準備しておいたほうがよいかと思いました。

 

 また、消火器を室内で噴射してしまうと、粉タイプだと粉塵、強化液タイプだとアルカリ液で、その部屋のあらゆるものがダメになってしまい、多大な損害が発生します。

 

 小規模な発火程度だと、ブレーカーを落とした後、消火器は使わずに、バケツの水で消すという方法も考えられるかと思います。

 

 今回は、幸い、消火器による消火に成功したので、人命被害は出ずに住みましたが、もしこれが熟睡中に発生していれば、自分はすでに死んでいたものと思います。また、外出中に発火していたら、おそらくマンション一棟が焼け、多数の人命が失われていた可能性が高いと思います。

 

 アマチュア無線を楽しんでいる方は、どうしても電源や電池などを多く持っていらっしゃると思います。それらは、常に発火や爆発のリスクがあるということを想定して、緊急時にどういう対応をするべきかを日ごろから準備しておいたほうがよいと思いました。

 

 今回、私はかなり危険な火災を起こしてしまったため、この私の経験がほかのアマチュア無線家の方のご参考になり火災防止に役立てばと思い、文章を書かせていただきました。

 

 最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

 

 

 下記関連リンクに、リチウムイオン電池の正しい使い方、家庭用消火器の選び方と使い方、家庭の初期消火と防火に役立つ資料を掲載したので、ぜひ参考にしてほしい。

 

 

 

●関連リンク:
・7N3RLX_Yokohama RL12/@7N3RLX(ツイッター)
・リチウムイオン二次電池の安全で正しい使い方(一般社団法人 電池工業会)
・PDF小冊子 電池は正しく使いましょう(一般社団法人 電池工業会)
・消火器の選び方(一般社団法人 消火器工業会)
・PDF小冊子 消火器のしおり(一般社団法人 消火器工業会)
・PDF小冊子 火災から命を守る住宅防火読本(一般財団法人 日本防火・防災協会)

 

 

 

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