一般社団法人 日本アマチュア無線連盟(JARL)は2022年7月1日、公式サイトのJARL Web コンテストページに「ALL ASIAN DXコンテスト規約改定についての意見募集」と題した告知を掲載した。今回、ALL ASIAN DXコンテストにおける特徴の1つ、オペレーターの年齢を送るコンテストナンバーを、JARLコンテスト委員会では“20年間の変化、性差別と個人情報に対する意識の進化に伴い”として、「CQ ZONEナンバー(日本は25)」「001から始まるシリアルナンバー」「開局年の西暦下2ケタ(JA1RLなら57)」「誕生月(6月12日生まれなら06)」など新しいコンテストナンバーへの変更を想定し、JARL正員、社団会員、家族会員、准員を対象に7月1日から31日まで意見募集を行っている。
「ALL ASIAN DXコンテスト」はJARLが主催する唯一のDXコンテストだ。1.9MHz帯から28MHz帯でアジア対全世界という形式で、毎年6月に「電信部門」、9月に「電話部門」が開催されている。2021年の書類提出局数は電信部門が1,656局、電話部門が1,223局(いずれもチェックログを含む)。
同コンテストは“オペレーターの年齢”をコンテストナンバーで送りあうのが特徴の1つと言えるだろう。OM局は「RS(T)符号による信号レポート」+「オペレーターの年齢」、YL局は「 RS(T)符号による信号レポート」+「”00″(ゼロゼロ) またはオペレーターの年齢」、マルチオペ局は「RS(T)符号による信号レポート」+「オペレーターの平均年齢、またはオペレーターの年齢」としている。
しかし今回、JARLコンテスト委員会は「アマチュア無線のコンテストで、性別によってルールを変えることに合理性はありません。女性だけ”00”の送信を認めているのは『女性に対して年齢を尋ねるのは失礼である』という『マナー』に基づくものと考えられますが、少なくとも、日本のアマチュア無線家を代表する公的団体であるJARLが規約として掲げることは不適切であると考えます」「また、年齢という個人情報を公開することに違和感を持つ人もおり、『ナンバーを変えて欲しい』という意見も寄せられています」「2000年には男女とも”00”または年齢を送るとする規約改定を実施しました。同年のALL ASIAN DXコンテストでは2割近い参加者、特に上位にランクされる強豪参加者の多くが”00”を送る結果となりました。これでは『情報を正確に交換する技術を競う』というコンテストナンバーの意味が薄れてしまい、翌01年には元の規約に戻すということがありました」という背景を踏まえて、「20年間の変化、性差別と個人情報に対する意識の進化に伴い、本規約を改定することが必須であると考えます」という理由から、オペレーターの年齢をコンテストナンバーとする現在の規約変更を提案。それに伴う意見募集を行うとしている。
JARLコンテスト委員会による「ALL ASIAN DXコンテスト規約改定についての意見募集」の概要は以下のとおり(一部抜粋)。
ALL ASIAN DXコンテスト規約改定についての意見募集
4-1 ALL ASIAN DXコンテストの送信ナンバー変更
現在の規約では
5 コンテストナンバー
(1)OM局: RST符号による信号レポートとオペレーターの年齢
(2)YL局: RST符号による信号レポートと”00″(ゼロゼロ) またはオペレーターの年齢
(3) マルチオペ局: RST符号による信号レポートおよびオペレーターの平均年齢またはオペレーターの年齢と男性・女性でルールが異なっています。
アマチュア無線のコンテストで、性別によってルールを変えることに合理性はありません。
女性だけ”00”の送信を認めているのは「女性に対して年齢を尋ねるのは失礼である」という「マナー」に基づくものと考えられますが、少なくとも、日本のアマチュア無線家を代表する公的団体であるJARLが規約として掲げることは不適切であると考えます。
また、年齢という個人情報を公開することに違和感を持つ人もおり、「ナンバーを変えて欲しい」という意見も寄せられています。
2000年には男女とも”00”または年齢を送るとする規約改定を実施しました。
同年のALL ASIAN DXコンテストでは2割近い参加者、特に上位にランクされる強豪参加者の多くが”00”を送る結果となりました。これでは「情報を正確に交換する技術を競う」というコンテストナンバーの意味が薄れてしまい、翌01年には元の規約に戻すということがありました。
20年間の変化、性差別と個人情報に対する意識の進化に伴い、本規約を改定することが必須であると考えます。
コンテスト委員会では新しいコンテストナンバーとして下記の案を想定しています。
1.CQ ZONEナンバー(日本は25)
2.001から始まるシリアルナンバー
3.運用地のグリッドロケーター4ケタ(東京都豊島区大塚ならPM95)
4.開局年の西暦下2ケタ(JA1RLなら57)
5.開局からの年数(JA1RLなら65)
6.誕生月(6月12日生まれなら06)
7.誕生日(6月12日生まれなら12)
8.年齢もしくは”00″
9.ナンバー無し
このいずれに対して賛同するか、あるいは別な案があればそれを提示していただけないでしょうか。
60年以上にわたって続いてきた年齢ナンバー。マルチとはまったく関係無く一桁ナンバーの若いオペレータが14MHzで高速CWを送ってきたり、ベテランオペレータが今年も一つ増えたナンバーを送ってくることに感動するということもありました。
しかし社会の変化により、現在の規約を維持することは問題であると判断し、改定します。
ご理解・ご協力をお願いします。
●関連リンク:
・ALL ASIAN DXコンテスト規約改定についての意見募集(JARL Web)
・コンテスト委員会からのお知らせ(JARL Web)
・一般社団法人 日本アマチュア無線連盟(JARL)
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