一般社団法人 日本アマチュア無線連盟(JARL)の愛知県支部、愛知県監査指導委員会と、東海総合通信局電波監理部監視課は3月13日、愛知県名古屋市内においてアマチュアバンド内でルールを逸脱した運用を行っている局に「遵法喚起」や「指導送信」を行う「合同(連携)運用」を行った。その模様を現地取材で紹介しよう。
144MHz帯と430MHz帯のアマチュア無線バンドは、移動しながらの運用に適した周波数帯であることから、モービル機やハンディ機での利用者も非常に多い。そして「周波数の使用区別(いわゆるバンドプラン)を守らない」「コールサインをアナウンスしない」「通信内容がアマチュア業務から逸脱している(仕事の連絡)」など、さまざまな“ルール違反”の通信が目立つのも事実である。
こうした運用を改めさせ、マナーの良いアマチュアバンドにするため、総務省東海総合通信局とJARLの東海地方本部および東海各県の支部・監査指導委員会は、定期的に「合同(連携)運用」と呼ばれる活動を行い、今回で通算14回目(2013年度で4回目)となっている。
これは総合通信局が持つ「電波規正用無線局(違反運用を行っている無線局に“即時停止”を指導するための無線局)」と、JARL監査指導委員会の「アマチュアガイダンス局(アマチュア局に適正な運用を確保するためのメッセージを送信する無線局=アマチュア局ではなく“特別業務の局”という位置づけ)」を同じ地点で連携させながら運用することで、違反運用を効果的に減らしていく取り組みである。
3月13日に行われた合同(連携)運用は、愛知県名古屋市内にある専門学校(学校法人電波学園 名古屋工学院専門学校)を会場として、ロケーション抜群の屋上にアンテナを設置。校内の一室に規正用無線局とアマチュアガイダンス局が机を並べて運用を行った。以下、写真で紹介しよう。

電波規正用無線機は接続したノートパソコンで操作。「ただちに電波の発射を中止しなさい」など、違反局に警告や運用中止を命ずる音声が送信できる。受信した内容の保存も可能。左にあるのは電波監視システム「DEURAS(デューラス)」の操作端末。各地に設置された「センサ局」を操作し、不法局の現在位置を極めて高い精度で割り出すことができる
合同(連携)運用は、JARL監査指導委員がアマチュアガイダンス局の設備で144MHz帯や430MHz帯をワッチ。ルール違反の通信を行っている局があると、詳細な記録を取ると共に、必要に応じて遵法を呼びかけるメッセージを送信する。
このメッセージを流されると、ルール違反の局の多くは運用を即座に止めたり「はい、わかりました」などのリアクションがある。ところが中にはメッセージを無視して交信を続けたり、「うるせえなあ」「コールサイン?じゃあ、頭の文字だけ教えてやるよ、JR2だよ」などと居直る局もいる。こうなるとお隣で待機している総通の出番となる。
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総通の電波規正用無線局の「警告」と、電波監視システム「DEURAS」の活躍とは!?
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