米国議会上院は与野党の対立から新たな予算案が可決できず、4年ぶり(2013年10月以来)となる一部政府機関の閉鎖が始まった。この影響で国防総省が世界各地に駐留する米軍関係者向けに放送している「AFN(American Forces Network、駐留米軍放送網)」は、米国東部標準時の1月20日(土)からサービスが停止され、日本を含む世界中のAFNラジオではクラシック音楽が繰り返し流れている。またアマチュア無線との関係が深いFCC(Federal Communications Commission、連邦通信委員会)も、事態が長期化した場合は業務停止になる可能性を示唆している。
【追記:2018年1月21日15時】
AFN東京、AFN沖縄は1月21日の13時25分頃に通常放送を再開した。15時30分現在、アプリで受信できる各国・地域のAFNも通常放送に戻った模様。
AFNは現地時間の1月20日にTwitterやFacebookページで「Due to the government shutdown, AFN services are not available(政府閉鎖のためAFNのサービスは利用できません)」と告知、AFNラジオ放送は通常放送を中断しクラシック曲を繰り返し流すようになった。日本の中波放送バンドで行われている「AFN東京(810kHz)」「AFN三沢(1575kHz)」「AFN岩国(同)」など各局も「エリーゼのために」「トルコ行進曲」といったクラシックのピアノ曲が繰り返され、その合間に「Due to the government shutdown, AFN services are not available」の男性アナウンスが挿入されている。
埼玉県和光市にあるAFN東京の送信所(Googleマップより)送信アンテナは電気興業製
また無線局の免許や電波監理を行うFCC(連邦通信委員会)は1月19日に「予算案が可決できずに一部政府機関の閉鎖が生じた場合、FCCは少なくとも1月26日(金)までは通常業務を行い、スタッフにも給与を支払う」とのステートメントを発表。事態が長期化した場合は1月29日(月)以降の業務に影響が出る可能性を示唆した。
FCCは2013年10月に発生した政府機関閉鎖の際は通常業務が17日間にわたって停止したほか、免許関係のデータベースも利用できない状態となり、ARRL(アメリカのアマチュア無線連盟)やVEC(ボランティアグループによるFCC資格試験)の業務にも影響が及んだ。
なお世界各国のAFNはスマートフォンのアプリでも聴取可能だ。世界中のAFNで一斉にクラシック音楽が流れている様子が確認できる。アプリの紹介は過去の掲載記事(下記)を参照のこと。
<日本では1997年まで「FEN」と呼称>無料! 世界各地の米軍基地向け放送「AFN」がスマホで聞ける
https://www.hamlife.jp/2014/05/25/afn-app/
●関連リンク:
・AFN Facebookページ
・FCC Plan In The Event Of A Partial Government Shutdown(Federal Communications Commission)
・米政府機関閉鎖で米軍ラジオが放送停止(NHK NEWS WEB)
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