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【写真リポート】<電波監視官、警察官など50名以上が集合>関東総合通信局と警視庁による、過去最大規模の「不法無線局取り締まり」現場に密着!!

 

 

(前ページ記事より続く)

 

 

 検問施設の奥に誘導されてきたあるダンプカーの場合、業務用無線機のほか430MHz帯のアマチュア無線機を搭載していた。調査の結果、ドライバーは第4級アマチュア無線技士の無線従事者資格は所持していたものの、無線局免許がないことが判明。つまり「不法アマチュア無線局の開設」となる可能性が濃厚だ。

 

 そこで電波監視官は、用意していた測定器(周波数と電力が同時に計測可能)をダンプカーのアンテナ基台に接続、アマチュア無線機のハンドマイクを送信状態にして、電力と周波数の測定を行った。

 

 

 

関東総合通信局の監視官は測定器や工具、ケーブル、変換コネクタなどを多数持参

関東総合通信局の電波監視官は測定器や工具、ケーブル、変換コネクタなどを多数持参

 

検問施設の奥へ誘導されたあるトラック。業務用無線機のほかに430MHz帯のアマチュア無線機を無免許で搭載していた

検問施設の奥へ誘導されたあるダンプカーの車内。業務用無線機のほかに430MHz帯のアマチュア無線機を無免許で搭載していた

 

アンテナを基台から外し、代わりに同軸ケーブルを接続して電力と周波数を測定する

アンテナを基台から外し、代わりに同軸ケーブルを接続して電力と周波数を測定する

 

 

 

 ちなみに、今回の取り締まりで告発された6台の車両のドライバーは、いずれも430MHz帯か144MHz帯のアマチュア無線用モービル機を搭載していた(そのほか、ハンディー機などを搭載していたドライバーもいた)。

 

 測定された電力は約5W~20W。当然だが免許が不要な“微弱電波”の範囲を大きく超えているので、電波法違反(不法無線局の開設)となる。

 

 

 

あるトラックは430MHz帯のモービル機をLOWパワーで使用。測定の結果、435.439MHzで約4.8Wの電力を確認した

あるダンプカーは430MHz帯のモービル機をLOWパワーで使用。測定の結果、435.439MHzで約4.8Wの電力を確認した

 

車内に「中華ハンディ」を置いていた車両もあった。計測してみると154MHz帯の電波を確認。簡易無線機の代わりに使っていたのだろうか

車内に「中華ハンディ」を置いていた車両もあった。計測してみると、アマチュアバンドではなく154MHz帯に周波数がセットされていた。簡易無線機の代わりに使っていたのだろうか

 

 

 

 関東総通の電波監視官は測定結果を根拠に、その場で警察官にドライバーを電波法違反容疑で告発。警察官はドライバーを検問施設内の事務室へ連れて行き、取り調べや上申書などの書類作成が行われる。

 

 一方、証拠品となる無線機やマイク、スピーカー、アンテナ、DC-DCコンバータ、ケーブル類などは、ドライバーに“任意提出”をさせ、まず車両に設置されたままの状態で現場写真の撮影を行い、続いて全部取り外し、ビニールシートの上に並べて証拠品の写真を撮影、詳細な押収品リストを作成した。

 

 

 

容疑を認め、検問施設内の事務室で取り調べを受けるドライバー

容疑を認め、検問施設内の事務室で取り調べを受けるドライバー

 

無線機やアンテナの取り付け状況を警察官が撮影。現場写真として使われる

無線機やアンテナの取り付け状況を警察官が撮影。現場写真として使われる

 

車両から取り外された無線機やアンテナなどは、このように並べて写真を撮影

車両から取り外された無線機やアンテナなどは、このように並べて写真を撮影

 

 

 

 検問施設に車両を誘導されてから数時間後、電波法違反容疑で告発されたドライバーの取り調べと書類作成がようやく終わった。

 

 容疑を全面的に認めたドライバーは施設を離れたが、後日さらなる取り調べが行われ、その後の裁判で有罪になると「1年以下の懲役又は百万円以下の罰金」という刑罰が課せられ、さらに電波法に基づく行政処分も待っているのだ。安易にアマチュア無線機を設置した代償はあまりにも大きいと言えるだろう。

 

 

押収品の目録を作成中

押収品の目録を作成中

 

押収された無線機やアンテナ類は1つずつに付箋が付けられ、ダンボール箱に入れて警察署へ運ばれる

押収された無線機やアンテナ類は1つずつに付箋が付けられ、ダンボール箱に入れて警察署へ運ばれる

 

この日の取り締まりで告発されたトラックの一部。ドライバーは今後も取り調べがあり、裁判を受けることになる

この日の取り締まりで告発されたダンプカーの一部。ドライバーは今後も取り調べがあり、裁判を受けることになる

 

 

 

この日、電波法第4条違反容疑で告発された6名のドライバー(関東総合通信局 報道資料より)

 

被疑者 容疑の概要
千葉県市川市在住の運転手
(59歳)
不法無線局の開設(アマチュア無線機設置)
無線従事者の資格を取得しているにもかかわらず、自己の運転するダンプに、免許を受けずにアマチュア無線機を設置し、不法無線局を開設した。
千葉県野田市在住の運転手
(52歳)
不法無線局の開設(アマチュア無線機設置)
自己の運転するダンプに、免許を受けずにアマチュア無線機を設置し、不法無線局を開設した。
東京都葛飾区在住の運転手
(51歳)
不法無線局の開設(アマチュア無線機設置)
無線従事者の資格を取得しているにもかかわらず、自己の運転するダンプに、免許を受けずにアマチュア無線機を設置し、不法無線局を開設した。
千葉県千葉市在住の運転手
(43歳)
不法無線局の開設(アマチュア無線機設置)
自己の運転するダンプに、免許を受けずにアマチュア無線機を設置し、不法無線局を開設した。
千葉県浦安市在住の運転手
(36歳)
不法無線局の開設(アマチュア無線機設置)
自己の運転するダンプに、免許を受けずにアマチュア無線機を設置し、不法無線局を開設した。
東京都足立区在住の運転手
(36歳)
不法無線局の開設(アマチュア無線機設置)
無線従事者の資格を取得しているにもかかわらず、自己の運転するダンプに、免許を受けずにアマチュア無線機を設置し、不法無線局を開設した。

 

 

 

不法無線局開設者への適用条項

 

・電波法第4条(無線局の開設)
「無線局を開設しようとする者は、総務大臣の免許を受けなければならない。(以下略)」

・電波法第110条(罰則)
「次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
第1号 法第4条の規定による免許がないのに、無線局を開設した者(一部略) (第2号以下略)」

 

 

 

 今回の取り締まりを行った関東総合通信局では「不法に開設された無線局は、テレビ・ラジオの受信や各種電子機器の機能に障害を与えたり、携帯電話や消防・救急無線等の市民生活に必要不可欠な無線通信に妨害を与えるなど、国民の安心安全な生活を脅かす原因となっています。当局は、電波利用環境の保護に関する周知・啓発活動を推進すると共に、不法無線局に対しては今後も継続的に取り締まりを行ってまいります」と発表している。

 

 

 

 

↓今回押収された無線機やアンテナ類の一例(クリックで拡大)

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 今回の不法無線局取り締まりを取材し、アマチュア局の無線設備を搭載した車両を運転する場合、義務づけられている「無線従事者免許証」の携帯と、無線機が免許を受けていることを証明する「無線局免許証票」の備え付けは、必ず行うことが重要だと改めて感じた。
 また、移動する局の無線局免許状は、電波法施行規則第38条3項で「無線局の常置場所に備え付ける」ことが規定されているが、事情が許せば車両運転時に所持しておくと、検問時の確認がよりスムーズに進む印象だった。

 我々アマチュア無線家も、いつ取り締まりや職務質問に遭遇するかわからない。「不法局ではないこと」の証は必ず用意しておこう。

 

 

 

 

●【電波法80条報告書ひな形付き】総合通信局へ“違法運用”を通報するための「報告書」の書き方から提出先まで

 

 

 

●<6月中は重点的取り締まり!「不法無線局対策の強化」へ>6月1日から総務省「平成27年度電波利用環境保護周知啓発強化期間」を実施

 

 

 

 

●関連リンク:関東総合通信局 不法無線局の開設者を告発(平成27年6月3日実施)

 

 

 

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