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<人生の最期まで無線を楽しもう!!>終活に向けた“無線じまい”の互助会的グループ「滋賀DXファイナルクラブ」発足

多くの人が生涯を掛けて楽しんでいる趣味、アマチュア無線。しかし、いずれはたくさんの無線機やアンテナ、タワーなどを遺して旅立っていくことになる…。そのとき家族は、無線機の処分やアンテナの撤去、未発行のQSLカード、無線従事者免許証や無線局免許状の返納といった問題に対応できるだろうか? 2019年1月4日、滋賀県内でDX通信を楽しんでいる現役ハム9名が「仲間が亡くなった時には、みんなで助け合って後始末をしよう」という、終活に向けた“無線じまい”の互助会的グループ「滋賀DXファイナルクラブ」を発足させた。その活動内容を紹介しよう。

 

 

「滋賀DXファイナルクラブ」メンバーのコレクション。丹精込めた自作機や往年の無線機が所狭しと並ぶが、こうした“お宝”もいずれは整理しなくてはならない…

 

 

 滋賀DXファイナルクラブのメンバーの一人、JH3QFL 畑 多喜男氏から寄せられた、同クラブの発足経緯と活動についてを紹介する。

 


 

「滋賀DXファイナルクラブ」の発足

 

 滋賀県内で今年1月4日、およそ半世紀にわたりDX通信を楽しんでいる現役ハム仲間9人の新しい無線グループが発足しました。
 グループと言っても、従来からよくあるハムの発展に寄与することを目的としたものではなく、仲間が亡くなった時にみんなで助け合って「後始末」をしようという集まりです。いわば終活に向けた「無線じまい」の互助会的なグループです。名付けて「滋賀DXファイナルクラブ」。「ファイナル」は、ハム用語の「終段」の意味で、人生の最期まで無線を楽しもうという願いが込められています。

 

★発足の経緯

 

 昔から知り合いの無線仲間の大半が60歳を過ぎ、高齢者といわれる年代になりました。お互いにまだまだ若い気持ちではいますが、高所作業のアンテナ工事等では加齢による体力低下を感じることが少なくありません。
 そうした中、誰もがいずれ最期を迎え、残された無線機器や設備を処分する時が訪れます。残念ですが、長くてもあと20年あるかどうかです。それも歳の順番とは限りません。

 

 そこで、人生の終えんを迎える時が来ても無線設備の後始末を心配しないでもいいように、無線のことをよく知りあっている仲間に、他界後の無線設備一式の整理を生前にお願いしておくというグループを作ってはどうかという話をきっかけに、賛同者が集まり発足しました。

 

 すでに他界した仲間を見送り、家族からの依頼により無線関係の遺品や大型タワーおよびアンテナを撤去した経験があることも、クラブ発足を後押ししました。このクラブがあることで、後始末を気にすることなく、最期まで無線を楽しむことができます。
 発足会では、メンバーは亡くなった仲間の葬儀が終わり、落ち着いた時期に遺族と無線関係機材の整理のことを相談し、遺族の依頼を受けて処分するので、家族には“自分が亡くなっても無線関係の後片付けは仲間がすべてやってくれるので心配はない”ことを生前に話しておくことと、その連絡先を伝えておくことを申し合わせました。

 

 

滋賀DXファイナルクラブのメンバーで「無線じまい」を行い、敷地に残ったタワーのコンクリート基礎部。大きなアンテナやタワーはなくなり、きれいさっぱりしたという

 

★心配の払拭と資産の有効活用

 

 死去後、タワーが長らく残っていても、安全な状態になっていれば心配はありませんが、それでも状況がよくわからない家族や近隣住民にとっては、台風が来襲した時などは気になると思います。また、我々にとっては大事な無線機器をあたかもゴミのように廃棄処分してもらっては、しのびないとの思いもあります。
 しかし、無線に関心のない人にとっては、高価な無線機もただの「金属の箱」に見えてしまうこともあろうかと思います。死後は口出しできません。自分がどのように無線を楽しんできたかをよく知っている親しいハム仲間が遺族と相談しながら自分の「お宝」の後始末をしてもらうことができれば最期まで安心して無線が楽しめるのではと考えます。

 

★クラブの活動

 

 すでに知り合っている仲間同士なので、メーリングリストでつながっている情報交換と懇親会以外の活動は考えていません。年数回、顔を合わす懇親会を開く程度で、仲間が元気で無線を楽しんでいるかを確認しあうことが重要な活動です。会則や会計は設けず気楽な集まりとします。クラブにはメンバーの同意により加入できます。

 


 

 他の多くの趣味と同様、アマチュア無線の世界も高齢化が著しい。「趣味をどう終わらせるか」や、「使用した無線機やアンテナの整理(撤去)をどうするか」「収集した資料を後世にどう伝えるか」などを真剣に考えることが必要な時代になってきた。そういう意味でこのクラブの発足は意義あるものといえるだろう。

 

 なお、「滋賀DXファイナルクラブ」はホームページやFacebookページを開設していない。畑氏はhamlife.jpの取材に「クラブの活動が“外向き”の内容ではないため、現在のメンバーが使っているメーリングリストで連絡を取り合うほか、互いに近隣に住んでいますし、他の所用でしばしば出会う機会が多いことから、第三者向けの情報発信はしないかもしれません」と回答してくれた。
 同クラブへの連絡は畑氏のメールアドレス、jh3qfl(アットマーク)yahoo.co.jpへして欲しいとのことだった。

 

 

こちらの記事(2013年9月掲載)もチェック!!
<写真で見る>石材店がプロデュースした「ハムのお墓」--石材彫刻の無線機とマイクを配置し、コールサインを刻印

 

 

 

●関連リンク:「Masacoのむせんのせかい」滋賀DXファイナルクラブの皆さん(月刊FBニュース 2022年2月号)

 

 

 

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