一般社団法人 日本アマチュア無線連盟(JARL)は2016年12月8日、東京・麹町のホテルで6年ぶりとなる年末行事「アイボールミーティング」を開催し、総務省や関連団体、アマチュア無線業界、JARL関係者など多数の参加で賑わった。また同行事にはJA1LXGのコールサインを持ちJARL会員でもある小渕優子衆院議員も出席した。
JARLは従来、会員やアマチュア無線関係者などによる会費制の「アイボールミーティング」を毎年12月に開催してきたが、一般社団法人に移行した2011年以降は開催されていなかった。今回6年ぶりに同行事が復活し、会場のホテルルポール麹町(麹町会館)エメラルドルームに多数が集合した。
開会のあいさつを行った髙尾義則JARL会長は『JARLでは平成22年までアイボールミーティングを開催していたが、平成23年の東日本大震災の際に自粛をさせていただいた。昨年、連盟90周年を記念した祝賀会を開催した際にいろいろお話をさせていただくことができ、こうした会の重要性を再認識し、今年6年ぶりに開催の運びとなった』『アマチュア無線を取り巻く環境は厳しい。若年層が少ないため育成が重要になってくる。若い方に電波や科学などの啓蒙を行っていきたい。今月から22歳までのお試し入会キャンペーンや学校クラブ局の補助を大学まで延長することも始めた。アマチュア無線は東日本大震災でライフラインが寸断する中、唯一の連絡手段として活躍し、有用だという評価を得ることができた。今後もアマチュア無線を大切に伝えていきたい』と述べた。
また来賓として、JARL会員でもある衆議院議員の小渕優子氏(JA1LXG)が初めて出席し、次のようにあいさつを行った。その全文を紹介しよう。
『皆様こんばんは、ただいま紹介にあずかりました衆議院議員のJA1LXG 小渕優子でございます。本日この会が6年ぶりに開催されますことを心よりお慶び申し上げます。またお招きいただいたことを大変嬉しく思っております。
ご承知かと思いますが、私の父(故・小渕恵三 元内閣総理大臣)も「JI1KIT」のコールサインを持っており、国会のアマチュア無線クラブで活動しており、皆様といろいろなご縁を持つことができ、とても喜んでおりました。
私の父が免許を取ったのは、私が小学校に入る前だったと思います。私がもう少し大きければその時に一緒に取ってしまえばよかったのですが、まだまだ小さかったので。しかし父が一生懸命勉強していたり、アマチュア無線を使っているところを見ておりましたので、よく覚えております。
父は当時、国会の中でも同じ関心を持つ議員と共に活動を続けていたこと、アマチュア無線の重要性をとても深く理解をしながらやっていたことと思います。そしてご縁をいただいて、私も2004年に皆様のお仲間に加えていただくことになりました。まだまだでありますので、皆様からご指導いただけますように、宜しくお願い申し上げます。
昨年は私の地元、群馬県の渋川市におきましてARDFの選手権が開かれました。私は初めてこの選手権を見させていただいたのですが、素晴らしいなあと思いました。というのはアジア太平洋地域の皆様方がお越しになったのですが、本当に若い方から結構年配の方までいらっしゃって、アマチュア無線の可能性というか、幅の広さ、奥の深さというものを感じた次第であります。そしてこういう選手権が私の地元で開催をさせていただけるということが、大変これもご縁だなあと思い、嬉しく感じました。
今お話を伺っていますと、組織を挙げて若い皆様方にアマチュア無線の良さを知っていただくべく、頑張ってやっていくというお話がありました。確かに皆さん携帯電話をお持ちになって、AIとかIOTとかがどんどん進んでいく中であっても、私はやはりアマチュア無線の良さや重要性を皆様方がよく理解をしていただきたいと思いますし、科学技術の普及のみならず“理科離れ”という話もありますけれど、アマチュア無線を通じて小さい頃から皆さんが関心を持っていただければ嬉しく思うところであります。
今、国会議員の中にもコールサインを持っている人がほかにいないかどうか、いろいろと探しております。ただ、なかなか「アマチュア無線の免許を持っていますか?」とは聞けないもので、皆様方のほうが情報をお持ちじゃないかと思うので、“この人はアマチュア無線に関心があるよ”とか、“コールサイン持っているよ”といった方がいらっしゃったら、ぜひ教えていただきたいと思います。
国会のほうも、私が父から引き継ぎましたので、アマチュア無線に対してもより一層普及していけるよう、皆さんと共に力を合わせていきたいと思いますので、どうか宜しくお願い申し上げます。今日のご縁を大切に、また皆さんとお話しできることを楽しみにしておりますので、どうか今後とも宜しくお願い申し上げます。今日は誠におめでとうございました』
さらに総務省総合通信基盤局 電波部長 渡辺克也氏があいさつを行い、その中では『今年の9月にCEPTとアマチュア無線資格の相互承認(相互運用協定)を結んだ。1アマの皆さんはヨーロッパにおいてアマチュア無線の運用や開設が円滑に対応できるようになる。これは今月12月21日に発効する予定だ』という発表も行われた。
この後、アイボールミーティングは日本アマチュア無線機器工業会(JAIA)の相神会長による乾杯の発声、出席者による懇談と続き、途中で祝電の披露も行われた。
さらに後半では、髙尾会長自らがプレゼンターとなって「お楽しみ抽選会」が行われ、年末ジャンボ宝くじや日本酒、おせち料理セットなどが当選者に贈呈された。
最後に前JARL会長の山之内俊彦氏(JA7AIW)が3本締めを行って、1時間半におよぶアイボールミーティングは終了となった。
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