八重洲無線株式会社は2024年8月24日(土)に始まった「ハムフェア2024」の会場で、HF~430MHz帯のオールモード(C4FMデジタルを含む)に対応した新型ポータブル機「FTX-1F」を参考出品した。2波同時受信が可能で、大容量バッテリーパックを装着しての長時間運用(最大6W出力、外部DC電源使用時は最大10W)に対応。さらにオプションで背面に装着できるオートアンテナチューナーやクーリングファンなども用意される。サイズはhamlife.jpの簡易実測で210W×52D×72Hmm。
八重洲無線は2000年8月のハムフェア会場でHF~430MHz帯のポータブル機(5W出力)「FT-817」を発表。2018年2月にはバッテリー容量をアップし、最大出力を6Wにしたリニューアルモデル「FT-818ND」を発表、“オールバンド・オールモードのポータブル機”というジャンルを長く牽引してきた。しかしFT-818NDは2023年1月に部品入手困難を理由に生産完了を発表、その後は後継機種の発表が行われていない状態だった。
今回ハムフェア2024の会場で発表された「FTX-1F」は、HF~430MHz帯をC4FMデジタルを含むオールモードでカバーし、2波同時受信にも対応した製品で、八重洲無線ファンにとっては待望のポータブル機となった。
【ハムフェア2024】<動画リポート>八重洲無線「FTX-1F」最強のポータブル機を電撃発表!
FTX-1Fの主な特徴は次のとおり。
◆八重洲無線「FTX-1F」の特徴
・SDR技術を利用したポータブルトランシーバー
・HF~430MHz帯をSSB/CW/AM/FM/C4FMデジタルで運用可能
・APRSにもフル対応
・2波完全同時受信回路を採用、HF帯でSSB運用をしながら、VHFやUHF帯でローカル局とC4FM引用など多彩な運用が可能
・背面にBNCアンテナコネクタを2つ装備。①HF/50MHz帯用、②144/430MHz帯用
・5670mAhのリチウムイオンバッテリーパックの装着で、SSBモードで9時間、FMモードで8時間(送信6秒、受信6票、待受48秒で計測)の6W出力運用が可能。外部電源使用時は10W出力に
・周波数をX軸、信号強度をY軸、時間をZ軸としてバンド内の情報を立体的に表示する「3DSS(3次元スペクトラム・ストリーム)」を搭載
・4.3インチの高解像度フルカラータッチディスプレイ搭載
・2つのスピーカー(30×50mmと25×40mm)をパネル背面に設置したダクト方式を採用、フロントパネルから高音質で十分な音量を再生
・オプションのオートアンテナチューナーを背面に取り付け可能
・FT8を快適に運用するため、オプションのクーリングファンを背面に取り付け可能
・RFフロントエンドと低雑音の基準発振器により、驚異的な多信号特性を実現
・高分解能A/DコンバータとFPGA端子によるSDR受信回路の高性能化
・高速32ビットIF DSPによる効果的な混信除去機能
・ USB端子はCAT操作、音声入出力、TXコントロールに対応(=FT8運用時のPC連携に便利)
フロントパネルのデザインは最高級モービル機「FTM-500D」、可搬型で大型バッテリーやアンテナチューナーが装着できるというコンセプトは、2002年から2014年まで生産された「FT-897Dシリーズ」を連想させる。価格は未定、発売時期は2025年初頭とのことだ。登場を楽しみに待ちたい。
●関連リンク:
・【ハムフェア2024】<動画リポート>八重洲無線「FTX-1F」最強のポータブル機を電撃発表!(YouTube/hamlife.jpチャンネル)
・八重洲無線(8月24日現在、この製品の情報は掲載されていない)
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