現地時間で2023年2月6日の午前4時17分(日本時間:6日午前10時17分)頃、トルコ共和国の南東部でマグニチュード7.8の地震が発生。同国および周辺国で多数の死傷者が出ている模様だ。2月7日夕方の報道ではトルコと隣国のシリアで合わせて4,900人を超える死者が確認されたという。これに伴い現地ではアマチュア無線による非常通信が行われる可能性があり、トルコのアマチュア無線関係者は「28.540MHz」、IARU(国際アマチュア無線連合)第1地域は「3.777MHz、7.092MHz」を、それぞれクリアにしてほしいと呼び掛けている。
【追記:IARU第2地域でも3.777MHzと7.092MHzをクリアに】2023年2月8日(水)11時05分
米国ARRLの2月7日付け「ARRL NEWS」では、「IARU第1地域の緊急コーディネーター、特にこの地域の緊急通信コーディネーターであるGreg Mossop氏(G0DUB)によると、トルコでの通信は主にVHF帯で行われているが、トルコ語の交信が28.540MHzで聞こえている。 IARU第2地域(南北アメリカ)でも、緊急時に備えて3.777MHzおよび7.092MHzの周波数をクリアにして、何かあったときのための警戒を怠らないようにしてほしい」と伝えている。
また「シリアに関しては、アマチュア無線家が少ないと報告されているため、その国で使用されている周波数があるかどうかはわからない」とのことである。
・Emergency Communications Due to Earthquake in Turkey(ARRL NEWS)
QRZ.comのフォーラム欄に投稿された、トルコのTA1XX Ismail Cakir氏からのメッセージは次のとおり。

QRZ.comのフォーラム欄に投稿された、トルコのTA1XX Ismail Cakir氏からのメッセージ
「DEAR WORLD RADIO AMATEURS – DUE TO THE MASSIVE EARTHQUAKES IN TURKEY, 28.540MHZ (USB) FREQUENCY HAS BEEN DETERMINED AS A DISASTER COMMUNICATION FREQUENCY. PLEASE DO NOT BUSY THIS FREQUENCY. 73 TA1XX」
(日本語訳:親愛なる世界のアマチュア無線家の皆さんへ – トルコの大地震のため、28.540MHz(USB)が災害用通信周波数として決定されました。この周波数を使用しないようお願いします)
またIARUの第1地域は「TRAC(トルコのアマチュア無線連盟)の緊急通信グループは主にVHF/UHFで対応する予定ですが、必要に応じて3.777MHzと7.092MHzも使用する予定です。アマチュア無線家は、これらの周波数を緊急トラフィックに譲るようお願いします」という趣旨の告知を掲載した。

IARU第1地域の告知より
3.777MHzは日本のアマチュア無線バンド外だが、7.092MHzと28.540MHzの2波はJAで発射した電波も時間帯やコンディションによってはトルコへ到達する。非常通信の妨げにならないようクリアにすることを心掛けたい。
●関連リンク:
・Turkey EARTHQUAKE – please keep 28.540 clear for communications(QRZ.comフォーラム)
・Türkiye Earthquake 6/February/2023(IARU第1地域)
・トルコのアマチュア無線連盟「TRAC」公式サイト
・Emergency Communications Due to Earthquake in Turkey (ARRL NEWS)
・トルコの地震で非常通信(混信を与えないよう注意してください)(JARL Web 2月8日)
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