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< “創立後初めてと言ってよい不本意な悲しくも残念な事件” >昔あった「JARL会員除名事件」とは?

2024年6月23日に開催される一般社団法人 日本アマチュア無線連盟(JARL)の「第13回定時社員総会」で、前JARL会長の会員除名が議案として上程されることが決まり(6月1日付け記事参照)、SNSではさまざまな反応が見られるが、実は過去にJARL会員が実際に連盟を除名されたことがあった。JARLの50年史(1976年刊行)が「創立後初めてと言ってよい不本意な悲しくも残念な事件」と振り返っているこの除名事件を紹介しよう。

 

 

 

 

 hamlife.jp読者によると、JARL50年史「アマチュア無線のあゆみ」(1976年刊行)が「JARL創立後初めてと言ってよい不本意な悲しくも残念な事件」と振り返っているのは、1969(昭和44)年に5エリアの某局がJARL制定の「フォーンバンド」(※当時は法的拘束力はなかった)を長年守らずに運用し、再三の指導も受け入れなかったことを理由として行われた会員除名だという。

 

 当時発行されたJARL機関紙には、この除名が苦渋の決断だったことをにじませる公示が掲載されている。以下はその一部である(太字は見出し。元記事では除名会員のコールサインと氏名も記載されているが、ここでは伏せ字にした)。

 


 

JA5***の除名を発表
フォーンバンド常習違反

 

 JA5*** ○○氏には、JARL制定のフォーンバンドを守ってもらえないので、ここ数年間にわたり気永く協力を依頼して参りました。監視委員からは70数回にわたり注意ハガキを送り、また梶井前会長時代に会長から説得もしてみましたが一向にご協力の意志がありませんでした。

 

 これでは一般会員に対する迷惑も多大であり、制度を破壊する行為なので、昭和43年9月28日開催の監視委員会で審議の結果、モニター局からのハガキによる注意では指導の限界にきているので今後の措置については理事会にはかることと決定しました。これを受けた理事会では、10月5日の第92回理事会で、会長名のフォーンバンドを守ってほしいという文書を持って監査指導委員が話し合ってみる。それでも協力が得られなければ、除名処置も考慮することに決定されました。

 

 そこで11月26日付の会長の文書を持って、県連所長、地域クラブ会長ほか数名が協力をお願いしましたが、従来からの意見を主張するのみで、我々の説明も理解して頂けなかったと監査長から報告されました。理事会としましても、除名という最後の手段は、なんとしても避けたく極力いろいろと手を尽しましたが、ことここに至っては万策尽きた感があり、昭和44年2月8日開催の第98回理事会で、それでも何か他に方法はないかと慎重審議をしましたが、除名手続きをとることに決定されました。

 

弁明も拒否
 定款第17条第2項に被除名者は理事会・評議員会に出席して、弁明することができると規定されておりますので、3月31日付の文書で5月24日の理事会・評議員会に出席して頂くよう照会をしましたが、何らの意志表示がありませんでした。意志表示の無い場合は弁明を拒否されたと判断しますと明記した文書を出してあり、理事会は弁明も拒否されたと判断し第20回評議員会に定款第17条第1項の規定により諮問して賛成多数で除名が決定されたのであります。

 

 このような不本意な処置をしなければならないということは悲しいことであり、非常に残念なことでありますが、以上の経緯により除名となりましたのでここに公示致します。

 

JA5***局の主張
①法的に守らねばならぬすじ合いはない。JARLが勝手にきめたものである。
②フォーンバンドが7Mcだと3:7の割合で不当である。
③自分は会員であるが、この件で除名されてもかまわない。

 

(「JARL NEWS」第480号 昭和44年6月17日発行より抜粋/読者提供)

 


 

 なお、当時のJARL(社団法人 日本アマチュア無線連盟)の定款では、会員除名は理事会で審議の上で評議員会に諮問を行い、その採決で行えることが規定されていたが、一般社団法人に移行した現在のJARLでは、会員除名は下記のように規定され「社員総会において総社員の半数以上であって、総社員の議決権の3分の2以上の決議」が必要となっている。

 

現在のJARL定款より、会員除名に関する部分を抜粋

 

 

 本件の情報をお寄せいただいた読者の方にお礼申し上げます(hamlife.jp)

 

 

<追記>
 1987(昭和62)年には、現職のJARL理事が中国(チベット自治区ラサ市)から行ったアマチュア無線運用が中国当局の正式許可を受けなかった不法運用とされ、JARLが除名調査委員会を設置。翌年11月に同理事を除名した。
 その後、同理事が処分無効確認などを求めて東京地裁に提訴、6年半にわたる裁判を経て最高裁で除名処分の無効確認を含む内容で双方が和解するという、いわゆる「ラサ事件」も起きている。

 

 

こちらの記事も参考に↓
<合計12議題を審議、定時社員総会に上程する議案等を決定>JARL、第72回理事会報告を会員専用ページに掲載

 

 

 

●関連リンク:JARL定款 PDF(会員除名に関しては3ページ目に掲載)

 

 

 

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