東京都大田区久が原にあった通信機器メーカー「三電機株式会社」が1959(昭和34)年に発売した、3.5/7Mc(メガサイクル)対応の移動局用真空管式AMトランシーバー「QTR-7」がヤフオクに出品された。一説には「日本初の市販アマチュア無線用トランシーバー」とも言われている、なかなか市場には出回らない博物館級の貴重なモデルだ。それを反映してか、オークションのスタート価格が75万円、即決価格は80万円という驚きの設定となっている。
「超希少品 AM3.5M/7M 三電機(株)製 日本初AMトランシーバー」というタイトルで、今回ヤフオクに出品されたのは、東京都大田区久が原にあった通信機器メーカー「三電機」から発売されていた「QTR-7」というアマチュア無線機である。
「QTR-7」は移動局用として開発され、送信は水晶発振方式により3.5/7MHz帯のスポット周波数を、受信はVFOで3.5~10MHz帯を連続カバーしている。
サイズは320W×170D×110Hmm。小型金属ケースに送受信部を収め、前面にスピーカーや大型メーターを装備。重量は7kg、送信出力は8W。当時の価格は完成品が14,600円、キットが13,600円だった。当時の大卒初任給と同等レベルと言っていいだろう。
出品者による商品説明には、
超希少品 AM3.,5M/7M 三電機(株)製 日本初AMトランシーバーです。昭和35年頃に発売されたようです。
本体と純正元箱、青焼きの回路図、3.5Mの水晶、電源コードが付きます。改造も無く、発売当時のままの物の様です。
日本には数台しか無い希少品だと思います。本体には、キズ、サビも無く新品の様な超美品です。長い間大切に保管して居ましたが、保管場所が狭くなり、今回手放すこととしました。
コレクターの方に、保存して頂きたいと思います。発売当時はかなり高価な無線機で、販売数もかなり少なかったようです。機械が古い為、ご質問にお答え出来ない場合が有ります。当時の送受信機は、自作かトリオの9R59、TX-88Aでした。
細かいことが気になる方、神経質な方、クレームを付ける方は入札をご遠慮下さい。返品不可でNC/NRでお願いします。
「日本初AMトランシーバー」とタイトルにあるが、1959年前後は多数の小規模メーカーがアマチュア無線機器を製造販売しており、どの機種が日本初となるのか諸説あるようだ。このQTR-7を「日本初の市販アマチュア無線トランシーバー」と呼ぶ文献もある。
●関連リンク:超希少品 AM3.5M/7M 三電機(株)製 日本初AMトランシーバー(ヤフオク)
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