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<水防テレメータの雨量局2局を約3年間不法運用ほか>中国総合通信局、電波法違反が見つかった無線局7局の運用をしていた広島県を指導

広島県が運用する水防テレメータの全観測局(雨量局)において、無線局2局の免許取得の手続きを行わないまま約3年間運用していたことが昨年(2022年)8月に判明。調査を行った広島県から報告を受けた中国総合通信局は、合わせて7局での電波法違反が確認されたとして、2023年1月31日に広島県知事に対して文書で指導を行った。中国総合通信局は今回の処分について、悪意があった行為ではなく大きな影響もなかったことから“指導にとどめた”としている。本件は中国総合通信局のほかに、広島県河川課から「広島県水防テレメータシステムに係る無線局の電波法違反について」と題して、顛末を記載した「記者発表資料」が公表されている。

 

 

広島県河川課からの「記者発表資料:広島県水防テレメータシステムに係る無線局の電波法違反について」。そのほか「広島県水防テレメータにおける電波法手続きの未申請事案について」もリリースしている

 

 

中国総合通信局の処分は以下のとおり。

 

 

 中国総合通信局は、広島県に対し、固定局7局※について、無線局の免許を受けずに運用を行っていたこと等の電波法違反を確認したことから、1月31日指導を行いました。

 

 広島県に所属する固定局について、複数の電波法違反が確認されました。これらの行為に対し、本日指導を行いました。違反の概要は次のとおりです。

 

無線局の種別:固定局

 

局数:2
違反の期間:令和2年4月11日~令和4年8月26日
違反の内容:総務大臣の免許を受けず、無線局を開設し運用した。
(電波法第4条違反)

 

局数:5
違反の期間:平成29年4月4日~平成29年5月8日
違反の内容:総務大臣の許可を受けず、無線設備の変更の工事等を行った。
(電波法第17条違反)

 

局数:1
違反の期間:平成29年4月4日~平成29年5月8日
違反の内容:総務大臣の許可を受けず、無線設備の変更の工事等を行った。
(電波法第17条違反)

 

局数:1
違反の期間:令和元年9月6日~令和4年8月26日
違反の内容:総務大臣の許可を受けず、免許状に記載された通信の相手方の範囲を超えて無線局を運用した。
(電波法第52条違反)

 

局数:2
違反の期間:令和元年9月6日~令和2年4月10日
違反の内容:総務大臣の許可を受けず、免許状に記載された通信の相手方の範囲を超えて無線局を運用した。
(電波法第52条違反)

 

局数:2
違反の期間:令和元年9月6日~令和2年4月10日
違反の内容:総務大臣の許可を受けず、無線設備の変更工事を行い、免許状に記載されていない周波数を使用した。
(電波法第17条及び第53条違反)

 

※複数の違反に関係する無線局があるため、表中の局数の合計は違反に関係する無線局の数と一致しません。

 

 

【参考】電波法(抜粋)

 

電波法第4条
「無線局を開設しようとする者は、総務大臣の免許を受けなければならない。以下略」

 

電波法第17条
「免許人は、無線局の目的、通信の相手方、通信事項、放送事項、放送区域、無線設備の設置場所若しくは基幹放送の業務に用いられる電気通信設備を変更し、又は無線設備の変更の工事をしようとするときは、あらかじめ総務大臣の許可を受けなければならない。以下略」

 

電波法第52条
「無線局は、免許状に記載された目的又は通信の相手方若しくは通信事項(特定地上基幹放送局については放送事項)の範囲を超えて運用してはならない。以下略」

 

電波法第53条
「無線局を運用する場合においては、無線設備の設置場所、識別信号、電波の型式及び周波数は、その無線局の免許状又は第27条の22第一項の登録状(次条第一号及び第103条の2第四項第二号において「免許状等」という。)に記載されたところによらなければならない。以下略」

 

 

 

広島県河川課が公表した資料は以下のとおり(一部抜粋)。

 

 

1.要旨
 広島県水防テレメータシステムに係る無線局の電波法違反について、電波法を所管する総務省中国総合通信局(以下、通信局)から指導を受けた。なお、現在は電波法に則り適切に無線局の運用を行っている。

2.経緯
・令和4年8月26日に、2の無線局が免許取得の手続きを行わないまま運用していたことが判明したことを受けて、無線局の設置・撤去・許可申請手続きを委託した受注者へヒアリングするなどし、調査を行った。
・その結果、この度の違反行為に関連して対象となる無線局およびその行為の詳細が明らかになったことを踏まえ、通信局へ報告し、指導を受けることとなった。

 

3.指導の概要
(1)日時
 令和5年1月31日(火)11時30分
(2)方法
 中国総合通信局長から広島県知事宛ての指導文書を、通信局無線通信部長が土木建築局長へ手交。
(3)指導の内容
 広島県が管理する無線局(7局)の電波法に違反する行為について、今後、このようなことのないよう厳重に注意されたい。また、適切な管理体制を構築し、管理状況および再発防止策の実施状況を令和5年3月末までに報告すること。

 

5.原因
・工事に際し、県は電波法に関する手続きは、受注者によって適切に履行されていると思い込み、免許や許可の取得状況を十分に確認していなかった。
・また、受注者は無線機器を撤去または設置する際に、許可の取得状況を県に対して確認をせず、必要な手続きを怠ったまま工事を実施した。

 

 

 

●【電波法80条報告書ひな形付き】総合通信局へ“違法運用”を通報するための「報告書」の書き方から提出先まで

 

 

 

●関連リンク:
・中国総合通信局 広島県の電波法違反に対する指導
・広島県水防テレメータシステムに係る無線局の電波法違反について(広島県/PDF形式)
・広島県水防テレメータにおける電波法手続きの未申請事案について(広島県/PDF形式)
・広島県水防テレメータにおける電波法手続きの未申請事案について(第2報) (広島県/PDF形式)

 

 

 

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