hamlife.jp(ハムライフ・ドット・ジェーピー)

注目キーワード:

hamlife.jp > ニュース > 事件・事故 > <電波法に基づく行政処分>北海道総合通信局、電波法違反容疑で遭難した遊覧船「KAZUⅠ(カズワン)」を運航していた(有)知床遊覧船と代表取締役を告発


<電波法に基づく行政処分>北海道総合通信局、電波法違反容疑で遭難した遊覧船「KAZUⅠ(カズワン)」を運航していた(有)知床遊覧船と代表取締役を告発

2022年6月21日、北海道総合通信局は4月23日に発生した北海道・知床での遭難事故で、遊覧船「KAZUⅠ(カズワン)」を運航していた有限会社知床遊覧船と同社の桂田精一代表取締役を、免許を受けずに無線設備を同社事務所等に設置し不法に無線局を開設していたとして、電波法違反容疑で第一管区海上保安本部網走海上保安署に告発するとともに、同社を電波法に基づく行政処分(簡易無線局8局の運用停止)を行うことを公表した。すでに報道などで、同社が日常的にアマチュア無線を運航連絡に使っていた実態が明らかになっている。また金子総務大臣は6月21日の記者会見で「不法に無線局が開設されたことは大変遺憾だ。不法利用されていたアマチュア無線局は幅広く利用されており、法令意識を高めるよう周知啓発を強化したい」と述べたという。

 

 

有限会社知床遊覧船所属の観光船「KAZU I」(同社ホームページより)

 

 

北海道総合通信局が発表した処分内容は次のとおり。

 

 

 北海道総合通信局は、(有)知床遊覧船および同社代表取締役を電波法違反容疑として、第一管区海上保安本部網走海上保安署に告発し、あわせて同社に対し電波法に基づく行政処分を行うこととしました。

 

1.違反発覚の端緒
 令和4年4月23日に発生した知床遊覧船事故を受け、(有)知床遊覧船における無線局の設置状況等について聞き取り調査を実施。その結果を踏まえ、第一管区海上保安本部網走海上保安署への告発および行政処分を行うこととしたもの。

 

2.違反内容
免許を受けずに無線設備を同社事務所等に設置し、不法に無線局を開設した。

 

3.告発の内容
被疑者(有)知床遊覧船および同社代表取締役

 

4.行政処分の内容
(1)被処分者
 (有)知床遊覧船

(2)処分内容
  令和4年6月24日から12日間※(有)知床遊覧船所属の簡易無線局8局の運用停止

 

※当該処分対象の無線局の免許の有効期限が、令和4年7月5日であり、処分の終期は同日までとする。

 

 

 

<関連条文>(電波法)

 

第4条
 無線局を開設しようとする者は、総務大臣の免許を受けなければならない。
(以下省略)

 

第76条
 総務大臣は、免許人等がこの法律、放送法若しくはこれらの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したときは、3月以内の期間を定めて無線局の運用の停止を命じ、又は期間を定めて運用許容時間、周波数若しくは空中線電力を制限することができる。
(以下省略)

 

第110条
 次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
 一 第4条の規定による免許又は第27条の18第1項の規定による登録がないのに、無線局を開設した者
 二 第4条の規定による免許又は第27条の18第1項の規定による登録がないのに、かつ、第70条の7第1項、第70条の8第1項又は第70条の9第1項の規定によらないで、無線局を運用した者
(以下省略)

 

第114条
 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従事者が、その法人又は人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
 一 (省略)
 二 第110条(第11号及び第12号に係る部分を除く。)、第110条の2又は第111条から第113条まで 各本条の罰金刑

 

 

アマチュア無線使用の実態を把握するため、総務省北海道総合通信局が有限会社知床遊覧船に聞き取りを行った(2022年5月13日付の日本経済新聞紙面から)

 

 

 なお「読売新聞オンライン」は、金子総務大臣が21日の閣議後の記者会見で「不法に無線局が開設されたことは大変遺憾だ。不法利用されていたアマチュア無線局は幅広く利用されており、法令意識を高めるよう周知啓発を強化したい」と述べたと報じている。

 

 2022年6月21日に行われた「金子総務大臣閣議後記者会見の概要」。総務省が公表した「会見発言記事」から知床遊覧船事故に関する部分を抜粋して紹介しよう。

 

 

 

 

●【2022.6.21】金子総務大臣 記者会見(YouTube総務省動画チャンネル
↓画面をクリックすると動画がスタートします。

 

 

 

↓この記事もチェック!

 

<無線ショップやJARL監査指導委員も登場>北海道放送(HBC)、知床遊覧船の遭難事故の背景を「アマチュア無線」から検証するリポートを放映

 

<知床遊覧船のアマチュア無線機不正使用>北海道総合通信局の現地調査で判明したこと

 

<ようやく新聞各紙が“不正使用”を報道>遭難事故を起こした知床遊覧船、「連絡手段として日常的にアマチュア無線を用いていたことが判明」と毎日新聞が報じる

 

<知床の観光船遭難事故>事実解明が待たれる「アマチュア無線で交信」の疑問点

 

 

 

<「免許をもっていても電波法違反です」と明記>総務省、「アマチュア無線は仕事に使えません!」ページ開設&リーフレット作成

総務省が作成した、アマチュア無線のルールを守った運用について周知するリーフレット

 

 

●【電波法80条報告書ひな形付き】総合通信局へ“違法運用”を通報するための「報告書」の書き方から提出先まで

 

 

 

●関連リンク:
・北海道総合通信局 電波法違反に係る告発及び行政処分-(有)知床遊覧船及び同社代表取締役の告発並びに同社に対する行政処分-
・総務省 金子総務大臣閣議後記者会見の概要(令和4年6月21日)
・総務省、カズワン運航会社を電波法違反容疑で告発へ(毎日新聞)
・知床観光船沈没「業務用無線の免許取らず」会社と社長を告発へ(NHK)
・「知床遊覧船」と社長を告発…総務省、電波法違反の疑いで(読売新聞オンライン)
・無免許で無線局を開設 電波法違反の疑いで知床遊覧船の桂田社長を告発 総務省(TBS NEWS)
・運航会社を告発 知床観光船事故、電波法違反で―総務省(時事通信社)
・カズワン運行会社を刑事告発 総務省、無免許で無線局を開いた疑い(朝日新聞デジタル)

 

 

 

 

●いったん広告です:

レビュー評価高い Amazonベーシック アルカリ乾電池 単3形20個パック

充電式ニッケル水素電池 単3形8個セット (最小容量1900mAh、約1000回使用可能)