「ダイヤモンドアンテナ」のブランドで知られるアンテナメーカー、第一電波工業株式会社から351MHz帯デジタル簡易無線(登録局)用ハンディアンテナの新製品「SRH350RR」の出荷がいよいよ始まった。10段ロッド式エレメントを採用し使用時の全長は約115cm、利得はこのカテゴリーで最大となる5.15dBiをマークしたという注目のアンテナをhamlife.jpスタッフもさっそく入手してみた。
第一電波工業はアマチュア無線用だけでなく、351MHz帯のデジタル簡易無線(登録局)用アンテナも多数発売しているが、このほどライセンスフリー無線ファンに待望の1本がラインアップに追加された。それが「SRH350RR」(メーカー希望小売価格:税込10,780円)だ。
10段ロッド式のエレメントは持ち運び時は最小24cm、使用時はエレメントを伸ばして約115cmになる。総重量は95gでコネクタはSMAを使用。一見するとアマチュア無線用の144/430MHz帯用ロッドアンテナ「SRH770」に似ているが、SRH350RRの方が最小時で3cm、使用時で24cmほど長い。
最大のポイントは、このカテゴリーで最大となる「5.15dBi」という利得だ。アンテナの型式は1/2λ×2段コリニアのノンラジアルタイプだという。第一電波工業の351MHz帯デジタル簡易無線(登録局)用アンテナとしては最大クラスの利得(基地局用を除く)を達成している。
出荷が始まったばかりのSRH350RRをさっそく入手。アルインコのデジ簡ハンディ機「DJ-DPS70」(30ch機)に接続して、郊外の公園へ持ち出してみることにした。念のためアルインコのホームページにある「DJ-DPS70で使えるアンテナのリスト」で確認したところ、“単一型1/2λ2段で利得5.15dBiの垂直無指向性アンテナ” がリストにしっかり掲載されていたので法的にも問題なく使える。
公園でアンテナを伸ばしてみた第一印象は「メチャ長い!」。DJ-DPS70に付属してくるアンテナ(EA-247、約10.4cm)の11倍以上の長さがある。撮影のためにテーブルに立ててみたが、重心が高くなるため少し強い風が吹くと無線機ごと倒れそうになる。もしテーブルから落下した場合、アンテナコネクタ部分にかかる衝撃で無線機本体を傷める可能性もあるので、フィールド運用の場合は倒れにくくする工夫が欠かせないだろう。
平日昼間の公園でSRH350RRを接続してバンド内をモニターすると、多くのチャンネルで交信(業務連絡系ばかり)が聞こえてきて賑やかだ。しかしDJ-DPS70の付属アンテナに取り替えると、バンド内は一転として閑散としてしまう。
そんな中、27chで近所の企業らしき交信が付属アンテナでもS5~6程度の強さ(DJ-DPS70のバーグラフで測定)で聞こえてきた。すぐにSRH350RRに取り替えてみたところSメーターは9まで振り切った。
19chでは、DJ-DPS70の付属アンテナではほとんど復調できない微弱な信号が出ていたが、SRH350RRに取り替えるとSメーターは5~6まで振れ、問題なくメリット5で入感するようになった。交信内容から15kmぐらい離れた施設付近で使っていたようだ。
SRH350RRは間違いなく、デジ簡の飛距離アップに効果があるアンテナであることを実感。遠距離交信に欠かせない1本だろう。しかしその利得の高さゆえ、ロケーションの良い場所で使うと空きチャンネル探しに苦労することになるかもしれない。またロッドエレメントを伸ばして手持ち運用をしていると、近くを通る人の邪魔にならないか、周囲の樹木に引っかからないかが気になった。
フィールド運用時はSRH350RRと無線機の付属アンテナの他にもう一本、“そこそこの長さ” で “そこそこの利得” のアンテナが欲しくなりそうだ。幸いにも第一電波工業の豊富なデジ簡用アンテナのラインアップから探すのは容易である。
SRH350RRはこちらの記事も参考に。
<伸ばすと全長1.15m、このカテゴリーで最大の利得「5.15dBi」を実現>第一電波工業、351MHz帯デジタル簡易無線用ハンディアンテナ「SRH350RR」を新発売
●関連リンク:
・第一電波工業
・デジタル簡易無線用アンテナ(第一電波工業)※11月29日現在、SRH350RRは未掲載
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