一般社団法人 日本アマチュア無線連盟(JARL)は2025年11月22日(土)と23日(日)の2日間、連盟会議室とWeb会議で第83回理事会を開催、その報告をJARL Webの会員専用ページで公開した。理事会報告の閲覧はJARL会員のみでコールサインと登録したパスワードが必要となる。
JARL Webの会員専用ページに掲載された第83回理事会報告によると、今回は次の11議題が上程された。
<議題>
第1号議題 令和8年度地方本部費の配分について
第2号議題 令和8年度連盟行事予定について
第3号議題 QSLビューローについて
第4号議題 令和8・9年度の推薦理事・監事の人数について
第5号議題 電子投票(WEB投票)導入にともなう選挙規程の一部改正について
第6号議題 「覚書事項」の改正について
第7号議題 連盟表彰について
第8号議題 JARL版電子QSLシステムの今後の計画について
第9号議題 海外イベントへのJARLブースの出展について
第10号議題 2027年国際園芸博覧会記念局実行委員会の設置について
第11号議題 事務局職員就業規則に関連する規定の件
主要議題の概要は次のとおり。
★第2号議題「令和8年度連盟行事予定について」、第9号議題「海外イベントへのJARLブースの出展について」
令和8年度のJARL行事日程と海外イベントへのJARLブース出展を審議。「ハムフェア2026(第48回アマチュア無線フェスティバル)」の開催日は2026年8月29日(土)と30日(日)の2日間で、会場は前回同様「有明GYM-EX」とするなど、各日程が全員の賛成で承認された。
★第3号議題「QSLビューローについて」
現在のQSLビューローとの契約が2026年1月末で終了することに伴い、新たなQSLビューローの受託業者の募集を行った結果、3社から提案書の提出があった旨の説明を森田会長が行った。
従量制(※注)を原則とした1枚当たりの価格と、できるだけ遅滞なく実施できることを前提とした場合、このうちの1社が最も条件に合うので同社を選定したいと提案。
(※注:ここで言う「従量制」とは、新会社が行う転送作業に対してJARLが支払う金額の算定方法のことで、一般会員のQSLカード転送が従量制の課金に変更されるという意味ではない。現在JARLがQSLビューロー業務を委託している島根県の会社とは、毎月の転送作業枚数に関わらず一定額が支払われる契約になっていて、転送枚数の減少や遅延があっても同額が支払われていることに疑問の声があった。なお理事会報告の中では選定された新会社の社名等は明らかにしていない)
質疑の中で、この会社は現在のQSLビューローのシステム開発を実施した企業で、業務内容がよくわかっていること、初期費用として12月から2月の移行準備期間に月額400万円(計1,200万円)を初期費用として保証してほしいという要望があることが明かされた。審議の結果、初期費用の金額を敷金を含め1,200万円を上限として第3号議題の賛否を諮ったところ、賛成13名、反対1名で承認された。

新たにQSLビューロー業務を受託するのは、現在のQSLビューローで使われているシステム(QSL SYSTEM)を開発した企業だという(写真は「JARL NEWS」2019年夏号特集より)
★第5号議題「電子投票(WEB投票)導入にともなう選挙規程の一部改正について」
森田会長から提案のあったJARL通常選挙における「電子投票(WEB投票)」導入のための選挙規程の一部改正についてを審議。これまで紙の投票用紙の集計を行っていた業者が、機器の老朽化や社内体制の問題により選挙事務から撤退することになり、後継企業の検討を進めた結果、費用の大幅削減と社会全体のデジタル化の流れの中で、投票方法をWebサイトを使用した「電子投票」とすることとし、これに伴い選挙規程の一部を改正することを提案。審議の結果、賛成11名、反対3名で承認された。
★第7号議題「連盟表彰について」
「関西・大阪万博記念局運営者の連盟表彰」と「人命救助に対する連盟表彰」についてを審議。このうち関西・大阪万博記念局は、会期中にのべ約8万局と交信、体験運用を2,600件行い、特別記念局を成功に導き、体験運用を通じて広くアマチュア無線を紹介し、一般市民や青少年にアマチュア無線の魅力を広く伝え、科学技術や無線技術への関心、アマチュア無線への興味を与えるとともに次世代育成にも寄与するなどの功労を評価。
また「人命救助に対する連盟表彰」では、6月9日に青森県中泊町にて発生した遭難事故において、遭難者がアマチュア無線を通じた救助要請を行い、これを受信した当該JARL会員が関係機関へ通報を行い、救助に至るまでの間においても交信を続け、遭難者を励ますとともに状況の把握を行い、関係機関との連携を図り人命救助に貢献。尊い人命を守るという素晴らしい行為であることから表彰が適当とし、どちらも決議参加者全員の賛成で承認された。
★第8号議題「JARL版電子QSLシステムの今後の計画について」
JARLが独自に開発を進めている「電子QSLシステム」の今後についてを審議。現状のサーバー型のシステムで作られたモックアップの仕様で業者に開発を委託すると、開発費用が3,000万円から3,800万円となり、データベースが大規模となるため、専門家にデータベース設計を依頼することで上振れするとの説明があった。
出席理事からは、要件定義前にも関わらず費用が高額で実際の開発にいくら掛かるのかという懸念、ハムログhQSLと比較した場合の優位性への疑問、サーバーで保管するQSO数が増えれば費用が増加する不安、電子QSLの意義、サーバー型ではなくクライアント型のシステムを再検討する必要があるなど、さまざまな意見が出た。審議の結果「サーバー型のシステムをすすめる」ということに賛否を諮ったところ賛成3名、反対12名で否決となった。
◇
なお今回の「第83回理事会報告」の巻末には資料として「ハムフェア2025開催結果報告書」も掲載されている。ハムフェア2025の詳しい総括とともに、入場券、出展者証の販売数および売上金額、スタッフ証等の配布数などの実データも掲載されている興味深いものだ。
理事会報告の報告事項によると、2024年の「ハムフェア2024」は約210万円の支出超過(赤字)であったが、2025年の「ハムフェア2025」は約200万円の収入超過(黒字)と大幅な収支改善が実現したという。
第83回理事会報告の内容は、下記関連リンクのJARL会員専用ページ(要ID、パスワード)からPDF形式で閲覧できる。
こちらの記事も参考に(2025年10月11日掲載)↓
<現在のQSLビューロー(島根県)は来年1月末で契約終了>JARL、公式サイトで「QSLカードの送付先について」を告知
(2025年7月3日掲載)
<アマチュア無線での救助要請に貢献した棟方さん(JN7HNA)に感謝状>本人から救助に至る経緯から「非常通信実施報告書」作成までの手記(時系列)がhamlife.jpに届く
●関連リンク:第83回理事会報告(JARL Web 会員専用ページ ※要・登録パスワード)
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