東ヨーロッパの諸国を最大級の寒気団による大雪やみぞれが襲い、蓄積された氷と雪が送電線や鉄塔を倒壊させ、電力や通信ラインの損傷をもたらした。スロベニアのアマチュア無線家は通信支援でこの災害に立ち向かっている。
EUによると、この地区の世帯の25%が停電している。継続的な悪天候は電力供給ネットワークの修理を難しくしており、スロベニアはEUに携帯用発電機の提供を依頼した。
「先週の木曜日からこの地域で、何か目に見えないことが起きている」と、Miha Habic氏(S51FB)はリュブリャナでARRL に語った。「老人もいまだかつて記憶にないというような最大規模の全国的な自然災害だ」。スロベニアの アマチュア無線協会(ZRS)のIARU連絡員であるHabic氏は、スロベニアの北東部は免れたものの、セルビアとクロアチアでも影響が出ていると報告する。
「ヨーロッパの寒気団によるリスクはまだ欧州全域で続く」と、Kristalina Georgieva氏(EU国際協力・人道援助・危機管理対応部門長官)は述べた。「EUの危機管理委員の専門家はなお警戒中、すべての展開を用心深く見守り、必要な場合にはさらに援助する準備がある」。
携帯電話サービス、公共通信ネットワークサービスは悪天候の影響で中断している。国家的なアマチュア無線の非常通信は発動されていないが、何人かのアマチュア局はローカルレベルで支援にあたっており、一部は必要があればいつでも活動できるように待機している。
オーストリアは要求に答えて非常用発電機を提供する国の1つだ。通信インフラが不安定なため、担当者はオーストリアのアマチュア非常通信無線オペレーターにPactorとWinlink を使用して、2国間のリンクを提供するよう頼んだ。同国の緊急通信コーディネーター、Gregor Vehzely氏(OE1VGC)は、ヨーロッパのアマチュア無線家たちにサポート用周波数をクリアに維持するよう要請している。周波数は3644kHz(S51SLO)、3608と3617kHz(OE3XEC)と 3601kHz(OE6XPD)だ。ドイツとチェコ共和国もEUの要求に答えている。
S51FB によるとスロベニアの森林の半分が破壊され、1年間に伐採される樹木の量が3日で流されてしまったという。Koper港に向かう鉄道も完全に停止した。軍の装甲車両が、いくつかの村に食糧を供給するに呼び出されているという。 (ARRLニュース 2月5日 ※許可を得て翻訳転載/(C)ARRL )
●関連リンク:「Slovenian Radio Amateurs Fill Communication Gap in Wake of Severe Weather」ARRL NEWS
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