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<チームを乗せた船舶の現在位置を確認>33年ぶりのオンエアーに期待! ブーベ島「3Y0J」DXペディションまもなく上陸・運用へ

全世界DXCCウォンテッドランキング2位として、世界中のDXerからの要求度が高いエンティティの1つ、南氷洋に浮かぶ“世界で最も人里離れた孤島”と言われる「ブーベ島」(ノルウェー領)からDXペディションチーム「3Y0J」の運用が、2023年1月下旬から2月に始まる。成功すれば、実に33年ぶりのオンエアーとなることから注目を集めている。メンバーを乗せた船の現在位置は船舶トラッカー(船舶位置情報)で確認することができ、ブーベ島まであと1週間前後かかると伝えている。おりしも11年周期で訪れる太陽活動が活発な時期「サイクル25」を迎え、コンディション上昇に期待が膨らむ(2022年12年15日記事)。条件さえよければ(ペディション後半なら!?)小型アンテナでも交信のチャンスが訪れるかもしれない。

 

 

【追記:30m FT8の交信分もオンラインログにアップ、チームは南アフリカへ向けて航海開始】2023年2月17日(水)7時00分

 

 2月15日(水)の夕方、3Y0Jのオンラインログが更新され、未アップだった30m FT8の交信分も反映された。これで今回のDXペディションにおける全バンド・モードのサマリーが出揃ったとみられる。交信総数は18,838局(ユニーク局数:8,600局)、バンド別では多い順で 17m:6,971局、15m:6,111局、30m:4,658局、10m:675局、20m:253局、12m:170局。

 

Club Logより

 

 なお3Y0J DXペディションチームはブーベ島での撤収作業を終え、帰途につくためマラマ号で南アフリカのケープタウンに向けて航海を開始した。

 

 一方、OQRSによるQSLカード請求受付も始まっている(窓口はClub LogではなくM0OXOが担当するので注意が必要)。3Y0J公式サイトのQSL POLICY欄によると、“紙”のQSLカードとLoTWのセットは1枚15ドル、ビューロー経由のQSLカード発送は3ドルなど細かく規定されている(ドネーション額は含まず)。

 

 

 

 


 

【追記:FT8の交信分もオンラインログにアップされる】2023年2月15日(水)8時00分

 

 日本時間で2023年2月15日(水)の朝4時頃、3Y0Jのオンラインログが更新しFT8による交信分も掲載された(※30mのFT8は未アップの模様)。現在Club Logで公開されているのは、UTCで2023年2月6日16時24分~2月13日19時30分の交信分、合計17,830 QSO(モード別ではCW:11,468、FT8:4,181、SSB:2181 QSO)。Club Logではバンドやモード、日別、地域別などの詳しい内訳を見ることもできる。記事末尾の下記関連リンク参照のこと。

 

Club Logより

 

 


 

【追記:日本時間の2月14日(火)12時に運用終了】2023年2月14日(火)7時50分

 

 日本時間の2023年2月14日(火)午前0時20分のアップデートによると、日本時間の2023年2月7日(火)午前3時42分から始まったブーベ島からの「3Y0J」の運用は、日本時間の2月14日(火)12時に終了するとしている。そのあと島に持ち込んだ物はすべて「マラマ号」へ戻される。

 

 33年ぶり、8日間にわたる運用はこれで終わることになった。なお、最終的なログ更新は、「マラマ号」に戻ったあとに行われる。

 

 

 


 

【追記:オンラインログの公開始まる】2023年2月13日(月)8時30分

 

 Club Logで3Y0Jのオンラインログ公開が始まった。現時点でアップされているのはUTCで2月6日16時24分~2月12日19時16分に行われた12m/15m/17m/30mのCWとSSBの交信、約11,600QSO。FT8による交信分はまだアップロードされていない状態だ。

 

 

Club Logで3Y0Jのログが一部公開された。大陸別、モード別の交信状況などの興味深いデータも得ることができる

 


 

【追記:まもなく運用を終了してQRT】2023年2月13日(月)8時10分

 

 日本時間の2023年2月13日(月)午前2時のアップデートによると、3Y0Jチームミーティングの結果、ブーベ島への無線機材の運搬はこれ以上行わず、燃料がなくなるまで運用を続ける。そのあとキャンプサイトの撤収を始め、火曜日(2/14)にはすべて持ち込んだ物を「マラマ号」へ戻すとしている。

 

 まもなく33年ぶりに成功したブーベ島からの運用が終了する。

 

 


 

【追記:33年ぶり、ブーベ島からの運用始まる】2023年2月7日(火)8時05分

 

 日本時間の2023年2月7日(火)午前3時45分のアップデートによると、機材運搬と宿泊場所を確保して、少し前の午前3時42分からElecraft K3(100W)2台とワイヤーアンテナで、15mバンド(21MHz帯)/SSBと12mバンド(24MHz帯)/CWでオンエアーを開始。

 

 DXクラスターには20mバンド(14MHz帯)/SSBや15mバンド(21MHz帯)/CWでも「3Y0J」のコールサインが確認できる。徐々に運用するバンドを増やしているようで、すでにJA局もQSOに成功している模様だ。

 

 

 

 


 

【追記:ブーベ島は目前! 強風&濃霧で上陸のチャンスを待つ】2023年1月31日(火)9時10分

 

 

 日本時間の2023年1月31日(火)午前5時45分のビデオ投稿によると、3Y0Jチームを乗せた「マラマ号」がブーベ島へ到着した模様だ。

 

「私たちはブーベ島にいます。でも天候の予報はあまりよくありません。火曜日の正午から水曜日の正午まで天候が荒れそうで、強風で霧がかかり難しいコンディションです。明日の朝、現地時間の午前4時に状況の検討を行い、条件がよければ上陸を試みるかもしれません。でも、これは簡単なことではありません。その場合は、木曜日または金曜日まで待たなければなりません(機械翻訳)」と現地からの書き込みがある。

 

 

「3Y0J-Bouvet 2023(DX-World)」掲載されている3Y0Jチームの投稿。動画にはブーベ島がはっきいり映っているが、波が高いことがわかる。「まもなくブーベ島のフィエ岬沖へ停泊する」と伝えている

 


 

 

日本時間の2023年1月22日(日)17時「チームは昨日、200マイルを超える距離を航海しました。平均ヨット速度は約8mph(時速8マイル)。最新の風速天気図によると、まもなく風速20~25mphの海域(サウスジョージアの南)に入るようです。ここまで来るのに5日かかっているので、ブーベに到着するまで少なくともあと5~7日かかると思われますが、これはあくまで概算です」と書き込みがあった(「DX-World」ニュースサイトの「N2AJ メディア オフィサーによる最新ニュース」から)

 

 

 ブーベ島からは小規模なDXペディションはいくつ行われてきたが、本格的なDXペディションといえば、1989年末から1990年初めにかけてJAから藤原仁氏(JF1IST)が参加して実施(5万局とQSO)された「3Y5X」以来、すでに33年の月日が経っている。

 

 その後も同地からのDXペディションが計画されたが、資金が集まらなかったり島を目の前にして天候の悪化なので上陸に至らなかった。

 

 直近では、22018年2月に「3Y0Z」DXペディションチームがブーベ島までたどり着いたものの悪天候のために上陸できず、72時間天候の回復を待ったが、「ヘリコプターの飛行を妨げる強風、低雲、霧、荒れた海が続き、今後4日間も天候の改善が見られない状況にある」として断念(2018年2月4日記事)。また、2019年3月には「3Y0I」DXペディションチームが船舶の損傷で出発地であるケープタウン(南アフリカ)に戻ることになった(2019年3月19日記事)。

 

 ブーベ島まで行くには、南緯60度から70度にかけて偏西風が吹き荒れる海域を航行する必要がある。「吠える40度」「狂う50度」「絶叫する60度」とも呼ばれているほどの海域で、船酔いに苦しめられる。

 

「3Y0J」チームがチャーターした101フィートの「マラマ号」は、南極クルーズを定期的に行い“実績と経験豊富な極地乗組員”を有するとしているが、ヘリコプターを乗せるスペースはなく、ブーベ島への人員・機材などの運搬はゴムボートに頼るとしている。

 

 

南極大陸へのセーリングクルーズを担う「マラマ号」。今回は南氷洋に浮かぶ“世界で最も人里離れた孤島”と言われる「ブーベ島」へチームを運ぶ(マラマ号公式サイトから)

 

 

 日本時間の2023年1月18日(水)午前2時15分に、チームを乗せたマラマ号は錨を上げてギリス領フォークランド諸島の首都・Port Stanleyを出航。一路、ブーベ島へ向けて航行している。GPS信号からトラッカー(位置情報)サービスを利用してマラマ号の現在位置が確認できるほか、「DX-World」ニュースサイトのN2AJ メディア オフィサーによる最新ニュース「3Y0J-Bouvet 2023」で、3Y0Jチームのホットな情報が入手できる。

 

 島への上陸後は24時間体制で、各バンド、各モードでの運用を予定。天候が許せば20日間は現地に滞在する計画だ。

 

 

直近1か月間の太陽黒点相対数(SSN)の推定値。SSN200を超える日が現れた。コンディション上昇に期待が膨らむ。カッコの数値は太陽黒点相対数算出のために利用されている観測所の数(宇宙天気情報センターのWebサイトから)

 

 

●ブーベ島「3Y0J」DXペディションの運用周波数(予定)

 

【160mバンド】160m、CWのみ(出力1500W)
1.810~1.820MHzの運用はなし
1.826.5MHz/CW(NA/EUではlsn UP、JA/VKではlsn DOWNに注意してください)
1.820~1.8265~1.835MHz/CW

 

【80mバンド】80m、CW/SSB
3.500~3.510MHzは運用なし
3.510~3.540MHz CW
3.600MHz SSB

 

【60mバンド】
5.3515~5.356MHz/CW
5.356MHz/FT8

 

【40mバンド】
7.000~7.010MHzの運用はなし
7.025~7.040MHz/CW
7.064MHz/FT8
7.120MHz/SSB

 

【30mバンド】
10.100~10.105MHzの運用はなし
10.105~10.125MHz/CW
10.131MHz/クロゼ(FT5/W)
10.144MHz/FT8

 

【20mバンド】
14.000~14.010MHzの運用はなし
14.010~14.040MHz/CW
14.105MHz/FT8
14.125MHz/RTTY
14.225MHz/SSB

 

【17mバンド】
18.069~18.074MHzの運用はなし
18.074~18.089MHz/CW
18.090MHzと18.107MHz/FT8
18.120MHz/SSB

 

【15mバンド】
21.000~21.010MHzの運用はなし
21.010~21.040MHz/CW
21.105MHz/FT8
21.125MHz/RTTY
21.225MHz/SSB

 

【12mバンド】
24.890~24.895MHzの運用はなし
24.895~24.910MHz/CW
24.921MHz/FT8
24.925MHz/SSB

 

【10Mバンド】
28.000~28.010MHzの運用はなし
28.010~28.040MHz/CW
28.086MHz/FT8
28.400MHz/SSB

 

 

DXペディションチーム「3Y0J」の運用メンバー(3Y0J公式サイトから)

 

 

●チームリーダーの Erwann氏(LB1QI)が出港前のマラマ(MARAMA)号を撮影
※画面をクリックすると動画がスタートします。

 

 

 

↓この記事もチェック!

 

<太陽黒点数(SSN)150超え!> コンディション上昇の兆し、2023年1月のブーベ島DXペディション「3Y0J」との交信成功に期待

 

 

 

●関連リンク:
・DXペディションチーム「3Y0J」公式サイト
・Log search & OQRS(M0OXO)
・3Y0J QSL POLICY
・3Y0Jの交信サマリー(Club Log)
・3Y0Jチーム船舶トラッカー(船舶位置情報)
・3Y0J-Bouvet 2023(DX-World)
・3Y0J-The Bouvet island DXpedition(Facebook)
・Sailing Cruises aboard MARAMA-Antarctica and Arctica/マラマ号 南極クルーズ
・太陽黒点(宇宙天気情報センター)

 

 

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