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<IARUのモニタリングシステム第1地域ニュースレター>ウクライナ情勢に関係か!? 「軍事関係と思われる“謎の電波”がアマチュア無線バンド内で増加」と報告

国際アマチュア無線連合 モニタリングシステム第1地域(IARUMS Region1)は3月期のマンスリーニュースレターで、「現在、IARU第1地域において軍事情勢の影響と思われる、不明なモード(電波型式)の信号がHF帯のアマチュア無線バンドで増加していることに気づきました。その多くは“ジャマー(受信を妨害または無効化するために意図的に送信される信号)”であると思われます。また、ロシアのデジタルモード『T-230-1A(通称「T-2A」)』のように、長い間確認されていなかった軍事用のモードも観測でき、これらの信号のほとんどは、20mバンド(14MHz帯)と40mバンド(7MHz帯)で受信されました」と報告している。

 

 

アマチュア無線バンドに侵入する、“謎の電波”の種類を分類したグラフ(IARUMS Region1の3月マンスリーニュースレターから)

OTHレーダー波など、アマチュア無線バンドで確認されたさまざまなスコープ波形(IARUMS Region1の3月マンスリーニュースレターから)

 

 

 国際アマチュア無線連合(IARU)は、世界各国を代表するアマチュア無線団体で構成され、世界を3つの地域に分けて構成している。なかでも第1地域(Region1)はIARUの3地域の中で、ヨーロッパ、アフリカ、中東、北アジアを含む最も多くの加盟組織を持つグループとなっている(日本は第3地域=Region3に属する)。

 

 今回、アマチュア無線バンド内への侵入電波などのサーベイを行っている「IARU第1地域モニタリングシステム(IARUMS Region1)」が、毎月発行しているニュースレターの3月期リポートの中で、アマチュア無線バンドに軍事的なものと思われる謎の電波の侵入が増加していることを30ページにわたり報告している。

 

 

 以下、公表されたIARUMS Region1の3月期マンスリーニュースレターの一部を機械翻訳で紹介しよう。

 

 


 

 3月、私たちはIARU第1地域で、現在の軍事情勢の影響と思われる以下のことに気づきました。

 

 HF帯のアマチュア無線バンドにおいて、不明なモード(電波型式)での送信が増えています。その多くの場合、受信を妨害、または無効化するために送信される「ジャマー(意図的にほかの信号の上に送信される信号)」であると思われます。

 

 その状況(短時間ではありますが、強力なバーストが組織的かつ反復的に飛び交う電波スペクトル)から考えられるのは「イオノゾンデ(電離層を調べて、HF帯の信号伝送に最適な周波数を決定するためのレーダー)」である可能性です。

 

 さらに、ロシアのデジタルモード「T-230-1A(通称「T-2A」)」のように、長い間確認されていなかった軍事用のモードも観測されています。これらの信号のほとんどは、20mバンドと40mバンドの周波数帯で受信されました。

 


 

 

 なお、公表された3月期のマンスリーニュースレターには、主にアマチュア無線家からの報告を元に作成された、周波数や時間、国名、モード(電波型式)、帯域幅、シフト幅などの“謎の電波”をまとめた膨大なリストが掲載されている。

 

 国名は「国際電気通信連合(ITU)」による略号で表記されており、「RUS(ロシア)」や「CHN(中華人民共和国)」が目につく。また、「DETAILS(ディテール)」欄にある「OTHR」とは、HF帯のアマチュア無線バンドなどで無線家を悩ませるパタパタ音、いわゆるウッドペッカー信号の元凶と言われている軍事用の「OTHレーダー」のことだろう。

 

 リストに掲載されている周波数を見ると、14MHz帯や7MHz帯だけでなく、18MHz帯、21MHz帯、28MHz帯、29MHz帯など、さまざまな周波数帯で“謎の電波”の報告がされている。詳しくは、記事下の「関連リンク」から確認してほしい。

 

 

 

国際アマチュア無線連合モニタリングシステム第1地域(IARUMS Region1)の3月マンスリーニュースレター(一部抜粋)

 

 

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●関連リンク:
・国際アマチュア無線連合 モニタリングシステム第1地域(IARUMS Region1)3月のマンスリーニュースレター(PDF形式)
・International Amateur Radio Union/IARU(国際アマチュア無線連合)
・国際アマチュア無線連合(ウィキペディア)

 

 

 

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