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<5月5日の「こどもの日特別運用2026」>JARL中央局(JA1RL)に集まった小学生10名、南極昭和基地の「8J1RL」とD-STAR経由で交信

2026年5月5日(火・祝)の「こどもの日」、南極昭和基地のJARL局「8J1RL」が、日本の18歳以下のアマチュア無線局と優先的に交信する恒例のイベント「こどもの日特別運用」が行われた。東京都豊島区の一般社団法人 日本アマチュア無線連盟(JARL)事務局には公募で選ばれた小学生10名(3アマ2名、4アマ1名、体験運用者7名)が集まり、JARL中央局「JA1RL」の無線設備を使って約1万4,000km離れた8J1RLとの交信に挑戦した。しかし今年は前日に発生した磁気嵐の影響で、14/21/28MHz帯のどのバンドでもお互いの信号が確認できず、D-STARを利用したVoIP通信で交信を行った。(取材協力:JARL)

 

 

南極昭和基地(8J1RL)との交信チャレンジに参加した小学生10名と森田JARL会長の集合写真

 

 

 2026年5月5日(火・祝)、第67次日本南極地域観測隊(越冬隊)による南極昭和基地のJARL局「8J1RL」が、日本国内の小・中・高校生を優先して交信する「こどもの日特別運用」が行われた。当日は、東京都豊島区南大塚にある一般社団法人 日本アマチュア無線連盟(JARL)事務局に、公募で選ばれた小学1年生から6年生までの10人が訪れ、保護者や関係者が見守る中、JARL中央局「JA1RL」の無線設備で南極との交信に挑戦した。

 

小学校1年生から6年生まで10名の子供たち(4アマ1名、3アマ2名、無資格の体験運用者7名。学年別では1年生:2名、2年生:1名、3年生:2名、4年生:1名、5年生:2名、6年生:2名)がJARL事務局の会議室に集まった

 

 今年のJARL中央局からの交信チャレンジは、昨年同様16時10分が集合時間となった。16時27分、会議室に集まった参加者を前に森田耕司JARL会長(JA5SUD)が「南極はすごく寒く、太陽も射さないような天候が続く過酷な場所です。皆さんが普段経験できないような場所と電波を使って交信するということは、アマチュア無線でしか味わえないものです。今日は隊員の皆さんと交信して、皆さんが普段思っていることを質問すれば、きっと隊員の皆さんから答えが返ってくると思います。貴重な体験を楽しんでください」と挨拶。

 

 続いて今回の交信イベントをサポートするJA1RL運用委員、南極OB会アマチュア無線クラブのメンバー紹介と、参加する子供たちの自己紹介が行われた。

 

挨拶をする森田JARL会長(JA5SUD)

交信イベントをサポートするJA1RL運用委員の皆さん。5日は午前中から準備を行い、さらにJARL中央局のシャックでPR運用を行った

南極OB会アマチュア無線クラブの田中さん(JO1OKK)と会長の小林さん(JR1FVH)

 

 続いて、南極OB会アマチュア無線クラブの田中さん(JO1OKK)が、南極観測の業務や南極での生活についてを動画を交えながら紹介。田中さんは第67次南極地域観測隊の夏隊に参加し、4月に帰国したばかりだという。さらにJA1RL運用委員の新谷さん(7K2GMJ)から、南極との電波伝搬や交信方法のレクチャーがあった。

 

南極OB会アマチュア無線クラブの田中さん(JO1OKK)が南極観測や昭和基地での生活を説明

JA1RL運用委員の新谷さん(7K2GMJ)が、南極との電波伝搬や交信方法をレクチャー

JA1RL運用委員の田仲さん(JH1HST)がマイクロホンのPTTの操作方法を説明

子供たちは交代でハンドマイクを握り、PTTを押して話す練習をした

 

 17時54分、昭和基地とインターネットで打ち合わせを行いながら、まずJA1RLが21MHz帯SSBで8J1RLをコールするが応答がない。双方でしばらくトライを繰り返したが、今年はまったく入感がなかった。念のため28MHz帯SSBや14MHz帯SSBでも試したが、やはり双方とも信号は確認できなかった。前日から発生している磁気嵐の影響で短波帯の伝搬状態が悪化していたようだ。

 

この日のJA1RLの運用機材。運用者や運用委員の資格に合わせて200W機(IC-7800)、50W機(FT-991AM)、10W機(FT-991AS)を用意

JARL事務局がある東京・大塚のビル屋上に立っている中央局「JA1RL」のアンテナ(5月5日撮影)

JA1RLのアンテナコントローラー

運用委員の井岡さん(7N4SJX)が21/28/14MHz帯の順で8J1RLをコールする

 

 そのため18時10分、昨年に続いて今回もD-STARのゲート越え通信で8J1RLと交信を行うことを決定。JA1RLはID-51を使って事務局近隣の「文京430(JP1YKZ)」へアクセス。昭和基地側はターミナルモードでインターネットに接続し(昭和基地は通信衛星を使ったインターネット回線がある)、交信を行うことになった。

 

D-STARで8J1RLと接続

 

 18時17分、D-STAR経由で8J1RLとクリアにつながり、まず3アマの2名、続いて4アマの1名、さらに無資格者7名(体験運用)の順番で昭和基地との交信を進めていった。

 

D-STARで8J1RLとの交信を開始。トップバッターは小学6年生の3アマ。去年も参加したということで交信はスムーズ。ほかの子供たちも聞き入っていた

 

 交信内容は「信号リポートと自分の名前」を交換し合うというスタイルで、子供たちは自分の名前をあらかじめ書き出しておいた和文通話表で伝え、交信相手をしてくれた8J1RLから届く信号リポートと隊員の名前を懸命に聞き取っていった。中には「オーロラを見たことはありますか?」「南極にはキングペンギンはいますか?」などの質問をする子供もいて、8J1RL側はその都度丁寧に回答を行ったのが印象的だった。

 

小学1年生の女の子が体験運用

小学1年生の男の子が体験運用

 

 ちなみに8J1RL側も、今回はアマチュア無線係と体験運用者など大勢の隊員(定常観測、庶務広報、重点研究観測、モニタリング観測、LANインテルサットの担当者など)が待機。子供たちがオペレーターを交代すると、昭和基地側もオペレートするメンバーを交代するという計らいがあり、さらに今回は越冬隊長を務める江尻さん(第67次日本南極地域観測隊 副隊長)もマイクを握って交信相手として登場した。これは “こどもの日特別運用” が昭和基地全体の行事として長く定着し、受け継がれていることの証左だろう。

 

 19時ちょうど、最後の10人目の子供が無事に交信を終えると会場からは大きな拍手が起きた。最後は森田JARL会長がマイクを握り、交信相手を務めてくれた昭和基地の隊員に感謝のメッセージを送った。

 

 交信終了後、森田JARL会長が1人ずつに「交信記念証」を手渡し。記念撮影後、子供たちは19時20分に保護者と共に笑顔で交信会場を後にした。

 

森田JARL会長が一人ずつに「交信記念証」を手渡し

JA1RL運用委員会の黒木さん(JO1LDY)が締めの挨拶

参加者、保護者、運用スタッフらによる集合写真

 

 

 

●関連リンク:
・南極・昭和基地8J1RLが「こどもの日の特別運用」をおこないます!(JARL Web)

 

 

 

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