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【最速リポート】<1.8~430MHz帯をカバーするスクリュードライバー型アンテナ>第一電波工業の新製品「RHM12」と「オプションコイル」を使ってみた

「ダイヤモンドアンテナ」のブランドで知られるアンテナメーカー、第一電波工業株式会社は、移動運用先での使用に便利な垂直スクリュードライバー型アンテナ「RHM12」(7~430MHz帯)とオプションコイル「RHMC12」(1.8/1.9MHz帯用と3.5/3.8MHz帯用の2本をセット)を2021年10月18日に発表し(10月19日掲載の記事参照)、このほど出荷を開始した。すでに一部の無線ショップには少数ながら入荷しているようだ。さっそくhamlife.jpも同アンテナを入手、HFローバンドを中心に使ってみたので紹介しよう。

 

第一電波工業の垂直スクリュードライバー型アンテナ「RHM12」。左はノーマルの状態(7MHz帯以上をカバー、全長約2.75m)、中央はオプションコイルセット「RHMC12」の3.5/3.8MHz帯用コイルを装着した状態(全長約2.9m)。バンド変更とSWR調整はコイル部分の“筒”の上下スライドで行える(右)

RHM12とRHMC12を入手(写真上はそれぞれの同梱物)。取扱説明書は8ページ構成で図版をふんだんに使って読みやすい

 

 第一電波工業はこれまでも1本で7~430MHz帯をカバーする「RHM10」というな垂直スクリュードライバー型アンテナを発売していたが、今回登場したRHM12はこれに全面改良を施した製品だ(RHM10は11月1日現在で生産完了品となった)。主な改良点(hamlife.jpの独自調査)は次のとおり。

 

 

<RHM12が進化したポイント>

 

★全長2mを超えるロッドエレメントを採用、最大長は1.77m→2.75mになり、電波の飛びと広帯域化が図られた

 

★コイルのスライド部分の目盛り(数値表示)が周波数帯表示(TPS:チューニングポイントスケール機能)に代わり、換算表不要で狙ったバンドに直感的なQSYができるようになった

 

これは旧モデル「RHM10」の写真。円筒形の部分に目盛りのシールが貼られ、運用バンドを変えるときは取扱説明書の換算表が欠かせなかった。スライド部分のロックは樹脂製だ

 

★コイルの同調周波数帯(TPS)を示すシールは平らな部分に貼られ、スライド部分のロックと解除を繰り返しても傷や剥がれの心配が軽減された(※RHM10は、コイルの筒を固定した状態のまま、無理にスライドさせると目盛りのシールを傷めることがあった)

 

★コイルのスライド部分のロックが樹脂素材からメタル素材に変わり、固定と解除が確実に行われるようになった(QML:クイックメタルロック)

 

コイルのスライド部分が周波数帯表示になり、シールは平らな部分に貼るなど剥がれにくくする工夫(赤枠内)もなされている。ロック部分もメタル素材に変更され、固定と解除がより確実になった

 

★オプションコイルセット「RHMC12」を使用することにより、1.8/1.9MHz帯や3.5/3.8MHz帯での運用も可能になった

 

★3.5/3.8MHz帯のオプションコイル使用時、非常通信の連絡設定用周波数である4630kHzでの送受信にも対応する

 

オプションコイル1.8/1.9MHz帯用と3.5/3.8MHz帯用がセットで販売される

 

★430MHz帯はコイル上部に別添のエレメント、最下部にラジアルを取り付ける形式(5/8λで動作)になった

 

430MHz帯の運用には別添のエレメントとラジアルを使用する

 

★50/144MHz帯の運用時はロッドエレメント部分を少し縮め、「全長1.33m」に合わせる必要がある(50MHz帯:1/4λ、144MHz帯:5/8λで動作)。その目安となるように“全長1.33mの紐”が付属してくる

 

★本体重量は300g→350gにアップ

 

★RHM12の希望小売価格はRHM10から据え置き

 

 なおRHM12はRHM10と同様、移動運用先で仮設的(ポータブル運用)に使うことを前提に設計されたもので、いわゆる“全天候タイプ”ではない。そのため強度や防水性の観点から、モービル走行中や強風・雨天時の使用はできないので注意してほしい。

 

 

◆実際に使ってみた!

 

 広い公園に駐車したRV車のルーフレール基台(第一電波工業「K515」)に、RHM12を取り付けてみた。ロッドエレメントが長いので、手元で完全に伸ばしきってからアンテナ基台に取り付けた方が作業がやりやすい。なお各バンドともボディアース(カウンターポイズ)が必要になるので(1.9~50MHz帯:1/4λ、144/430MHz帯:5/8λで動作)、車の屋根に第一電波工業のマグネットアースシート「MAT50」1枚を貼り付けた。

 

RHM12には良好なアース(カウンターポイズ)が必要。車両の屋根に第一電波工業のマグネットアースシート「MAT50」1枚を貼った。MAT50の端子側はアンテナ基台に共締め

 

 最初は7MHz帯をチェック。コイルのスライド位置はTPSの周波数帯表示で「7.0~7.3」の中心よりもやや上、7080kHz付近を狙ってざっくりと合わせてみた。その上でアンテナアナライザーで測定したところ、SWRは最良点で1.7程度、その前後30kHz程度が2.0以内という状態だった。

 

同軸ケーブル端にアンテナアナライザー(AA600)を接続し7MHz帯のSWR特性を測定。最良点で1.7程度

 

 この数値なら無線機内蔵のATU(オートアンテナチューナー)でさらにマッチングを取ることもできる。試しに50W出力のSSBモードで運用してみたが、パイルアップになっている局以外は問題なくピックアップしてもらえた。全長2mクラスの7MHz帯モノバンド用モービルホイップと比較しても飛びに遜色ないだろう。

 

 また10MHz帯は最良点のSWRが1.7、14MHz帯は1.5、18/21/24/28/50MHz帯は1.2~1.3程度に収まった。どのバンドも無線機内蔵のATUの併用でスムーズに運用でき、国内局はもちろんだが、コンディションにも恵まれてコンテスト参加の海外局とも交信が行えた。前モデルのRHM10とは異なり、取説の「換算表」を使わずに直感的にバンド変更ができるのがありがたい。

 

バンド変更やSWR調整はコイル部分をスライドさせるだけ。換算表不要で直感的に行える

 

 アンテナアナライザーを持っていない場合は、無線機をAMモードにして受信音量を上げておき、コイルを目的周波数付近でスライドさせ、雑音が最も多くなった付近が同調点と考えてほぼ間違いない(この方法で、主要な短波帯放送バンドや航空無線の洋上管制用周波数などでもマッチングを取ることができた)。あとは無線機のSWRメーターを使って微調整し、最終的にはATUをONにすれば問題なく運用できる感じだ。

 

 

◆オプションコイルを装着!

 

 続いてオプションコイル(RHMC12)のうち、まず3.5/3.8MHz帯用コイルをRHM12に装着した。この状態で3.5MHz帯のSWRを測ってみたが、最良点で1.9程度とやや高めだった。

 

3.5MHz帯のSWR特性。この時点ではマグネットアースシートが1枚だったので、最良点で1.9程度

 

 そこで急遽、マグネットアースシート(MAT50)を近所のショップでもう1枚購入。合計2枚を屋根に貼り付けた状態で測定したところ(駐車位置は変わらず)、最良点で1.4まで下がることを確認。実はRHM12の取扱説明書にも「マグネットアースシート MAT50、1.9/3.5MHz帯を使用する際は2枚必要」と明記されている。改めてアース(カウンターポイズ)の重要さを認識した。

 

取扱説明書のアドバイスに従い、マグネットアースシートを2枚に増やしてみた

マグネットアースシートを2枚に増やした状態で、3.5MHz帯のSWR特性を再測定。最良点は1.4まで下がった

 

 またRHM12は3.5/3.8MHz帯用のオプションコイルを装着した状態で、本体コイルのスライド量を変えていくと、非常通信の連絡設定用周波数である「4630kHz」の送受信にも対応する。今回、最良に調整した状態で測定したところ、4630kHzにおけるSWRは1.9を示した。同周波数は内蔵のアンテナチューナーが動作しない無線機が多いが、この数値であれば、ひとまずATUなしでも非常時の連絡設定通信に利用できるだろう。

 

4630kHzのSWRは1.85~1.9を示した

 

 次に1.8/1.9MHz帯用のコイルに交換してみた。こちらはマグネットアースシートが1枚でも2枚でもほぼ同じ結果で、最良点のSWRは1.09と極めて良い数値だった。ただしSWRが良好な幅はかなり狭く、2.0以下で収まる範囲は±4kHz程度。無線機のアンテナチューナーを併用する場合でも、バンド内で大きくQSYする場合はRHM12側での同調の取り直しが欠かせない感じだ。

 

 とはいえ、本体コイルをスライドさせながらの1.8/1.9MHz帯のSWR調整はかなりブロードで、例えば「最良点をあと3kHz上にしたい」といった微妙な調整も行いやすく、マッチングに苦労は感じなかった。

 

1.8MHz帯のSWR特性。最良点は1.09と優秀。ただしSWRが良好な幅はかなり狭い

 

 実際の160mバンドの運用はどうだろうか。1.8/1.9MHz帯コイルを装着したRHM12を車両に取り付け、夜8時頃から同じ場所で移動運用を行ったが、約20分間で3局(1、4、7エリア)とSSBによる交信に成功。こちらが50W出力ということもあってか、相手局へ送ったRSリポートよりも、受け取るRSリポートは若干落ちたものの十分実用になる印象だ。モービル基台に取り付けられる全長わずか3mのアンテナで、手軽にこのバンドが運用できるメリットは大きい。

 

夜間に1.8MHz帯SSBで運用。CQを出したら3局に呼ばれた(アンテナ写真は日没前に撮影)

 

 1.8/1.9MHz帯は移動運用でも周囲の建物や照明、インバーター機器などから発生する雑音の影響を受けることがある。しかしワイヤーアンテナとは違い、車両に取り付けたRHM12+RHMC12なら雑音の少ない場所を探して位置を変えることが容易だ。本格的なアンテナを展開する前に、ノイズが少ない場所を選定する場合にも役立つだろう。

 

 HFの短縮型モービルホイップは「目的の周波数で同調が取りにくい」「最良点でもSWRがあまり下がらない」という声も聞くが、RHM12はスライド式コイルにより、目的とする周波数でピンポイントの同調が行いやすく、しかも2枚のマグネットアースシートを使うことで、1.9MHz帯や3.5MHz帯でもSWRがしっかり下がるのは好印象だった。

 

 また、カメラ用の三脚にRHM12を取り付け(同社のカメラ三脚用取り付け金具「TRS3」が便利)、カウンターポイズとして各方向に長めのリード線を這わせる方法での運用も可能。IC-705やFT-818NDを使った手軽なオールバンドのポータブル運用でも活躍できそうだ。

 

TRS3でカメラ用三脚にRHM12を固定、カウンターポイズとして各方向に長めのリード線を取り付けた。この組み合わせはモービル以外のフィールド運用に便利

 

 ローバンドの伝搬が良くなる、これからのシーズンの手軽な移動運用や、万一の場合に役立つ “どのバンドでもQRVできる、スーパーサブ的なアンテナ”として、RHM12とRHMC12の組み合わせは人気を集めそうだ。

 

 なお10月30日現在、無線ショップによってはRHM12の初回入荷数が少なく、まだ予約注文のすべてに対応できていないところもあるようだ。購入希望者はまずショップに問い合わせてみることをお勧めする。

 

RHM12とRHMC12はこれからのシーズンの手軽な移動運用に役立ちそうだ

 

 

こちらの記事も参考に↓

<別売コイルで1.8/1.9MHz帯、3.5/3.8MHz帯、4630kHzも運用可能>第一電波工業、移動運用に便利なMF~430MHz帯スクリュードライバー型アンテナ「RHM12」を発表(2021年10月19日掲載)

 

<アース取付用蝶ネジ付>第一電波工業、カメラ三脚用取付金具「TRS3」を新発売(2020年8月21日掲載)

 

 

 

●関連リンク:
・新製品情報 RHM12(第一電波工業)
・RHM12 取扱説明書PDF(第一電波工業)
・MAT50(第一電波工業)
・TRS3(第一電波工業)

 

 

 

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