2016年4月14日(木)21時26分ごろ、熊本県熊本地方を震源とする最大震度7の強い地震(平成28年熊本地震)があった。熊本市や隣接する益城町では家屋の倒壊などの大きな被害が発生、15日(金)午前9時現在の報道では9人が死亡、900人を超えるけが人が集計され、約45,000名が避難している。
【追記】2016年4月16日(土)の未明に、14日(木)の地震規模を大きく上回る地震が複数回発生し、広範囲に甚大な被害が生じている。
4月15日(金)午前9時現在、今回の地震でアマチュア無線の非常通信が行われているという情報は入手できていないが、念のため各アマチュアバンドの非常通信周波数は極力クリアにすることが望まれている。アマチュアバンドプラン(使用区別)における非常通信周波数は下記のとおり。
<非常通信周波数>
3,535kHz
7,050kHz
14,300kHz
18,160kHz
21,360kHz
28.20MHz
50.10MHz
51.50MHz
144.10MHz
145.50MHz
430.10MHz
433.50MHz
1294.00MHz
<呼出周波数・非常通信周波数>
51.00MHz
145.00MHz
433.00MHz
1295.00MHz
<デジタル呼出周波数・非常通信周波数>
51.30MHz
145.30MHz
433.30MHz
またWIRES-Xには八重洲無線が開設している、災害時通信用ルーム「EMG-ROOM」(#29999)がある。ここには地震発生直後からアクセスが相次ぎ、九州各局が被害状況の交換を行う模様が見られた。現在も多くの局が同ルームに接続を行っている。
熊本市東区の無線ショップ「無線のクマデン(熊電総業)」は14日(木)深夜、被害を受けた店内の模様をFacebookページに写真掲載し、「九州、熊本のアマチュア無線家の皆様大丈夫でしょうか? 店内がこの有様なので、明日は臨時休業とさせて頂きます。何卒ご容赦下さいませ」と告知。これを見たアマチュア無線家から見舞いのコメントが相次いでいる。
また同店は15日(金)朝にもFacebookページで「クマデンタワーは無事です! 今から復旧作業にかかります!」と、同店のシンボルである大型タワーが健在であることを公表した。
なお15日(金)の昼12時現在、同店に設置しているD-STARレピータ(熊本東430 JP6YGU 439.11MHz)およびWIRES-Xノード局(#15602 JA6ZME 430.92MHz)が不通になっている。同店は「ご迷惑をお掛けします、ご容赦下さいませ。復旧次第またご連絡差し上げます」とアナウンスしている。
【4月16日(土)15時追記】
無線のクマデン(熊電総業)は16日(土)午後にFacebookページで、「昨夜、更に強い地震に見舞われました。現在のところ、営業再開の目処が立ちません。店内壊滅状態です」と状況を写真と共に伝えた。なお同店スタッフは全員無事とのことだ。
なお熊本県内のD-STARレピータの稼働状況については、JARL D-STAR NEWS「熊本県のD-STARレピータの運用情報」参照。同記事の追記には「16日(土)午前1時25分頃の地震でJP6YHN(熊本)もインターネット接続が停止しているようです」との記載がある(16日午前5時現在)。さらに18日にも追記が加わった。
●関連リンク:
・災害情報詳報 熊本県熊本地方を震源とする地震<PDF形式、随時更新>(総務省消防庁)
・熊本県熊本地方を震源とする地震に係る災害派遣について<逐次更新>(防衛省 報道資料)
・無線のクマデン Facebookページ
・熊本県のD-STARレピータの運用情報(JARL D-STAR NEWS)
・アマチュア無線と非常通信(JARL)
・JARL熊本県支部
・熊本地震・災害時の通信、ネット情報源まとめ(読売新聞)
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