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<官報号外で公布、4月21日から即日施行>きょうから1.8/3.5MHz帯がバンド拡張、免許手続き簡素化など制度整備も実現

前ページからの続き)

 

 きょうから施行されたおもな内容は次のとおり。

 

(その1)アマチュア局の免許手続きの簡素化
 開設済みのアマチュア局において、送信機の外部入力端子に付属装置(PC等)を取り付け、新たなデジタルモードの運用を行う場合などに、指定事項に変更が生じなければ、送信機系統図や付属装置の諸元は提出不要となる(2020年4月21日以降の申請・届けから)。

 

 また現在、デジ夕ルモード(例:JT65、FT8)による運用手続きが済んでいる局は、追加のデジタルモード(例:FT4)などを運用する場合の免許手続きは指定事項に変更が生じなければ不要になる。

 

総務省が1月17日の意見募集時に公表した「免許手続きの簡素化」資料より

 

 

(その2)アマチュア局の無資格者の利用機会の拡大
 アマチュア無線の無資格者でも年齢を問わず「無線技術に対する理解と関心を深めるため社団が行事等の開催に伴い臨時に開設するアマチュア局」からの運用が可能になる。通信の相手方もアマチュア局全般とする。

 

 コールサインは「8JnYxx~Zxx」(nは0から9までの数字。xはAからZまでのアルファベット)が2020年4月21日から申請受付順に付与(コールサインの希望はできない)。既存社団局との設備共用による開設も認められるが、既存社団局のコールサイン変更はできない。

 

総務省が1月17日の意見募集時に公表した「無資格者の利用機会拡大」資料より

 

 

(その3)周波数の追加割当て
 1.8MHz帯のアマチュアバンドに1800~1810kHzを一次業務、1825~1875kHzを二次業務として追加分配。SSBなどの音声通信が可能になる「全電波型式」の使用区別がこのバンドに初めて誕生する。3.5MHz帯アマチュアバンドは3575~3580kHzと3662~3680kHzを二次業務として追加分配。ただし二次業務の周波数はアマチュア業務以外の無線局に妨害を与えないように注意が必要。

 

総務省が1月17日の意見募集時に公表した「周波数の追加割り当て」資料より

 

<追加された周波数の運用について>
(参考:総務省 総合通信基盤局 電波部 移動通信課/編「アマチュア局の免許手続きの簡素化、無資格者の利用機会の拡大及び周波数の追加割り当て」 CQ ham radio誌 2020年5月号掲載)

 

★免許状に「1910kHz」が記載されている場合の運用可能日
・1.8MHz帯の拡張周波数部分において「A1A」が指定されている場合は、A1Aの運用が手続き不要で公布日(2020年4月21日)から可能。
・1.8MHz帯の拡張周波数部分において「3MA」が指定されている場合は、A1Aに加えてデジタルモードによる運用が手続き不要で公布日(2020年4月21日)から可能。
・「4MA」が指定されている場合は、1.8MHz帯の拡張周波数部分において、手続き不要でデジタルモードによる運用が公布日(2020年4月21日)から可能。

 

★1.8MHz帯の音声系モード(J3Eなど)の運用について(4月24日12時現在の情報)
・一括記載コード「3MA」「4MA」にはJ3E(SSB)などの音声系モードは含まれていない(「4MA」はF1B、F1D、G1B、G1Dの4モード。これにA1Aを加えた5モードで「3MA」となる)。そのため1.8MHz帯の拡張周波数部分で音声系のモード等を運用する場合、現時点では別途申請手続きを経る必要がある。今すぐにSSBで電波を出すと電波法違反となるのでくれぐれも注意していただきたい。

 

 総務省は1.8MHz帯SSBを運用する手続きの簡素化として、一括コードの「3MA」「4MA」にJ3Eなどの音声系モードを追加するための法的手続きを開始。4月25日から5月29日までパブリックコメントの募集が行われることになった。順調なら6月中には(現在1.8MHz帯の3MA/4MAで免許を受けている局は)特別な申請不要で1.8MHz帯のSSBモードの運用ができるようになる見込みだ。

 

4月24日付けのこの記事を参考に↓
<1.8MHz帯/475kHz帯でSSBモードなどの運用を容易に>総務省、「アマチュア局において使用する電波の型式を表示する記号を定める告示の一部改正案に対する意見募集」を実施

 

 なお“告示改正が待てない。すぐに1.8MHz帯のSSBモードを申請したい”という場合、メーカー製のアマチュア無線機(技適機種)を申請に使うなら、その機種が1.8MHz帯のSSBモードでも技術基準適合証明(工事設計認証)を受けているかの確認が必要だ(たいていは含まれていないと思われる)。1.8MHz帯のSSBモードで技適を受けていない機種は、“自作機”の扱いでJARD等の保証認定を経て変更申請を行うことになる。

 

総務省 電波利用ホームページの「技術基準適合証明等を受けた機器の検索」で、アイコムのIC-7851の技適内容を確認してみた。残念ながら1.8MHz帯はA1AとG1Bの技適(工事設計認証)しか受けておらず、J3E(SSB)は含まれない。そのため現状では、IC-7851で1.8MHz帯SSBを申請するには「自作機扱い」でJARDなどの保証認定を受ける必要がある

 

★免許状に「3537.5kHz」が記載されている場合の運用可能日
・3.5MHz帯の拡張周波数部分において、手続き不要で公布日(2020年4月21日)から運用可能。

 

 

(その4)総務大臣が公示する者が「空中線電力200Wを超える送信機」のスプリアス確認保証が行えるようになる
 今後、JARDが200Wを超える送信機(リニアアンプ等)のスプリアス確認保証の実施を準備する方針と伝えられている。

 

 

 

●関連リンク:
・インターネット版官報 2020年4月21日号外
・1.9MHz帯・3.5MHz帯の周波数追加割当が決定!!-4月21日、無線局免許手続規則などの一部改正(JARL Web)
・無線局免許手続規則の一部を改正する省令案等に係る意見募集-アマチュア局の免許手続きの簡素化、無資格者の利用機会の拡大及び周波数の追加割当て-(総務省 1月17日)
・無線局免許手続規則の一部を改正する省令案等に係る電波監理審議会からの答申及び意見募集の結果-アマチュア局の免許手続の簡素化、無資格者の利用機会の拡大及び周波数の追加割当て-(総務省 3月11日)

 

 

 

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