総務省総合通信基盤局電波部移動通信課は2020年6月8日、「アマチュア局の無線設備の保証に関する要領」を変更し、6月19日に総務省電波利用ホームページで公表した。4月21日の電波法令改正に基づく変更で、アマチュア局の保証事業者がスプリアス確認保証が行える範囲はこれまで「空中線電力200W以下の送信機」と規定されていたが、今回の変更で送信出力の制限が撤廃された。これを受けて一般財団法人 日本アマチュア無線振興協会(JARD)は空中線電力200Wを超える無線設備のスプリアス確認保証を近くスタートするとみられる。
アマチュア局の無線設備の保証事業(いわゆる保証認定)を行う事業者は、総務省の「アマチュア局の無線設備の保証に関する要領」に基づき、事業開始1か月前までに総務大臣に必要な書類を提出し、公示を受けなくてはならない。
この要領では保証事業者が行うことのできるアマチュア局の保証の範囲などを詳しく規定している。その中でスプリアス確認保証ができる範囲はこれまで「空中線電力200W以下の送信機」と定められていた。しかし4月21日の電波法令改正で保証事業者が200Wを超える無線設備のスプリアス確認保証も行えるようになったことから6月8日に同要領も変更された。変更点を新旧対比で見てみよう。
●保証の対象となる設備(変更前)
●保証の対象となる設備(変更後)
また1.8MHz帯のアマチュア無線バンドが拡大し、SSBなど全電波型式が使用可能になったことから、保証事業者が審査・保証できる範囲についても改められた。
●保証事業者が審査できる範囲(変更前)
●保証事業者が審査できる範囲(変更後)
今回の変更を受けて一般財団法人 日本アマチュア無線振興協会(JARD)は、近く200Wを超える局のスプリアス確認保証を開始するとみられる。すでに200Wを超えるリニアアンプのサンプルデータ収集(発射されるスプリアス強度の実測など)も一部で始まっているようだ。
旧スプリアス規格で免許されている無線機器の使用期限(2022年11月30日)が迫る中、空中線電力200Wを超えるアマチュア局の免許人は、新スプリアスへの適合を証明する方法に苦慮していた。空中線電力を問わずスプリアス確認保証が利用できるようになることは朗報だろう。今後の動きに注目したい。
●関連リンク:アマチュア局の無線設備の保証に関する要領(総務省 電波利用ホームページ)
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