JVCケンウッドのHF/50MHz帯最高級固定機「TS-990S/D」と八重洲無線のハンディタイプの広帯域受信機「VR-160」の生産終了が決定した。複数の無線ショップがSNSや自社サイトなどで公表した。いずれも今後の追加生産はなく在庫限りとなる模様。
JVCケンウッドの「TS-990S/D」は、2013年2月に発売を開始したHF/50MHz帯のオールモード固定機(TS-990S:200Wタイプ、TS-990D:50Wタイプ。税込み希望小売価格はいずれも836,000円)。同社シリーズ最高の圧倒的な受信性能とフルデューティーの送信性能を搭載したフラッグシップモデル。
しかし最近の半導体不足とパーツの価格高騰により、生産に必要なパーツの入手が困難になったことから、同社は2022年3月中旬に取引先の無線ショップに向けて「永らくご愛顧を賜りました弊社HFトランシーバーTS-990S/Dにつきましては、部品の調達が困難となり、今後のご注文にお応えできない見込みとなりましたので受注を終了させて頂く事となりました。ご不便をお掛けいたしますが、ご理解の程宜しくお願い申し上げます」という案内を行った。
JVCケンウッドは2020年12月24日、144/430MHz帯ハンディ機の「TH-D74」が生産完了になる発表を公式サイトで行った際、「その他の弊社製アマチュア無線機器につきましては、従来通り生産継続予定です」と案内していた。
八重洲無線の「VR-160」(税込み希望小売価格:36,300円)は2009年末に発売を開始したハンディタイプの広帯域受信機。超小型サイズながら100kHz~1300MHzをカバーし、イヤホンアンテナ機能やAMラジオ受信用の高感度バーアンテナも搭載している人気モデルでロングセラー商品だったが、半導体不足により2022年2月末に生産終了が決定した。
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一般的にアマチュア無線機が生産終了となるケースとしては「①主要な電子部品が調達不能になり、今後の継続生産ができなくなった」「②代替となる新機種を発売する(した)ため」「③売れ行き減退で継続生産のメリットが薄くなったため」などが挙げられる。生産終了情報をメーカーが公式Webサイト等で告知することはあまりなく、営業担当者が販売店へ個別に案内するのが通例となっている。
今後もコロナ禍による部品調達困難や高騰などにより、各社が生産終了を決定する機種が増えるのではないかという懸念の声も上がっている。
こちらの記事も参考に↓
<4月から車載用、民生用、業務用機器を約3~25%値上げ>JVCケンウッド、公式サイトに「製品価格改定のお知らせ」を掲載(2022年2月21日掲載)
<その他のアマチュア機は従来通り生産継続を予定>JVCケンウッド、D-STAR対応のハンディ機「TH-D74」の生産完了を公式サイトで発表(2020年12月24日掲載)
●関連リンク:
・TS-990S/D製品情報 ※生産終了情報は掲載されていない(JVCケンウッド)
・VR-160製品情報 ※生産終了情報は掲載されていない(八重洲無線)
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