かねてから検討されてきた、一般社団法人 日本アマチュア無線連盟(JARL)の会員向け機関誌「JARL NEWS」の電子ブックサービス、「電子版JARL NEWS」が7月1日からスタートした。電子化にはスターティアラボ株式会社が提供する、電子ブックソフト「ActiBook(アクティブック)」というシステムが採用され、インターネットに接続したパソコン上での閲覧のほか、iOS(iPhone/iPad)、Android版用の閲覧アプリも用意されている。パソコンで閲覧した限り、「電子版JARL NEWS」のページ構成などは従来の雑誌形式のものと変わらない。ただし残念なことに、コンテンツのダウンロード保存や印刷などには対応していない。
JARLは会員向け機関誌として「JARL NEWS」を春、夏、秋、冬の年4回発行している。「紙による雑誌形式のものを全会員に郵送するより、電子化したほうが経費の削減化が図れる」という会員の声は以前から根強く、理事会などで検討が重ねられていた。
今回、「前納会費制度(いわゆる終身会員制度)」の終了に伴う「ライフメンバー」への移行により(2月4日記事)、会員の地位は変わらないものの、2014年4月以降(1994年7月7日以降に前納会費を納入した者は2024年4月以降)、QSLカードの転送サービスには「転送手数料(年額3,600円)」を、またQSLカード転送とJARL NEWSの購読をする場合は「ライフメンバー会費(年額7,200円)」を支払わなくてはならない。つまりQSL転送サービスのみを受ける会員や、まったくサービスを受けない会員には雑誌形式の「JARL NEWS」が送られてこないことになった。
そのため、かねてより検討されてきた「電子版JARL NEWS」が、7月1日発行の「2014年夏号」からスタートした。JARL Webの会員専用ページで予め登録しているコールサインとパスワードを入力することで閲覧できる。7月1日現在、「2014年夏号」のほかに、バックナンバーである「2014年春号」のデータが用意されている(2014年春号で指摘された誤記は修正されていない)。
閲覧は一般的なPDF形式ではない。スターティアラボ株式会社が提供する、電子ブックソフト「ActiBook(アクティブック)」が採用されている。パソコンによるWeb閲覧では、専用のビューアーが立ち上がり見開き単位で閲覧できるほか、拡大、縮小、文字検索、目次からの目的ページへのジャンプなど、電子化ならではの機能が搭載されている。パソコン以外でも、iOS(iPhone/iPad)、Android版用の閲覧アプリも用意されているので、スマートフォンやタブレットでも読むことができる。
しかし、残念ながらコンテンツのダウンロード保存や印刷などはできない。会員の中からは、「どうして自分のパソコンにデータを保存することができないのか」「プリントしてファイリングしておきたかったのに」という失望の声もあがっている。
また「専用の電子ブック作成ソフトは有料なので、JARLはスターティアラボ社にいくら支払っているのだろうか」「あまり経費削減にはつながらないのでは…」「広く使われているPDFで配布すれば費用はかからないのに」と、採用経緯や費用を疑問視する声もある。当然、JARL会員を退会したような場合は閲覧できなくなる。
なお「ActiBook」の料金をスターティアラボ社のWebサイトで確認したが、明確には記載されず「お問い合わせください」となっていた。雑誌用のデータをActiBook用にデータ変換する場合は手数料がかかり、閲覧する端末の個数によりビューアーの使用料金が発生するはずだが…と指摘する会員もいる。
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