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<HFハイバンドの状況はいまひとつだが…>サイクル25による太陽活動の活発化で太陽黒点数が連日 “200” に迫る勢い

正月三が日を過ぎたころから太陽黒点相対数(SSN=サンスポットナンバー)が上昇し始め、この数日間は連日 “200” に迫る勢いを見せている。しかし、その数値の上昇とは裏腹にHF帯ハイバンドを中心にしたコンディションはいまひとつだ。DX通信の主流となったデジタルモードのFT8では、朝方の21~28MHzでは確かに北米やカリブ、南米方面のパスはあるものの、昨年10月ころの活況には至っていない。夕方のヨーロッパ方面のオープンも精彩を欠いている。(※この記事の本文中の時刻表記はJSTを使用しています)

 

 

太陽の活動はすでに予測(赤線)を上回り、2025年に「サイクル25」のピークを迎えると予測(SPACE WEATHER PREDICTION CENTERのWebサイトから)

 

 

 アメリカ航空宇宙局(NASA Blogs Home)によると「2019年12月から始まったサイクル(太陽周期)25での太陽の活動は急速に増加しており、このサイクルはまだピークレベルに達していませんが、太陽の活動はすでに予測を上回っています。2025年の太陽極大期に近づくにつれ、太陽現象は増加し続け、地球上の私たちの生活やテクノロジー、さらには宇宙の衛星や宇宙飛行士にも影響が及ぶでしょう」と説明している。

 

 太陽黒点数が上昇する中で、従来からのCWやSSBでオンエアーするDX局は少なくコンディションを掌握するのは難しくなった。その一方で、今のアマチュア無線のトレンドであるデジタルモードの「FT8」や「FT4」などは、人間の耳では聞きづらいノイズに埋もれた極めて微弱な信号を拾い上げて交信できることから、今までDX交信しずらかった環境だったため諦めていたという無線家がオンエアーするケースも多く、今回のサイクル25ではDX局との交信チャンスが格段に増えたことも特徴の1つと言えるだろう。

 

 そのコンディションだが、太陽黒点数は年末年始に続いた「60前後」という状況からはようやく脱却し、日によっては「200」に迫ることもあるが、その割にはHFハイバンドのコンディションは冴えない。21~28MHz帯では朝方に北米、カリブ、南米方面がオープンするものの、昨年10月ごろのようにFT8で「1画面(1シーケンス)では収まりきらないほど、北米・南米局がデコードできた」「何気なくCQを出したら立て続けに呼ばれて50局以上交信できた」といった状況からは程遠い。夕方からのヨーロッパ方面のパスも精彩を欠き、むしろ14MHz帯のほうが良好かもしれない。

 

 一方、50MHz帯のFT8では朝方にZL(ニュージーランド)がよく入感するようになってきた。地域は限定されるがPY(ブラジル)の局がJAの入感をリポートすることもある。春のコンディションの到来を感じさせる出来事だ。また1.8MHz帯や3.5MHz帯のFT8では、このところ早朝(日の出前後)にヨーロッパ方面が良好に入感する状況が続いているようだ。

 

 

直近1か月間の太陽黒点相対数(SSN=サンスポットナンバー)の推定値。2024年の新年を迎えたあたりから数値が上昇しだした(宇宙天気情報センターのWebサイトから)

「太陽黒点情報 宇宙天気情報センター」のWebサイトに掲載された2024年1月15日(月)の太陽黒点映像。多数の黒点が確認できる(宇宙天気情報センターのWebサイトから)

 

 

 

●関連リンク:
・SOLAR CYCLE PROGRESSION(SPACE WEATHER PREDICTION CENTER)
・Solar Cycle 25 is Exceeding Predictions and Showing Why We Need the GDC Mission(NASA Blogs Home)
・宇宙天気情報センター
・太陽黒点(宇宙天気情報センター)

 

 

 

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