一般社団法人 日本アマチュア無線連盟(JARL)は、あす2020年6月28日(日)13時から、東京都新宿区のベルサール西新宿で「第9回定時社員総会」を開催する。
今回の定時社員総会概要リポートはこちら。
<社員からの「延期動議」が可決>JARL「第9回定時社員総会」は第2号議題の冒頭で中断し散会
JARLは2011年秋の一般社団法人化を機に、会員(正員)すべてに参加・議決の権利があった「通常総会」の制度を廃し、正員から選挙で選ばれた「社員」たち(任期2年、欠員を除く現在数は128名)によって行われる、代議員制の「社員総会」へ移行した。その第9回目となる定時社員総会が、2020年6月28日(日)13時から、東京都新宿区にある民間の会議施設「ベルサール西新宿」で開催される(傍聴受付は締切済)。
今年は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、各企業の株主総会の多くが議決権を郵送やインターネットで事前行使するよう呼びかけ、出席者へのお土産配布を省略、会場では3密を避ける工夫などを行っている。
JARLも今年は、政府方針や公益法人協会の指針、企業の株主総会の動向などを参考に、3密を避けソーシャルディスタンス確保をするため「社員に議決権行使書面提出を強く推奨し、当日の出席を控えてもらう」「準備書面については文書で回答する」「理事の出席もできるだけ控えてもらう」「傍聴人の参加は制限(抽選を実施)」などの方策を取ることを決定。従来の8割減の参加者とし2時間の開催で実施することを第50回理事会で専務理事が説明し全員が了承したという(JARL Web「第50回理事会報告」より)。
明日の第9回定時社員総会では第1号議題として「令和元年度決算の件」、さらに今年は2年に1度の通常選挙が行われたことから、選挙等で決定した理事候補者の選任を諮る第2号議題「役員選任の件」の2つが社員によって討議される。続く報告事項としては「令和元年度事業報告」「令和2年度収支予算」「令和2年度事業計画」の3つが行われる。
JARL Webの会員専用ページでは、各議題と報告事項がPDF形式で閲覧できるようになっている。第1号議題の冒頭部分と、第2号議題を以下に抜粋する。
★第1号議題
令和元年度はアマチュア無線業界に取って、アマチュア無線局が大幅に減少するなど厳しい状況が続いておりますが、会員数を何とか維持して収支均衡を目指して参りましたが、評価損益等調整前当期増減額は前期実績額より27百万改善したものの△51百万となりました。結果、補填に要した特定資産取崩額は25百万(前期は28百万、特定資産及び流動性預金の残額8億77百万)となりました。
また経常増減では実際費用であっても、現金の支出のない減価償却費、退職給与引当費用等を考慮すると△34百万(前期は△47百万)となりました。
今後もJARL一丸となって、会員の皆様には従来どおり会費期間を延長するなどサービスの充実及びアマチュア無線業界の発展のために邁進するとともに、引き続き会費収入等を増加させ、経費節減をし、趣旨改善できるよう努力する所存でございます。
★第2号議題
(1)理事の選任
1 日野岳 充(JE1KAB)の理事選任の件(規則26条ただし書き理事)
2 髙尾 義則(JG1KTC)の理事選任の件
3 安部 慈孝(JH1NLL)の理事選任の件
4 前田 吉実(JH1XUP)の理事選任の件
5 木村 時政(JA2HDE)の理事選任の件
6 種村 一郎(JG2GFX)の理事選任の件
7 我孫子 達(JH3GXF)の理事選任の件
8 田中 透(JR3QHQ)の理事選任の件
9 金子 由次(JE4WWK)の理事選任の件
10 森田 耕司(JA5SUD)の理事選任の件
11 中村 信雄(JA6HUG)の理事選任の件
12 尾形 和俊(JA7AJH)の理事選任の件
13 原 恒夫(JA8ATG)の理事選任の件(規則26条ただし書き理事)
14 三井 武(JA8DKJ)の理事選任の件
15 正村 琢磨(JH8HLU)の理事選任の件
16 前川 公男(JA9BOH)の理事選任の件
17 髙橋 哲也(JF0JYR)の理事選任の件
(2)監事の選任
1 根本 紀正(JH1UBU)の監事選任の件(規則26条2項による監事)【※記事末尾の追記参照】
2 佐藤 眸(JE7JGG)の監事選任の件(規則26条2項による監事)
なお第2号議題で選任された理事・監事は社員総会終了後に別室で理事会を開催、その場で理事が互選を行って会長1名、副会長2名、専務理事1名を決定する。
議事進行を急がず、丁重な説明を
今回はJARL社員有志16名が連盟に対し、法律(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第121条)に基づいて、会計帳簿(仕訳帳、総勘定元帳)の閲覧と謄写を求めたが、JARL側がこれに対応しなかったため東京地方裁判所に提訴、同裁判所が全面開示の仮処分決定を出し、JARLは6月25日に帳簿開示を行った。
今回の第1号議題では開示された会計帳簿を基にした質問が予想される。新型コロナウイルスの感染防止のため、やむなく出席を見合わせる社員も多いと思われることから、JARLは議事進行のみを急がず、出された質問にはいつも以上に真摯で丁重な説明を行い、責任を果たす必要がある。
<hamlife.jp追記>JARLは第2号議案(役員選任の件)で監事候補になっている根本 紀正氏の無線局免許が現時点で失効していることが判明したため、同氏を監事候補者から取り下げることとした。
●関連リンク:
・第9回定時社員総会議案等について(JARL Web)
・第1号議題 令和元年度決算の件 PDF(JARL会員専用ページ)
・第2号議題 役員選任の件 PDF(JARL会員専用ページ)
・令和元年度事業報告 PDF(JARL会員専用ページ)
・令和2年度収支予算 PDF(JARL会員専用ページ)
・令和2年度事業計画 PDF(JARL会員専用ページ)
・一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第121条(e-Gov)
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