和文電信をこよなく愛するJE3QDZ(吉村氏)が、2024年から製作・頒布を行っている8チャンネル(4チャンネル×2バンク)多機能メモリーキーヤー「QDZKeyer」。電信ファンならご存じの方も多いのではないだろうか。すでに約300台が頒布され、多くの無線家から高評価を得ている多機能メモリーキーヤーの1つだ。日々バージョンアップを重ね、最新版には「シリアルキーイング機能」が追加され、2025年7月にリリース。1台1台手作りのため、一度に多くを頒布することができないなか、2026年2月に「頒布のお知らせ」があったので紹介しよう。頒布価格は本体と外部スピーカーのセット5,000円+送料600円(仕様や価格は予告なく変更あり)。過去に頒布した製品のバージョンアップも無料(ただし本体の往復送料は自己負担)で受け付けているとしている。
8チャンネル(4チャンネル×2バンク)のメッセージメモリー機能を持つ「QDZKeyer」。複数の定型文(CQなど)を記憶して、ワンタッチで送信できる。初期は4チャンネルのメモリーだったが、要望に応える形で、現在は8チャンネル仕様に進化した。
また、パドル操作から自動的に適切な「・(トン)」や「-(ツー)」を生成でき、正確で安定した符号送信が可能だ。エレバグ(短点はエレキーが自動で生成し、長点はオペレーターがパドルを操作して手動で送出)では、トンとツーのあと、自動的に適切な間隔(スペース)を入れてくれる「オートスペース機能」で、より正確な符号生成を助けてくれる。この機能をオフにして「機械式バグ」のような動作にも切り替えることもできる。
エレバグはスクイズキーにも対応。特定動作時のフィーリング(長点の遅延など)を細かく調整できるようにバージョンアップが繰り返されている。
パソコンとUSB Type-Cケーブルで接続して、ターミナルソフト(Tera Termなど)から各種パラメータ(長短点比率、メモリー内容、その他の設定)をコマンド入力で変更できるなど、電信ファンにとって“痒い所に手が届く”たくさんの機能がある。
吉村氏に、「QDZKeyer」開発や製作に至った経緯、ご苦労された点などをお聞きした。
「現在、京都CW愛好会で『初級CW QSO教室』の実行委員を担当しています。同教室を担当するにあたり、参加者が全員音を出して実習するスタイルを考えました。そこで、当初はモールス練習用発振器を開発して実習をしていました。
しかし、参加者の中にはパドルを持参される方がいらっしゃることから、2024年春にQSO教室用キーヤーを開発しました。
このキーヤーは、メモリー機能のないシンプルなものですが、無線機に接続して実戦にも使え、サイドトーンは正弦波に近くポップノイズを抑えた音なので、練習でも耳に優しい音が特徴です。
このときの発展で、より実践的なキーヤーとして2024年夏に「QDZKeyer」の4チャンネルメモリーキーヤーを開発しました。ユーザーのご意見も聞きながらバージョンアップを重ねて、現在の8チャンネルメモリーキーヤーへの進化していきました。
頒布をするためには部品の調達が安定することが重要なので、材料費は上がりますが、国内で調達できる部品を中心に選んで製作しています。自分が使いたい機能を実装して、買いたいと思える価格に設定しました。
『QDZKeyer』を初心者から電鍵でラグチューを楽しまれるベテラン、移動運用を楽しまれる方、コンテスターまで、幅広い方々に使っていただきたいです」。
今回頒布する、最新バージョンの8チャンネル多機能メモリーキーヤー「QDZKeyer」の特長について尋ねた。
「ストレートキーとパドルを同時に接続できます。エレキー、エレバグだけでなく、複式やメカバグ動作でラグチューを楽しくします。複式にはネバリ抑制機能も搭載しています。
サイドトーンは正弦波に近く、キーイング時のポップノイズを低減していますので聞き疲れしにくい音です。長短点比の調整は長点だけでなく、短点側も調整できますので、符号の個性の幅を広げます。短点側の調整はメカバグ動作と組み合わせるとさらにリアルに再現できると思います。
さらに、メモリーやキーボード送信、打鍵符号解読は和文対応です。
電源は単四乾電池(ニッケル水素充電池)3本 または、USB Type-Cケーブルから5V電源が使用可能です。パソコンにUSB Type-Cケーブルで接続して、各種設定や動作が可能です。メモリー登録は、本体操作以外にパソコンから8チャンネルを一気に登録することもできるので、運用シーンに合わせてメモリー内容を簡単に変更できます。
打鍵符号のデコードやスピード・長短点比の表示で自分の符号の質を確認でききたり、キーボードで打った文字を符号に変換して送信できます。シリアルキーイング(CTESTWINなどシリアル信号によるキーイング)が可能です。
そのほか、補助機能はとして以下のようなものがあります。
・オートスリープタイマーで電源切り忘れによる電池消耗を防止します。
・タイムアウトタイマーで電鍵の故障などによる連続送信を防止します。
・エレキー(IAMBIC-B)は長短点メモリーポイントを調整できます。
・連続8短点リミッター は訂正符号[HH]送信を容易にします。
・スピード上下限設定でボリュームの可動範囲を普段使うスピード範囲にして調整しやすくできます。
そのほか、打鍵フィーリングを微妙に調整する機能もあります」。
Windows版のコンテスト用ロギングソフトウェア(ログ管理ソフト)「CTESTWIN」との相性も良く、ブログ「Le Cahier de JE1NGI」には「QDZKeyer購入」というタイトルで、「購入に当たって、特に注目したのは、シリアルキーイング機能です。これがあると、CTESTWINからのキーイングが可能になります。QDZKeyer自体に合計8チャンネルのメモリーがあり、このメモリーからのキーイングも可能ですし、接続してあるパドルからのキーイングも可能です。この3つの方法が同時に使えるというのは非常に便利です。というのは、CTESTWINでのキーイングが何らかのPCトラブルなどで動かなくなったときでも、QDZKeyerのメモリーから、あるいは、パドルからのキーイングで、送信を途絶えさせることなくオペレートできるからです」と紹介している。
注文はメールで受け付ける。今回の頒布価格は本体と外部スピーカーの1セットで、5,000円+送料600円(記事下の「関連リンク」から「QDZKeyer 8CHメモリーキーヤー頒布のお知らせ」を確認)。
また、過去バージョンについては、バージョンアップのサービスを実施している。バージョンアップ自体は無料だが、本体送付時の往復送料は自己負担で行うこと。詳細などは、事前に確認してほしい。
●関連リンク:
・QDZKeyer 8CHメモリーキーヤー頒布のお知らせ(QDZLAB)
・QDZKeyer 8CHメモリーキーヤー取扱説明書(QDZLAB)
・QDZKeyer 8CHメモリーキーヤー バージョンアップのお知らせ(QDZLAB)
・JE3QDZ / YOSI(X/旧Twitter)
・QDZKeyer(アマチュア無線局 JF0RRHブログ)
・QDZKeyer購入(Le Cahier de JE1NGI)
●いったん広告です:










