日本のアマチュア局が一次業務(一次分配)で使用できる430MHz帯アマチュアバンド内に、空中線電力 EIRP 1mW以下の「タイヤ空気圧モニタリングシステム(TPMS)」と「リモートキーレスエントリシステム(RKE)」の二次分配で、共用範囲を約7倍に広げた制度整備を総務省が進めているなかで、新たな動きがあった。既報(2026年1月8日記事)のとおり、2025年7月22日の日米間の枠組み合意に関連し、米国で製造され、かつ、米国で安全が認証された乗用車について、日本国内での販売のため追加試験なしで受入れなどの背景から、433MHz帯での共用範囲を約7倍(433.05MHz~434.79MHzの範囲)に広げた制度整備(改訂版案)を公表し意見募集を行った。その結果、期間中にJARLやアマチュア無線家などから181件の意見が提出された。今回はこうした意見を踏まえた一部答申(改訂版)を情報通信審議会が総務省に提出したことを受け、総務省が「自動車の国際的な流通拡大への対応のための制度整備」として再び2026年4月3日(金)から5月7日(木)まで意見募集を実施することになった。前回の意見募集でこの改定に賛成・反対の意見を提出した人も、もう一度意見表明ができる貴重な機会となる。
今年(2026年)1月下旬から2月に行われた前回の意見募集では、一般社団法人 日本アマチュア連盟連盟(JARL)や一般社団法人 電波教育協会のほか、個人120件、匿名59件から合計181件の意見が提出された。それに対して陸上無線通信委員会の考え方が3月27日に公表されている。
集まった意見は「アマチュア無線に対する干渉への懸念」「人材育成・アマチュア文化の保護を訴える意見」「アマチュア無線と TPMS/RKE の業務差」「TPMS/RKE への干渉、誤動作等への懸念」「国際的整合性・経済的必要性」「他の帯域を使用するべきとの意見」「手続・検討プロセスに対する不満」「技術基準不適合設備の流通リスク等」「430MHz帯は空いており有効活用すべき」などで、その多くは反対や懸念するものだったが、改めて本件の関心の高さがわかった。
提出された意見と陸上無線通信委員会の考え方は、記事下の「関連リンク」から「陸上無線通信委員会報告(案)」に対して提出された意見と意見に対する陸上無線通信委員会の考え方(PDF形式)」で確認できる。
これらの意見を受けた情報通信審議会は、総務省へ「小電力の無線システムの高度化に必要な技術的条件」のうち「433MHz帯タイヤ空気圧モニタ及びリモートキーレスエントリに係る技術的条件(改訂版)」の一部答申を2026年4月2日に行った。
さらに同日、総務省は「433MHz帯タイヤ空気圧モニタ及びリモートキーレスエントリについては令和7年2月に制度化され国内導入されたところですが、自動車の国際的な流通拡大に対応するため、さらなる国際周波数協調の観点から、同システムの使用帯域の拡張等が求められています。こうした状況を踏まえ、情報通信審議会において技術的条件の検討が進められてきたところ、本日、情報通信審議会から433MHz帯タイヤ空気圧モニタ及びリモートキーレスエントリの帯域拡張等に係る技術的条件について一部答申を受けました」と発表。「情報通信審議会 情報通信技術分科会陸上無線通信委員会 報告」の資料の中に、「アマチュア業務との共用に当たっての留意事項」という項目が新たに加わった。
そして同日に「自動車の国際的な流通拡大への対応のための制度整備」とする「電波法施行規則(昭和25年電波監理委員会規則第14号)等の一部を改正する省令案」を公表。2026年4月3日(金)から5月7日(木)まで意見募集が行われている。
前回の意見募集は「委員会報告案に対するもの」で、今回の意見募集は「法令改正案に対するもの」だ。前回の意見募集の際に賛成・反対の意見を提出した人も、もう一度意見表明ができる貴重な機会となる。
なお、総務省は「自動車の国際的な流通拡大に対応するため、必要な環境整備について検討を実施してきました。この中で、433MHz帯タイヤ空気圧モニタ及びリモートキーレスエントリについて、更なる国際周波数協調の観点から、同システムの使用帯域の拡張等について検討を行い、今般、情報通信審議会(会長:遠藤 信博 日本電気株式会社特別顧問)から、433MHz帯タイヤ空気圧モニタ及びリモートキーレスエントリに係る技術的条件の改訂について一部答申がなされました」「また、近年、コネクテッドカーの普及や自動運転技術、車内LAN等の種々の無線技術の導入の進展に伴い、タイヤ空気圧モニタ及びリモートキーレスエントリを始めとする自動車に搭載される無線設備が多様化しており、無線設備の工事設計認証に係る手続の迅速化・負担軽減を図ることが求められています」「今般、これらに対応するために必要な制度整備を行うため、電波法施行規則等の一部を改正する省令案等を作成しましたので、当該改正案に対して意見募集を行います」と説明している。
今後、総務省は「本一部答申を踏まえ、関係規定の整備等を行う予定です」とのことだ。なお、JJ1WTL・本林良太氏のブログ(CIC)で詳しく考察している。詳しくは記事下の「関連リンク」から確認してほしい。
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<タイヤ空気圧モニタとキーレスエントリシステム>総務省が433MHz帯(アマチュアバンド)での共用範囲を約7倍に広げた制度整備(改訂版)案を新たに公表し2月26日(木)まで意見募集
●関連リンク:
・総務省 陸上無線通信委員会報告(案)に対する意見募集の結果
・総務省 「小電力の無線システムの高度化に必要な技術的条件」のうち「433MHz帯タイ空気圧モニタ及びリモートキーレスエントリに係る技術的条件(改訂版)」―情報通信審議会からの一部答申―
・総務省 電波法施行規則等の一部を改正する省令案等に係る意見募集-自動車の国際的な流通拡大への対応のための制度整備-
・パブコメ募集:433MHz帯TPMS/RKE,拡幅(CIC:JJ1WTL 本林氏のブログ)
・パブコメ募集結果:433MHz帯TPMS/RKE,拡幅(CIC:JJ1WTL 本林氏のブログ)
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