一般社団法人 日本アマチュア無線連盟(JARL)は2020年6月19日、公式サイトのJARL Web コンテストページに「JARL主催コンテストにおける移動運用およびマルチオペ部門について」と題した告知を掲載した。それによると今年度これからJARL本部が実施するコンテスト(6m AND Downコンテスト、フィールドデーコンテスト、 ALL ASIAN DXコンテスト、全市全郡コンテスト)は移動運用、マルチオペ部門を含めて規約通り開催するという。ただし「手洗いの徹底・マスクの着用、ソーシャルディスタンス の確保、密閉、密集、密接となる行動を避けるよう、参加者は各自注意を払ってください」と呼び掛けている。
JARLは今年4月17日、新型コロナウイルスの感染拡大により全国に緊急事態宣言が発令されたことから、4月25日から4月26日にかけて行われる「第62回 ALL JAコンテスト」のマルチオペ種目の中止と移動運用の自粛要請を急遽発表した。
また5月23日にリモートで開催された第50回理事会では、7月4~5日に行われる「6m AND Downコンテスト」についても“ALL JAコンテストと同様、マルチオペ種目の中止と移動運用の自粛を要請する方向で検討を進める”と専務理事が説明を行い、出席者全員がその方針を了承したと伝えられている。
しかしその後、政府の緊急事態宣言が5月25日ですべて解除され県境をまたぐ人の往来にも制限がなくなったこと、感染拡大状況やJARLに寄せられた意見などをふまえて検討した結果「6m AND Downコンテスト」を含め、今年度これから開催されるJARL本部主催コンテストは、移動運用の自粛やマルチオペ種目の中止は行わず、規約通りに実施することが決定した。毎回マルチオペ種目で参加している学校社団局の関係者、移動運用で参加しているコンテスト愛好家からは安堵の声が聞かれた。
JARLの発表は次のとおり。
JARL主催コンテストにおける移動運用およびマルチオペ部門について
新型コロナウイルス感染症の感染は収まりつつありますが、第2波の流行も想定されています。
今年度の6m AND Downコンテスト、フィールドデーコンテスト、 ALL ASIAN DXコンテスト、全市全郡コンテストは移動運用、マルチオペ部門を含めて規約通り開催します。
その際には、手洗いの徹底・マスクの着用、ソーシャルディスタンス の確保、密閉、密集、密接となる行動を避けるよう、参加者は各自注意を払ってください。
再び緊急事態宣言が発令された場合の対応については、開催2週間前にJARL Web、メールマガジンで告知します。
なお今後開催される、今年度のJARL本部主催コンテストの日程は次のとおり(日付順)。
★ALL ASIAN DX コンテスト(電信部門):2020年6月20~22日
★6m AND DOWNコンテスト:2020年7月4~5日
★フィールドデーコンテスト:2020年8月1~2日
★ALL ASIAN DX コンテスト(電話部門):2020年9月5~7日
★全市全郡コンテスト:2020年10月10~11日
JARLが「ALL JAコンテスト」のマルチオペ種目の中止と移動運用の自粛要請を発表してから、JARL支部などが主催する地方コンテストでもマルチオペ部門や社団局部門の中止が相次いだ。中には「静岡コンテスト」のように今年度の開催自体を中止したものもある。その一方で“社会人として個々が常識的判断を”として、従来と変わらぬ規約で開催したコンテストもあった。今回のJARLの決定も今後の地方コンテストに影響を及ぼすことが考えられる。
新型コロナウイルス禍は完全に終息したわけではない。コンテスト参加に限らず、今後も感染拡大防止(3密を避ける、マスク着用、手洗い励行など)や移動運用中などの事故防止に万全を期してアマチュア無線を楽しんでいきたい。
●関連リンク:JARL主催コンテストにおける移動運用およびマルチオペ部門について(JARL Web コンテストページ)
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