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<総務省は今後、制度改正を検討へ>内閣府の規制改革推進会議(11月19日開催)で「アマチュア無線免許手続」が議題に

内閣府に設置された規制改革推進会議の「経済活性化ワーキング・グループ」の第4回会議が2021年11月19日に開催、電波関連の議題の1つとして「アマチュア無線免許手続」が取り上げられ、このほど当日の議事録と関係資料が公開された。同会議に出席した総務省 総合通信基盤局電波部移動通信課の翁長課長は「今後の在り方、制度等々について議論を進めていく場を作り、制度改正の検討を進めていきたい」と述べている。

 

 

第4回 経済活性化ワーキング・グループ 令和3年11月19日 議事次第

 

 

 内閣府の「規制改革推進会議」は、内閣府設置法に基いて設置された審議会で、内閣総理大臣の諮問に応じ、経済社会の構造改革を進める上で必要な規制の在り方の改革に関する基本的事項を総合的に調査・審議することを主要な任務としている。同会議にはさまざまなワーキング・グループ(WG)が設けられている。そのうちの「経済活性化ワーキング・グループ」の第4回会議(11月19日にオンラインで開催)では、「アマチュア無線免許手続」を含む、電波制度改革など電波関連の4議題を審議。その議事録と関係資料が公開された。

 

当日の議事概要より

 

 

 会議冒頭、牧島かれん大臣(デジタル大臣 行政改革担当 内閣府特命担当大臣(規制改革))が挨拶を述べ、その中でアマチュア無線関連について、次のように述べている(関連部分を抜粋)。

 


 

 最後の議題は、アマチュア無線です。日本のアマチュア無線局数は、平成6年度の136万局をピークに、減少の一途をたどっているのが現状です。IoT等に精通したデジタル人材の育成という観点から、座視できない問題でございます。

 

 日本では無線従事者と無線局の両方で、別々に免許を取得しなければなりませんが 、こうした二重免許制度は、欧米各国のアマチュア無線制度と著しく乖離しています。総務省には、アマチュア無線人口の裾野を拡大すべく、包括免許制度の導入も含めて、関係者の声に丁寧に耳を傾けながら、制度の在り方を検討していただけるよう、お願いいたします。

 


 

「アマチュア無線免許手続」の議事は、ヒアリング対象者としてYOTA-JAPAN事務局の櫻井 豊氏、総務省 総合通信基盤局電波部移動通信課長の翁長 久氏が出席。資料をもとにアマチュア無線の現状と課題、制度改革を要する部分などを説明し、同WGの委員による質問に回答する形式で進行した。

 

 YOTA-JAPAN事務局の櫻井氏は日本のアマチュア無線制度の現状を説明。アマチュア無線を始めるには2つの免許(無線従事者免許、無線局免許)が必要で、手続きが煩雑で時間もかかることから国際的な公平性(グローバル・スタンダード)とは乖離していることを指摘。その上で、『国家試験に合格後、技適・工事設計認証を受けた市販無線機を使う限りにおいては、取得した資格の操作範囲で自由に使える無線局免許とコールサイン(呼出符号)を付与。免許人は、実際に無線局を開設後に速やかに「届出」を行うこととし、開設後の増設・取替・変更時も、技適・工事設計認証を受けた市販無線機に限り、同様に速やかに「届出」を行うこととする』『自作無線機等については既存の保証認定制度を用いつつ、必要に応じて制度見直しを行うことが望ましい』と要望、これによりアマチュア無線が、将来イノベーションを起こす人材を受け入れ、それを育むインキュベーションプラットフォームとして機能できるようになるとした。さらにYOTA-JAPANによる活動を紹介し、グローバルで活躍する21世紀型スキルを持った若者を育成する場としてアマチュア無線を生まれ変わらせたいという思いを述べた。

 

YOTA-JAPAN事務局 櫻井氏の会議資料より

YOTA-JAPAN事務局 櫻井氏の会議資料より

YOTA-JAPAN事務局 櫻井氏の会議資料より

 

 総務省の翁長課長は、日本のアマチュア無線の状況を報告。アマチュア局数は減少しているが、人口あたりの局数で比較すると主要国の中で日本が最も多いことや、空中線電力10Wを超える無線局(特定無線局を除く)の71%がアマチュア局であることを伝えた上で、「社会貢献活動での活用」「無資格者の体験機会の拡大」「デジタルデータ通信の免許手続きの簡素化」など、直近の制度改正を説明し、最近はマスメディアでアマチュア無線が取り上げられる機会が増えていると報告した。さらに『総務省において、代表的なアマチュア無線家団体にも御参画いただき、有識者や関係者の御意見も賜りつつ、ワイヤレス人材やIoT人材の育成にも資するアマチュア無線の在り方を検討していく予定』『アマチュア無線をより活用しやすい制度、環境実現に向けてということで、具体的な提案を櫻井様からいただきましたけれども、そういった検討を今後進めていきたいと思っております』と今後の取り組みを表明した。

 

総務省の会議資料より

総務省の会議資料より

総務省の会議資料より

総務省の会議資料より

 

 さらに翁長課長は、出席委員の質問に答える形で『一方でアメリカのように、無線局と一体にすると、5年ごとに更新とかというのが出てまいりますので、そういった諸外国の国民性とかも鑑みながら、動向を踏まえて、日本のアマチュア無線にとって一番いい制度は何なのかというのをやっていきたいと思っております。一体的な運用の中で、多分、一番求められているのはスピード感だと思っています。無線従事者の資格を取って、それから無線機を何使おうかなというのを選んで、事前にはパンフレットとかでやっていると思いますけれども、無線機を買って、それから申請をしていくと、1か月、2か月かかってしまいますので、その期間を短縮するとか、包括的に運用しているように見えるように期間を短くするとか、そういったことができないかなという頭の体操はしておりますけれども、いずれにしても、なかなか簡単なことではありませんので、これからいろいろ先生方の御意見もいただきながら、検討を進めてまいりたいと思っております』と述べている。

 

公開された議事録より

 

 今後、総務省はアマチュア無線団体や有識者などから意見を聞く場を設け、アマチュア無線の免許・制度の在り方や青少年がアマチュア無線を始めやすくなる環境の整備を検討していくと見られる。今回の議事の詳細と当日の資料は下記関連リンクで得ることができる。

 

 

 

●関連リンク:
・第4回 経済活性化ワーキング・グループ 令和3年11月19日 議事次第(内閣府)
・第4回 経済活性化ワーキング・グループ 令和3年11月19日 議事録PDF ※アマチュア無線関連は46ページから(内閣府)
・アマチュア無線免許の制度改革に関する要望 PDF(YOTA-JAPAN提出資料)
・総務省のアマチュア無線に関する取組について PDF(総務省提出資料)
・規制改革(内閣府)

 

 

 

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