NHK放送文化研究所発行の「放送研究と調査(月報)」2014年10月号に、「諸外国の短波による対日情報発信」、副題に「~1970-80年代前半の公共放送局による日本語放送を中心に~」という、メディア研究部・田中則広氏による記事が掲載された。短波帯を中心とした海外放送を聞いて、ベリカード(受信報告証)をもらうという当時ブームとなった「BCL(Broadcasting Listening/Listeners)」に言及する形で、送り手の中心だった東欧諸国の国営放送、キリスト教の布教を目的とした宗教放送なかでも、日本語放送を行っていた西側諸国の公共放送にスポットを当てた内容だ。今回、同研究所のWebサイトにおいて本記事が誰でも読める形(PDF形式)で公開されている。
当時、BCLを楽しんでいた方には懐かしい放送局が登場する本記事は、送り手だった放送局側の、放送設備、放送時間、日本の国内事情に精通したスタッフの確保、キラーコンテンツの開発や差別化など、巧みな役割により支えられていたことがわかる内容だ。
日本語放送=宣伝放送と言われていたイメージに対し、改めて公共放送局が運営する日本語方法は中立・公正な立場を貫いていたのではないか、という視点で分析を行っている。無料なので、興味のある方はぜひ一読を勧めしたい。
●関連リンク:
・海外放送事情(NHK放送文化研究所)
・諸外国の短波による対日情報発信(NHK放送文化研究所/PDF形式)
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