アマチュア無線機器メーカー各社が加盟する業界団体の「日本アマチュア無線機器工業会(JAIA)」は2025年5月22日、東京都武蔵野市で第55回定時総会を開催した。今年は2年に1回行われる役員改選がない年で、令和6年度の事業報告と決算案、令和7年度の事業計画と予算案などが審議され、いずれも原案通り承認可決された。

第55回定時総会後の記念撮影(代表撮影)
日本アマチュア無線機器工業会(JAIA)は、1971(昭和46)年に発足したアマチュア無線機器メーカーの業界団体だ。令和7年度は、五十音順にアイコム、アツデン、アルインコ、アンテナテクノロジー、エーオーアール、コメット、JVCケンウッド、第一電波工業、ルソージャパンの9社が会員として加盟している(八重洲無線は現在加盟していない)。毎年夏に「ハムフェア」会場でJAIA技術委員会が行う技術講演をはじめ、マイクロホンの共通仕様策定や、SD会議メンバーとして参画するなど、アマチュア無線業界発展のためにさまざまな活動を行っている。
JAIAは毎年1回、会員各社が集まって定時総会を開催しているが、このほど5月22日に東京都武蔵野市のホテルで第55回定時総会が開かれ、令和6年度(第54期)の事業報告と決算案、令和7年度(第55期)の事業計画と予算案などを審議し、原案通り承認可決された。なお役員改選は2年に1度と規定されており、今回の定時総会では改選は行われなかった。
終了後には懇親会が開かれ、業界関係者ら約30名が出席。冒頭で挨拶に立った鈴木JAIA会長(株式会社JVCケンウッド 取締役専務執行役員)は次のように述べた(要旨)。

鈴木JAIA会長
『先日、万博会場を訪れる機会があり、8K3EXPOの運用ブースにお邪魔した。すでに多数の局と交信しているそうで、関係者の皆さんの努力と熱意に感銘を受けた。
現在JAIAでは、HF帯が受信できる受信機(ラジオ)キットを用意し、子供たちに向けた体験教室を通じて “電波の楽しさ” を経験してもらいたいと考えている。キットはなるべく簡単で、いま主流のICでデジタル処理したものを考えていて、すでに(JVCケンウッドで)試作を始めている。アンテナなどの周辺機材はJAIA会員各社にお願いする予定だ。小中学校の教材として先生方に指導していただきながら組み立ててもらうことも考えている。キットを使った体験教室の開催時には広くPRを行っていきたい。
またJARLは来年(2026年)に創立100周年、さらに2027年には日本のアマチュア無線が100年を迎える。いろいろな記念の催しが行われると思うので、JAIAも惜しみなく協力し盛り上げていきたい』
また来賓として出席した一般社団法人 日本アマチュア無線連盟(JARL)の山内常務理事は、所用で出席できなかった森田JARL会長からの祝辞を代読した(以下は祝辞の要旨)。

山内JARL常任理事が森田JARL会長の祝辞を代読
『本日は日本アマチュア無線機器工業会の第55回定時総会が盛会に行われましたことをお祝い申し上げます。日頃より鈴木会長をはじめ、JAIAの皆様には、アマチュア無線ならびにJARLへのご支援とご協力を賜り厚く御礼申し上げます。
来年2026年にはJARLが100周年、その翌年2027年にはアマチュア無線100周年を迎えます。JARLとしても、本年から100周年に向けての広報やプレイベントを進め、2026年6月から2027年9月までの期間を、アマチュア無線を世間にアピールする絶好の機会として捉え、さまざまな行事を行ってまいります。
イベントを通じ、1人でも多くの仲間を増やし、アマチュア無線の楽しさと有用性、存在価値を広くアピールし、アマチュア無線の社会的地位、知名度の向上を図るべく活動してまいりますので、引き続きご支援ご協力のほどをよろしくお願いいたします。
JAIAならびに加盟企業の皆様におかれましては、ぜひともこれらのイベントにご参加ご協力をいただき、アマチュア無線の魅力価値を高めるために、共に活動していただくようにお願いいたします』
さらに一般財団法人 日本アマチュア無線振興協会(JARD)の三木会長が乾杯の発声を行い、懇親会がスタートした。

懇親会で乾杯の発声を行う三木JARD会長

懇親会の模様
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