ロシアによる軍事侵攻の懸念が高まっているウクライナ。ゼレンスキー大統領は2022年2月24日から30日間の「非常事態宣言」を発令した。対象地域は東部のドネツク州とルハンスク州を除くウクライナ全土。これにより同国では「抗議活動の禁止」「情勢を不安定にする可能性がある情報の作成および流布の禁止」などと並び、「アマチュア無線機の使用禁止」が政令で認められ、同国におけるアマチュア無線運用が事実上禁止される。ウクライナは東欧でもアマチュア無線局が多い国で、2000年のIARU統計では17,265局が免許を受けているという。
2月24日付けのウクライナのWebニュース「KYIV INDEPENDENT」が伝えた内容から抜粋する(機械翻訳)。
速報:ウクライナ、非常事態を発令
ウクライナは、2月24日から東部のドネツク州とルハンスク州を除く全土に非常事態を宣言した。ロシアによるウクライナへの全面侵攻の脅威が高まる中、ゼレンスキー大統領が2月23日に提出した政令を議会が承認した。ドネツク州とルハンスク州は、2014年以降ロシアの占領が続いているため、すでに特別な法的地位が与えられている。
非常事態によって導入される制限は30日間続く予定で、地域によって異なる。非常事態は当局が国民の憲法上の権利を一時的に制限することを可能にする。政令で以下の措置が認められた。
・公共秩序の保護と警備の強化
・一般市民の身分証明書のチェックと、必要に応じての身体検査
・抗議活動の禁止
・危険地域からの一時的または恒久的な避難と住居の提供
・徴兵および予備役の予告なしの転居の禁止
・情勢を不安定にする可能性がある情報の作成および流布の禁止
・アマチュア無線機の使用禁止
その他、「必要な場合」に実施される可能性のある措置は以下の通り。
・夜間外出禁止令
・出入国に関する特別体制
・大規模イベントの禁止
・ネット上での情報拡散の「特別ルール」
hamlife.jpが2月24日午前9時にDXクラスターで確認した範囲では、ウクライナのアマチュア局の現地時間24日0時以降の運用はリポートされていない。なおIARUに加盟しているウクライナのアマチュア無線団体「UARL(Ukrainian Amateur Radio League)」のサイトに、今回の非常事態宣言とアマチュア無線機の使用禁止に関連した内容は確認できなかった。
<追記>その後UARLのウクライナ語ページに、同国内のアマチュア無線家に向けて「戦闘は現在進行中で、ウクライナ軍は侵略者を撃退しています。ロシアのウクライナへの軍事侵攻についてIARUに通知しました。ウクライナを支持する世界中のアマチュア無線から多くの連絡がありました。通信社からのニュースに従ってください。戒厳令により、アマチュア無線局の使用は30日間禁止されていますのでご注意ください」という告知が掲載された。
●関連リンク:
・BREAKING: Ukraine imposes state of emergency(KYIV INDEPENDENT)
・Amateur Radio ban -Ukraine(DX World.net)
・Ukrainian Amateur Radio League(UARL)
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