アイコム株式会社は2020年6月16日、公式Webサイトに「電波法令改正に伴うアマチュア無線製品の対応について」と題したニュースリリースを掲載した。4月12日の電波法令改正で1.8MHz帯でもSSBなどの運用が許可されるようになったことから、同社のアマチュア無線機のユーザーが改めて変更申請を行うことなく(免許状の範囲での)運用を可能にするため、このほど工事設計認証番号(いわゆる技術基準適合証明、技適)を同一番号で再取得する手続きを開始したという内容だ。
【7月8日追記】アイコムはアマチュア無線製品の同一番号による技術適合証明(技適)の取得手続きが、すべての対象製品において完了したことを発表した。
1.8MHz帯のバンドが拡張し、新たにSSBモードなどが認められたことから、総務省は1.8MHz帯(および475kHz帯)の一括記載コード「3MA」「4MA」にSSBなどのモードを加えるための告示改正作業を進めている。5月29日には改正に関するパブリックコメントの募集が締め切られ、現在は同省内で取りまとめと公表準備作業が行われている。
4月24日掲載のこちらの記事を参照↓
<1.8MHz帯/475kHz帯でSSBモードなどの運用を容易に>総務省、「アマチュア局において使用する電波の型式を表示する記号を定める告示の一部改正案に対する意見募集」を実施
告示改正で1.8MHz帯の「3MA」「4MA」にSSBモードが含まれた場合、この一括記載コードで免許を受けているアマチュア無線家は改めて手続きをしなくてもすぐ運用できることが望ましい。そのためには“アマチュア無線機側の法的な対応”が欠かせない。現在ほとんどのアマチュア無線機は1.8MHz帯でSSBモードを含む電波型式の工事設計認証(技適)を受けていないことから、メーカー側でもう一度認証番号を取り直す必要があるようだ。今回のアイコムの発表はそうした方針に基づくものと考えられる。以下、アイコムの告知を紹介する。
電波法令改正に伴うアマチュア無線製品の対応について
電波法令改正に伴い、アマチュア無線通信において1.9MHz帯でのSSB運用などが許可されるようになりました。
このたび、弊社のアマチュア無線通信機(対象一覧参照)について、当該許可に対応する運用が可能となるよう技術基準適合証明(技適)を、同一番号にて取得する手続きを開始しましたので、お知らせします。
現在、同機種をお持ちのお客様で、当該許可に対応する電波の型式及び周波数の指定を既に受けている方(免許状参照)については、電波法令に基づく変更申請※を行うことなく、同証明取得後以降であれば、免許状の範囲内の運用が可能となります。
【対象一覧】
対象の製品は以下の通りです。(2020年6月15日現在)
注:対象は上記の認証番号の製品です。一部のモデルでは異なる認証番号の製品もありますが、それらは対象ではありませんのでご注意ください。
【お客様の手続きについて】
技適番号に変更はございませんので、お客様による変更申請などの手続きは不要※です。当社での手続きが完了次第、新たな電波法令に対応する運用が可能です。
【ご注意点】
当社での手続きが完了(技術基準適合証明取得)するまでは、従来免許された範囲を超えて運用いただけません。以下のリンク先をご参照いただき、手続きが完了していることを必ずご確認いただいてから運用してください。
https://www.icom.co.jp/support/personal/giteki/
※免許状の指定事項に変更(例: 1.9MHz帯 A1A→3MA)が生じる場合は、変更申請をしていただく必要がございます。
まずは総務省が“1.8MHz帯の「3MA」「4MA」にSSBモードを含む”という告示を公布・施行し、さらにアイコムが既存のアマチュア無線機の工事設計認証(技適)を従来と同一番号で再取得完了することで、該当機種で1.8MHz帯3MA/4MAの免許を受けていたユーザーは、特別な手続きを行わなくても1.8MHz帯SSBなどの運用ができるようになる見込みだ。
●関連リンク:
・電波法令改正に伴うアマチュア無線製品の対応について(アイコム ニュースリリース)
・電波法令改正に伴う技術適合証明(技適)番号取得手続き完了のお知らせ(アイコム 7月8日付)
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