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【写真リポート】<新製品「IC-905」の予定価格帯が判明>約500名が参加した「アイコムフェア in ならやま2号館」の模様

アイコム株式会社は2022年12月18日、奈良県奈良市にある同社研究施設を会場にした自社イベント「アイコムフェア in ならやま2号館」を開催、関係者を含め500名の来場者で大盛況となった。注目を集める144~5600MHz帯(10GHz帯オプション)のトランシーバー「IC-905」の実動展示と講演があり、初めて予定価格帯と発売時期が明かされたほか、さまざまな展示や講演、アトラクションなどで盛り上がりを見せた。その模様を写真で紹介しよう。

 

 

IC-905講演動画に関する記事↓
<今春発売! 新製品の詳細がわかる>アイコムの講演「IC-905の魅力」を動画で公開

 

開催直前の案内記事はこちら↓
<お楽しみ抽選あり、IC-905で10GHz帯の山岳回折通信デモ実施>アイコムが12月18日(日)に奈良市で開催する「アイコムフェア in ならやま2号館」の直前案内

 

 

会場となったアイコムならやま研究所 2号館

アイコム創業者で代表取締役会長のJA3FA 井上徳造氏(91歳)も元気な姿を見せた

 

 

「アイコムフェア in ならやま2号館」の会場となった、奈良市にある「アイコムならやま研究所」は、同社が最先端の通信技術の研究を行っている拠点で、デジタル通信システム「D-STAR」の基礎的研究を行った“D-STARのふるさと”としても知られている。広い敷地(最近、隣地にあった他社研修施設を取得したことで、建物は「1号館」と「2号館」になった)にはアマチュア無線のリモート運用が可能なログハウス、最大高51mのクランクアップタワーに設置された7MHz帯4エレスタック、EME通信の研究に使用する大型パラボラアンテナも設置されている。

 

最大高51mのクランクアップタワーに設置された7MHz帯4エレスタック。以前取り付けられていた3.5MHz帯のフルサイズ3エレ八木は撤去したという

ならやま1号館から見たクランクアップタワー周辺の風景

 

 この日は前日までの雨も上がり好天となったが、気温が5度前後と寒かったことから、来場者の防寒のため午前10時の開場を一部繰り上げる状況となった。

 

入場口では検温と消毒を実施。手首にリストバンドをつける徹底ぶりだった

 

 会場は「ならやま2号館」の1階(IC-905、IC-PW2と主要製品の展示、協賛企業展示・物販)、2階(講演、協力クラブ等の展示、懐かしの無線機展示、ボーイスカウト活動紹介)、2号館前でのキャンピングカー展示とキッチンカー、屋外のコンサート広場、「ならやま1号館」のクランクアップタワー、休憩コーナーなどに分かれていた。

 

会場の全体マップ

ならやま2号館1階の展示コーナー。写真左奥がIC-905の展示コーナー

 

 

 最も注目を集めたのは144~5600MHz帯(10GHz帯オプション)のトランシーバー「IC-905」の実動展示。およそ24km離れ、途中を生駒山地に阻まれている大阪市平野区のアイコム本社と10GHz帯の山岳回折通信で交信ができる様子が確認できた。さらに展示機で操作を体感し、スタッフに詳しい説明を聞いたりすることも可能だった。

 

IC-905の展示コーナーは常に人垣ができていた

アイコム本社(大阪市平野区)と10GHz帯の山岳回折通信で結ぶデモンストレーションを実施

51m高クランクアップタワーの中間部(矢印部分)に10GHz帯用と5.6GHz帯用のパラボラアンテナを取り付けた(関係者提供写真)

2つのパラボラアンテナの間にIC-905のRFユニットを取り付け。2号館1階に置かれたIC-905のコントローラーまで約100mをLANケーブルで結んでいる。写真左の10GHz帯用パラボラアンテナの背面に見えているのがオプションの10GHz帯ユニット「CX-10G」だ(関係者提供写真)

 

 気になるIC-905の価格だが、スタッフから「IC-905本体(144~5600MHz帯)の価格は40万円程度、オプションのCX-10G(10GHz帯ユニット)は15万円程度。どちらも発売開始は2023年春を予定しています」という案内があった。

 

社員有志が自作したというU/SHF帯バイコニカルアンテナも展示

HF/50MHz帯リニアアンプ「IC-PW2」も展示。こちらはまだ価格や発売時期が決定していない。なお「ハムフェア2019」会場では“可能”とされていた「本体の縦置き」は不可との説明があった

 

 

 午前中に行われたIC-905に関する講演は150名以上が聴講し、会場内が通路までビッシリ埋まる盛況ぶりとなった(講演で公開されたIC-905のスライド資料は本記事の次ページを参照のこと)。なお講演の最後でIC-905について「1200/2400/5600MHz帯と10.1GHz帯で行われている“一次業務”に影響を及ぼさないための機能」の搭載を検討中という告知もあった。

 

IC-905の講演を聞く来場者。講演会場は通路までビッシリ埋まった

アイコムの稲葉氏によるIC-PW2に関する講演

アイコムの高岡氏によるIC-905に関する講演

IC-905の送受信系の回路構成

「1200/2400/5600MHz帯と10.1GHz帯で行われている“一次業務”に影響を及ぼさないための機能」の搭載を検討中という告知があった

 

 

 また、午後の講演の最後に行われた「IC-705の新機能紹介」では、“IC-705のDVレピータモニター機能が新ファームウェアの導入で一層進化し、海外のD-STARレピータもモニターできるようになる”というサプライズ発表が行われた(新ファームウェアは12月22日の夕方に公開された)。

 

IC-705で海外のD-STARレピータもモニターできるようになるというサプライズ発表もあった

IC-705で海外のD-STARレピータをモニター中。この新ファームウェアは12月22日の夕方に公開された

 

 

◆1月1日(日・祝)の19~20時に「FMぱるるん」が特別番組を放送!

 

 茨城県水戸市のコミュニティ放送局「FMぱるるん」は、2023年1月1日(日・祝)の19時から20時まで、「アイコムフェア in ならやま2号館」で公開収録した特別番組を放送する予定だ。パーソナリティは演歌歌手のJI1BTL 水田かおり。ほかにJH1DLJ 田中氏、JJ1GPM 下杉氏、7M4MAS 古谷氏らも参加。

 

 番組にはアイコム社員も登場し、今回のイベントについての説明、新製品のIC-905について、IC-PW2や同社製品についてを案内するほか、同社代表取締役会長のJA3FA 井上徳造氏への特別インタビューも予定しているという。FMぱるるんはインターネット配信により全国で聴取可能なので、ぜひチェックしていただきたい。

 

FMぱるるんの公開収録の模様。放送は1月1日の19時から

 

 

 その他、各コーナーの展示や屋外イベントの模様などを写真で紹介する。

 

懐かしの無線機展示

ボーイスカウト活動紹介と体験局兼特別局の「8N100S/3」運用コーナー

無線体験とイベント見学のためにスカウトが多数訪れた

第一電波工業の展示

2号館前にはバンテック社のキャンピングカーを展示。実はレンタカーで誰でも手軽に借りられるという

CQ出版社の展示即売コーナー。アイコムのイベントに出版社がブースを出すのは珍しい

電波社のブース

月刊FB NEWSのブース

月刊FB NEWSの展示

シンガーソングライターのMasaco(JH1CBX)もブースを出展、CDや卓上カレンダーなどを販売した

屋外のコンサート広場で、水田かおりとMasacoが歌を披露

ならやま研究所イベントのネックだった“昼食難民”救済のため「キッチンカー」が登場。大好評だった

退出の際、リストバンドの返却で引くことができる「三角くじ」のお楽しみ抽選コーナー

 

 

次ページでは講演で公開された「IC-905」のスライド資料&講演動画を紹介!!★

 

 

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