一般社団法人 日本アマチュア無線連盟（JARL）は、さる2019年6月23日（日）の第8回定時社員総会の開催直前に施設内で第45回理事会を開催し、7月2日にその報告をWebサイトの会員専用ページで公開した。同理事会では「D-STARガイドラインの一部改正について」「QSOパーティ規約の一部改正について」「IARU新規加盟連盟の承認について」という3つの議題が討議された。さらに来年の「ハムフェア2020」の開催についてを協議し『引き続き開催に向けた検討を行い、次回の理事会に諮ることとした』と記している。同理事会報告の閲覧はJARL会員のみで、コールサインと登録したパスワードが必要となる。
JARL Webの会員専用ページに掲載された第45回理事会報告によると、「D-STARガイドラインの一部改正について」ではワイヤレスネットワーク委員会から答申されたD-STARの運用指針（運用ガイドライン）の一部改正についてを審議し、原案を一部修正し全員異議なく承認したという。
また第2号議題ではコンテスト委員会からの、QSOパーティ規約の一部改正の答申を審議した。答申ではQSOパーティの開催期間を延長すると他のコンテストと重複することや、参加局が減少傾向にあるため期間を延長しても交信（受信）局数の増加は見込めないとして、期間はそのままで交信（受信）局数を10局に変更する改正が盛り込まれていた。しかし理事からは「答申に至った理由をもっと詳細に説明する必要がある」「QSOパーティは親睦をはかるためのものであることを考慮すべき」といった意見が出て、審議の結果コンテスト委員会に再検討を求めることになったという。
なお理事7名より「「社員の皆様へ」の反対意見書に関する理事の処分について」とする議案の緊急提案があったが、上程について採決の結果（上程しない8名、上程する7名）、上程しないこととなった。 この後、永井監事から会長、副会長、専務理事名の文書が総会議案に同封されたことについてその経緯について説明を求められ、専務理事が当該役職者の正式な文書として同封した旨の回答を行ったという。
◆来年の「ハムフェア2020」開催について
続いて協議事項として「ハムフェア2019」の対応および「ハムフェア2020」について話し合われた。その中で来年開催予定の「ハムフェア2020」については『東京2020オリンピック ・パラリンピック開催により東京ビッグサイトが使用できないため、代替の会場や開催時期について検討を重ねているが、会場確保が厳しいとの報告がなされ、引き続き開催に向けた検討を行い、次回の理事会に諮ることとした』と記載されている。なお次回の第46回理事会は9月28～29日に開催予定だ。
理事会報告の詳細は、下記関連リンクのJARL会員専用ページ（要ID、パスワード）からPDF形式で閲覧が可能だ。
「ハムフェア2020」について補記（hamlife.jp）
ハムフェアが開催されない場合、アマチュア無線家はもちろん、無線機器メーカーをはじめとするアマチュア無線業界にも大きな影響が考えられる。hamlife.jpでは、複数の業界関係者に取材を行ったが、現時点で「ハムフェア2020は開催されない」という確定的な情報はなく、“会場や開催時期に多少の変更があったとしても開催されるのではないか”という認識で一致していた。
一方で、東京オリンピック・パラリンピックの関係で2020年のイベント会場確保に悩んでいる企業や団体は多数あり、ハムフェアに使用しているような約10,000平米の展示スペースがある大規模コンベンション施設が東京周辺に少ないのは事実である（千葉県千葉市の「幕張メッセ」も東京オリンピック・パラリンピックの会場として使用される）。またハムフェアの開催には半年以上の準備期間が必要となるため、開催時期を大きく動かした場合は翌2021年のハムフェア開催に影響が出る可能性を指摘する関係者もあった。
●関連リンク：
・第45回理事会報告（JARL Web 会員専用ページ）
・東京オリンピックの開催決定で危ぶまれる!? 2020年のハムフェア開催（hamlife.jp 2013年9月10日掲載記事）
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