アンテナメーカーのクリエート・デザインは2020年5月8日、同社の1.8/1.9MHz帯 超コンパクトダイポールアンテナ「CD160シリーズ」のうち4モデル（CD160、CD160L、CD160-5、CD160L-5）に標準装備しているATUを従来の4ch型から5ch型に変更すると発表した。これにより、今年4月21日からのバンド拡張でJA局も利用可能になったFT8デジタルモードの国際周波数“1840kHz”での送受信にも対応できるという。なお希望小売価格も改定されるので注意が必要だ。
クリエート・デザインの1.8/1.9MHz 超コンパクトダイポールアンテナ、CD160
以下、クリエート・デザインの発表資料から抜粋で紹介する。なお同社は「設計に着手した段階なので諸元は予告なく変更する場合があります」とアナウンスしている。
1.8/1.9MHz超コンパクトダイポールアンテナのATU 5ch化
この度、1.8/1.9MHz帯周波数割当てが変更され、日本から国際的なFT8周波数で運用できるようになりました。これに伴い弊社の1.8/1.9MHz 超コンパクトダイポールアンテナCD160、CD160L、CD160-5、CD160L-5のATUを4ch型→5ch型に変更することになりました。
5ch型に変更したATUとコントローラー
1.8/1.9MHz 超コンパクトダイポールアンテナ（新型5-CH ATU付き）「CD160-x」「CD160L」
CD160シリーズは1.8MHz帯の短縮型ダイポールアンテナで、エレメント長が17～26m型の約3種があり、これらはフルサイズに対し約21～32%の機械長の超コンパクト型です。
一般的な逆V-型ダイポールアンテナは、エレメントの両側の地上高が低いため、平均地上高が低くなり主放射が天頂方向で最大になり低放射角のゲインも下がります。このCD160を高く設置することでそれらは大きく改善し、アンテナの回転による雑音低減効果等も期待できます。また、エレメント両側が高いと隣接世帯とのインターフェア等に有利となります。
このCD160-xは電気的効率を高めるため、Hi-Q（低損失化）されたローディングコイルとキャパシティロッドの採用で、フルサイズのダイポールに対し、約－3.5～－1.5dBほどの放射効率を得ています。この効率は、実用面でフルサイズアンテナと同様と言えます。
給電部には1.8～1.9MHz用のリレーコントロール型ATU（整合器）の搭載で、各バンドを低VSWRで高周波放射を可能にしています（CD160Jrは受信用で1波用のATUを搭載）。機械的特性についても高規格な材料と構造設計がなされています。熱対流放熱型のローディングコイルやエレメントパイプには高張力アルミニュームを使用し、また、不用な重量と受風面積を軽減するため、スウェージ加工したパイプが使用されています。
5ch化したATUによるVSWRカーブ（CD160）
＜CD160シリーズのラインアップ＞
★CD160Jr
基本的に受信用で本シリーズ最小のものです。送信用アンテナが垂直偏波型の場合に水平偏波の受信をするのに適します。給電部には1-波型ATUの搭載ですが、広帯域に渡って高感度受信が可能です。
★CD160
実用的に運用できる最小長のアンテナです。さらに短縮は可能ですがVSWRの狭帯域化、 周波数ドリフト等が障害となり、運用性が低下します。このアンテナのゲインはフルサイズダイポールに較べて－3.5dB程度ですが、逆V-DPアンテナより優位性が高くなります。
★CD160-5（エレメントステー付）
CD160を高耐電力化したもので、ゲインや周波数ドリフト面で有利となります。高電力化でローデイング部のQが大きくなりVSWRの狭帯域性が高まり、1-CH 5kHzの帯域はVSWR1.8:1程度です。
★CD160L（エレメントステー付）
CD160よりエレメント長を大きくしたもので、ゲイン、VSWR帯域、周波数ドリフト面の特性が向上します。
★CD160L-5（エレメントステー付）
CD160Lを高耐電力化したもので、特性はCD160Lと同様です。1-CH 5kHzの帯域はVSWR1.5:1程度です。
●関連リンク：
・1.8/1.9MHz 超コンパクトダイポールアンテナ CD160-x、CD160L PDF（クリエート・デザイン）
・クリエート・デザイン
●いったん広告です：
