1970年代、入門機として人気を誇った松下電器産業(現パナソニック)の50MHz帯AM/FMポータブル機「RJX-601」はあまりにも有名だが、1975年に同社から初の固定機として登場したのが、50MHz帯SSB/CW/AM/FMオールモードの「RJX-661」だった。当時129,800円という価格は「RJX-601」の34,000円(後に価格改定され37,000円)と比較すると高価だったが、最終的には在庫処分のため無線ショップの店頭でかなり安値で販売されたのを記憶している人もいるだろう。その「RJX-661」がヤフオクに登場! しかも「新品デットストック」と表記されているのだ。
50MHz帯SSB/CW/AM/FMオールモード機「RJX-661」が1975年に登場した。重量感のあるブロンズ色のフロントパネル。ボタンやツマミ類も大型でゆったりと配置されている。残念ながら、AMやFMの専用フィルター、52MHz帯以上のバンド水晶、マーカー基板などはオプション扱いで価格も比較的高めの設定だった。
今回、ヤフオクに出品されたのは、「RJX-661」の“新品デット品!”という代物だ。1975年の登場から、実に40年近く経っている。
出品者の説明には以下のコメントが記載されている。
・70年代懐かしのRJXシリーズ、それも驚きの「新品・デットストック品」です。
・この時代に新品はあるのでしょうか? 超コレクション品です。
・電源が入ることのみ一応テストし確認済みです。後は落札者 の楽しみとして残しておきます(長期未使用ですので心配な 点は有りますが不都合があってもそんなひどい修理にはなら ないと思います)
・付属品は外箱、内箱二重箱、未使用のマイク、電源コードや小物新品時のものすべて、綺麗なマニュアルです。
確かに画像を見ると、トランシーバー本体もさることながら、ダンボール箱や緩衝材の発泡スチロールなどの状態も良さそうだ。
出品者による画像も多く載っている。詳しくは下記の関連リンクから確認してほしい。入札終了日時は9月6日(日)21時過ぎとなっている。
【写真集『アマチュア無線無線機コレクション<FT-101の時代>』について】
今回紹介した「RJX-661」「RJX-601」をはじめ、日本のアマチュア無線史の中で、無線機器が大きな進化を遂げたのが1970年代だった。当時の各社アマチュア無線機を集めた初めての“写真集”として、送受信部とも真空管を使った大型機が、やがて電力増幅部を除いて半導体化。さらに全部がソリッドステートになり、ICやFETなどのデバイスや、PLLなどの最新技術により小型で高性能なモデルを紹介する1冊だ。
【追記】9月6日(日)21時55分
当初、オークションの終了日時は9月6日(日)21時6分だったが、終了時間が迫るにつれ応札バトルが勃発! 1,000円アップの応酬に、予定より40分延びて21時46分、最終価格「169,000円」でオークションは終了した。
●関連リンク:ナショナル RJX-661 新品デット品!(ヤフオク)
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