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【追記あり】<各地の上空通過時刻が判明!>千葉工業大学の超小型衛星「KASHIWA」の信号(437.375MHz)を受信してみよう

千葉工業大学(本部:千葉県習志野市)の学生が製作し、2024年4月11日に国際宇宙ステーション(ISS)から放出された超小型衛星「KASHIWA(かしわ)」(JS1YMX)。437MHz帯でCWビーコンなどを送信しながら地球上空を周回しているが、当初は信号が非常に弱く受信困難な状況が続いていた。しかし4月21日から急に信号が強くなり、立地条件と上空通過時の仰角によっては「固定機+GPアンテナ」「屋外のポータブル機+ホイップ系アンテナ」でも受信できるようになったという。この機会にぜひ受信に挑戦してはいかがだろうか。

 

 

【追記 4月26日19時20分】千葉工業大学 超小型衛星プログラム GARDENsのXアカウントは、19時に『本日をもちまして、KASHIWAの初期運用フェーズは終了となります! 放出から今日までの期間中、ご支援いただき誠にありがとうございました! 今後のステップとして、落成検査を通過後、運用計画を公表する予定です。今後の運用は、日本時間の昼間(9:00~22:00)のみとなります』との告知をポストした。

 

 

 

 

 

 千葉工業大学の学生が製作した1Uキューブサット(10×10×10cmの立方体で重さ約1kg)の「KASHIWA」は、2024年3月22日に米国スペースX社のFalcon9ロケット30号機で国際宇宙ステーション(ISS)に運ばれた。

 

 その後、2024年4月11日の19時35分(日本標準時)にISSから宇宙空間に放出、地球を周回する軌道に投入された。同衛星は今後、ステレオカメラ撮影による測距技術実証や地磁気観測データの聴覚情報への変換実証、APRSによる一般アマチュア無線家へのメッセージ送受信といったミッションを予定しているという。

 

千葉工業大学の超小型衛星「KASHIWA」。衛星ファンは愛を込めて「KASHIWAたん」と呼んでいる(写真:PR TIMES)

 

「KASHIWA」は、437.375MHzのCWとGMSKパケット(4,800bps)の送信機能を搭載、上空からCWでコールサインや衛星名、動作状態など各種データを送信している。放出からしばらくは信号が確認できず関係者をやきもきさせたが、4月19日に大型パラボラアンテナを保有するオランダのアマチュア無線局によってKASHIWAが微弱な信号を発していることが確認された。

 

 さらに4月21日には信号が急激に強くなり、千葉工業大学を含む日本の各局も相次いで受信に成功した。現在では「オールモード機+GPアンテナ」や「屋外のポータブル機+ホイップアンテナ」程度の設備でも受信に成功する局が現れている。アマチュア無線家からX(旧Twitter)で千葉工業大学 超小型衛星プログラム GARDENsに寄せられた情報では「(KASHIWAの信号は)感覚的に、RS-44のビーコンより10dB程度高く、ISSより20dB程度低い感じです。よく聞こえます」というものもあったので参考になるだろう。

 

 またhamlife.jpの読者からは「(ドップラー効果のため)見え始めは公称周波数より高く、見え終わりは低くなります。最大で±9kHz程度」「受信フィルタの帯域は最大限広く。CWでもUSBモードで受信すると良いです」というアドバイスをXでいただいた。

 

 千葉工業大学ではアマチュア無線家にこの信号を受信し、X(旧Twitter)でハッシュタグ「#KSW_受信協力」「#KSW_ham_competition」を付けて受信リポートをポストするよう協力を呼び掛けている。

 

 受信に必要なのは日本各地の上空通過時刻だが、JAMSAT(日本アマチュア衛星協会)がホームページ内の「日本各地の衛星通過時刻の予報」コーナーで、KASHIWAの“向こう10日間の予想通過時刻”の公開を開始した。これを見ると参考になるだろう。

 

 札幌、東京、大阪、福岡、那覇の4地点における4月26日から4月28日の通過データのうち、ピーク時の仰角が極めて高いものは次のとおり。

 

★「KASHIWA」の上空通過時刻予想(2024年4月26~29日、ピーク時仰角が極めて高いものを抜粋)
※2024年4月25日時点のデータです。今後において飛来時刻が変化する可能性もあります。また1日4~8回程度の上空通過がありますが、低い仰角での通過データは省略しています。JAMSATのページで詳細と最新データをご確認ください。

 

 

 

 別の地域やもっと先の通過時刻、低い仰角での通過データなどを知りたい場合は、次の手順で行える。

 

手順① JAMSATの「日本各地の衛星通過時刻の予報」コーナーに行き、日本地図で調べたい地域の丸印をクリック

 

手順② 衛星リストが出たら、「LEOの衛星」から「KASHIWA」を選んでクリック

 

手順③ その地域における「KASHIWA」の飛来時刻(地平線からの見え始め、最大仰角、地平線への見え終わり)、それぞれ時点の方位角、最大仰角などのデータが表示される

 

 

 一般的に超小型衛星の寿命は短めだ。ISSから放出した衛星は、太陽が活発に活動している関係で4~5か月程度で落下すると言われている。信号が強力な今のうちに受信に挑戦してはいかがだろうか。なおKASHIWAの最新情報は「千葉工業大学 超小型衛星プログラム GARDENs」のXアカウントで発信されている。

 

 

 

●関連リンク:
・千葉工業大学 超小型衛星プログラム GARDENs(Xアカウント)@CitGardens
・日本各地の衛星通過時刻の予報(JAMSAT)
・超小型衛星「KASHIWA」を国際宇宙ステーションから放出しました(千葉工業大学 惑星探査研究センター)
・千葉工業大学の生徒らが開発に携わった人工衛星「KASHIWA」がISSからの放出に成功(PR TIMES)
・「きぼう」から超小型衛星の放出(YouTube JAXAイベントライブ配信専用チャンネル)

 

 

 

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