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【アマチュア無線機Collection】 ヤエスFT-101シリーズ最大のライバル見参--トリオ・TS-520X(1973年)

真空管式からIC・トランジスタへ、アナログ周波数表示からデジタル表示へ--アマチュア無線機器が大きな進化を遂げたのが1970年代だった。全国各地のコレクターが所蔵する当時の無線機の数々を取材し、2012年に刊行されたのが『アマチュア無線機コレクション<FT-101の時代>』(三才ブックス)という豪華写真集だ。今回はその誌面から、前回登場した八重洲無線の「FT-101」のライバルとして登場した、トリオ(現JVCケンウッド)の「TS-520X(1973年)」を紹介しよう。

 

初代の10W機、TS-520Xは入門者に大人気だった

初代の10W機、TS-520Xは入門者に大人気だった

 

 TS-520Xは、FT-101シリーズの独走を阻止すべく、トリオが技術の粋を結集して放ったHFトランシーバです。フロントパネルには堅牢なダイキャストパネルを使用。重厚なイメージを醸し出すとともに、VFOケースをパネルに固定することで安定度の向上にも寄与しました。また受信初段には特性に優れたデュアルゲートMOS FETの3SK35を採用。AGCは増幅型でSLOW-FAST-OFFの3段切り替え。送信終段管はS2001を使用し、通常とDX用の2段切り替えができる増幅型ALCでトークパワー(平均変調度)の向上を図るなど、さまざまな工夫が施されていました。その割には100WタイプのTS-520Dが114,800円、10WタイプのTS-520Xが99,800円と買いやすい価格設定としたことから、売れ行きは大変好調でした。
 1977年には1.9MHz帯が追加され、PLATEやDRIVEのツマミに減速機構を採用、スピーチプロセッサーを装備したマイナーチェンジ版のTS-520S(100W)、TS-520V(10W)が登場しました。しかしFT-101シリーズには標準装備されていた「AMモード」だけは、最後まで搭載されることはありませんでした。
(『アマチュア無線機コレクション<FT-101の時代>』 誌面から)

 

TS-520Xの背面。写真のコレクション品ではオプションだったクーリングファンも装着されている

TS-520Xの背面。写真のコレクション品ではオプションだったクーリングファンも装着されている

 

当時のTS-520シリーズ総合カタログ。大胆なアングルで付加装置も登場

当時のTS-520シリーズ総合カタログ。大胆なアングルで付加装置も登場

 

【スペック】
・発売開始時期:1973 年
・周波数範囲:3.5~28MHz帯
・電波型式:SSB/CW
・サイズ:H153×W333×D335mm
・重量:16kg
・電源:AC100V
・最大消費電流:1A
・最大送信出力:10W
・送信終段名称:S2001
・受信方式:ダブルスーパーヘテロダイン方式
・主要機能と特徴(当時のカタログより抜粋):
▼マニアのマーク、TRIOが世界のDXerに贈るHFトランシーバの決定打▼ファイナル段、ドライブ段以外は半導体化▼ダイキャストパネル採用▼受信感度と混変調特性が両立▼高性能ノイズブランカー▼2 段切り替えの増幅型ALC 回路を採用▼1回転100kHzのダイヤル機構▼8エレメント・クリスタルフィルター▼10MHzのJJY/WWV受信可能▼固定チャンネル追加回路装備(4ch)
・価格:99,800 円
・JARL登録番号:T-3

 

【写真集『アマチュア無線機コレクション<FT-101の時代>』について】
 日本のアマチュア無線史の中で、無線機器が大きな進化を遂げたのが1970年代でした。送受信部とも真空管を使った大型機が、やがて電力増幅部を除いて半導体化。さらに全部がソリッドステートになり、ICやFETなどのデバイスや、PLLなどの最新技術により小型で高性能なモデルが登場するようになりました。そして家電やカーオーディオメーカーの参入も…。本書はそんな1970年代のアマチュア無線機に「憧れ」や「郷愁」を感じる、すべての人に贈る、初めてのアマチュア無線機写真集です。

 

「アマチュア無線機コレクション<FT-101の時代>」の中からTS-520X紹介誌面

「アマチュア無線機コレクション<FT-101の時代>」の中からTS-520X紹介誌面

 

 

 

 

 

 

●関連リンク:アマチュア無線機コレクション<FT-101の時代>

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