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<免許状に記載の設置場所、移動範囲は「月軌道」>小型月面探査機「LEV-1」搭載、日本で初めての月面アマチュア無線局「JS1YMG」に無線局免許が正式交付

既報のとおり(2024年1月22日記事)、小型月着陸実証機「SLIM(スリム)」が2024年1月20日の午前0時20分ごろ日本初で世界で5か国目となる月面着陸に成功した。着陸直前に「SLIM」から放出された2基の小型月面探査機のうち「LEV-2」が月面を移動しながらデータを収集し、「LEV-1」がそのデータを受け取って無線で地球に届ける試みが行われ、1月25日の報道によると“逆立ち状態”となって着陸した「SLIM」が写る画像が地球に届いたとJAXA(宇宙航空研究開発機構)から発表があった。さらに今回、偉業を果たした「LEV-1」に搭載されているアマチュア無線局(JAXAハムクラブ JS1YMG)に無線局免許状が正式交付となり、その画像がX(旧Twitter)でポストされ話題になっている。

 

 

「lev1_rover_slim/@LEV1_Rover_SLIM」がX(旧Twitter)でポストした、日本で初めてとなる月面アマチュア無線局「JS1YMG(LEV-1)」の免許状

 

 

 無線局免許状画像をX(旧Twitter)でポストしたのは「lev1_rover_slim/@LEV1_Rover_SLIM」で、「LEV-1はSLIM(@SLIM_JAXA)に搭載されたアマチュア無線通信システムを搭載した探査機です」と紹介している。

 

 この免許状の画像をよく見ると、免許人は「JAXAアマチュア無線クラブ」(JQ1ZVI)、コールサインは「JS1YMG」、通信事項は「アマチュア業務に関する事項」、電波の型式は「100HA1A、20K0G2D、250KF8E」、周波数は「437.41MHz」、空中線電力は「1W」と記載されていることがわかった。どうやらLEV-1の送信出力は1Wのようだ(アンテナは円偏波を使用)。

 

 また、通信事項が「宇宙通信業務」ではなく「アマチュア業務に関する事項」とあるのは、LEV-1が人工衛星のアマチュア局(アマチュア衛星)ではないことや、昨年3月の法改正でアマチュア業務に「教育又は研究活動のために行う無線通信業務」が含まれるのが明確化されたことに関連するのかもしれない。

 

 免許の年月日は「令和6年1月29日」となっている。1月20日に初めて月面から地球に届いた信号は試験電波という扱いだったのだろうか。さらに「無線設備の設置場所 又は移動範囲」には「月軌道」とあり、「軌道傾斜角 5.2度、軌道周期 39,214分、近地点高度 360,000km、遠地点高度 405,000km」と月の軌道要素が記載されている。

 

2月2日、総務省電波利用ホームページの無線局等情報検索で「JS1YMG」の免許情報が得られるようになった

 

 このXでは、免許状の画像とともに「JQ1ZVI (JAXA Ham Radio Club, JHRC) received a Radio Station license for JS1YMG (LEV-1) from Japan for the FIRST amateur radio station on the moon!! The person in the picture is a member of JHRC, and he developed LEV-1’s UHF circular polarization antenna!!」、日本語(機械翻訳)では「JQ1ZVI(JAXAハム無線クラブ、JHRC)が、日本で初めてJS1YMG(LEV-1)が月面アマチュア無線局の免許を取得しました! 写真の方はJHRCのメンバーで、LEV-1のUHF帯の円偏波アンテナを開発した方です!」とポストしている。

 

 


変形型月面ロボットの小型月面探査機「LEV-2」が撮影した、月面に逆立ち状態で着陸している「SLIM(スリム」の画像が、「LEV-1」を介して地球に送られてきた(JAXAデジタルアーカイブスより (C)JAXA/タカラトミーグループ(株)/同志社大学)

小型月面探査機「LEV-2」が月面を移動しながらデータを収集し、小型月面探査機「LEV-1」がそのデータを受け取り無線を使って地球に届ける(JAXAデジタルアーカイブスから(C)JAXA)

 

 

●日本初「月の世界」写真公開 「SLIM」月面に逆立ち着陸 約4カ月半…“電源切れ”事態も「FNNプライムオンライン」)
※画面をクリックすると動画がスタートします。

 

 

 なお浅井氏(JA3TDW)の情報によると、Daniel Estevez/EA4GPZ氏のホームページで、小型月面探査機「LEV-1」から送ってくる信号からモールス符号を復調し、意味ある符号列(コールサインや16進数表示のHKデータ)を抽出する方法と、抽出結果を紹介している。興味のある方は、記事下の「関連リンク」から確認してみるとよいだろう。

 

 

小型月面探査機「LEV-1」から送ってくる信号を独自に解析(Daniel Estevez/EA4GPZ氏のホームページから)

 

 

↓この記事もチェック!

 

<日本初の月面着陸に成功>月着陸機「SLIM」搭載の小型月面探査機が発信するアマチュア無線(JS1YMG/437.410MHz)の電波が月から届く

 

 

 

●関連リンク:
・lev1_rover_slim/@LEV1_Rover_SLIM(X/旧Twitter)
・Trying to decode LEV-1(Daniel Estevez)
・無線局等情報検索 JS1YMG(総務省電波利用ホームページ)

 

 

 

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