WSJT開発グループは2021年2月1日(UTC)、FT8をはじめとするデジタルモードの通信用ソフトウェア「WSJT-X」のバージョン2.3.0正式版の一般公開を行った。LFとMFバンド用に設計された新モード「FST4」と「FST4W」を搭載している。さらに2月3日には新モード「Q65」を搭載したベータ版(リリース候補)の「WSJT-X version 2.4.0-rc1」も公開されている。
「WSJT-X 2.3.0」の新機能の概要は、WSJT-X 2.3ユーザーガイドに記載されている。またリリースノートには、WSJT-X 2.2からの重要な変更点のリストを含む追加情報が記載されている。WSJT-Xの旧バージョンからのアップグレードはシームレスで、旧バージョンをアンインストールしたり、ファイルを移動したりする必要はない。
リリース候補(ベータ版)である「WSJT-X version 2.4.0-rc」は近日公開予定だ。主な新機能は「Q65」と呼ばれるモードで、EMEと散乱伝搬(スキャッター)通信のための独自機能を持っている。(ARRLニュース 2021年2月2日 ※許可を受けて抄訳/(C)ARRL)
<hamlife.jp補足>
・「WSJT-X version 2.3.0」には、LFとMFバンド用に設計された新モード「FST4」(通常交信用に最適化)と「FST4W」(WSPRのような疑似ビーコンに最適化)を搭載。基本感度は同じシーケンス長を持つ他のWSJT-Xモードよりも優れ、情報スループットの理論限界に近づいているという。
・リリースノートによるとWSJT-X version 2.3.0は、「不具合診断を助けるためにエラーメッセージボックスにタイムスタンプを追加」「一部の macOS(Big Sur)の起動時にクラッシュする原因となっていた不具合を修正」「JT9スローモードのデコード処理の不具合修正」ほかの改善を行ったという。
・JA7UDE 大庭OMによる、WSJT-X 2.3.0正式版の日本語ユーザガイドが2月2日にPDFで公開されている。下記関連リンク参照。
・ベータ版の「WSJT-X version 2.4.0-rc1」は2月3日(UTC)に公開された。EMEやスキャッター通信に効果的な新モード「Q65」を搭載している(1月9日掲載の記事参照)。ダウンロードはWSJT-X Home Pageから可能。
・もうひとつの著名なデジタル通信用ソフトウェア「JTDX」の最新版は、2020年12月30日に「JTDX 2.2.0 rc155」が公開されている。
こちらの記事も参考に↓(2021年1月9日掲載)
<優れた弱信号性能>WSJT-Xのバージョン2.4.0には新デジタルプロトコル「Q65」が搭載される
●関連リンク:
・A New Version of WSJT-X is Now Available(ARRL NEWS)
・WSJT-X Home Page
・WSJT-X 2.3 日本語ユーザガイドPDF(JA7UDE 大庭OM作成)
・JTDX
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